どの種目にしようかな・・・・ケトルベルスポーツでの種目選択



ケトルベルスポーツは10分間でケトルベルを何回上げられるかを競う競技です。基本種目は、スナッチ、ロングサイクル(クリーン&ジャーク)、ジャーク、バイアスロン(スナッチとジャークの合計を競う)です。


もちろん全部上手にできたらいいですが、ケトルベルはエコノミー(動作の効率性)が大きく反映されるので、やりこんだ方が有利・・・ってことで、最初は一つ種目を決めて集中的にやったほうがいいです。(OKCJの資格試験にバイアスロンは入っていません)




スナッチは男性も女性もケトルベルは一つ。ジャーク、ロングサイクルは男性は二つ、女性は一つです。体重が重いほうが有利なため、競技は体重別で行います。




目安ですが、OKCJのインストラクター資格をとるためには下に書いてある以上の回数をあげなければなりません。



まずはこのくらいを目標にやるといいと思います。


男性 16キロ ※スナッチはS  ジャークはJ ロングサイクルはLCです。



63
 68k 73kg 78kg 85kg 95kg 105kg 105

S 114 122 130 134 140 146 152 156

J 110 116 122 126 130 132 136 140

LC 54 58 62 66 70 72 74 76


女性 12キロ  ※スナッチはS  ジャークはJ ロングサイクルはLCです。




48
 53 58 63 68 68

S 50 60 70 80 90 100

J 56 68 74 80 86 92

LC 38 48 52 56 60 64


資格試験を受ける男性は、体重が軽いならスナッチ、重いならロングサイクルがおすすめです。なぜなら体重60キロの人ならスナッチは16キロで134レップスですが、100キロなら189レップスしなければなりません。ロングサイクルなら100キロの人は72レップスでOKです。


スナッチはいかに前腕の疲労を軽減するかがポイントなので、たとえパワーに自信があっても、「肩も脚も疲労はないのに握力が持たずスナッチできない・・・」という状態になることがあります。やりこまないとなかなか高回数できにくい種目なのです。一つ問題は、ロングサイクルはベルが2つ必要だということです。金銭面も・・・・・最終的には種目選択は好みですが(笑)








ケトルベルの重量選択

「ケトルベルやりたいけど、まず最初に何キロ買えばいいの?」

よく話題になるとこですよね。よく言われるのは「ショルダープレスができるより、少し重い重量を買うと長く使える」ですかね?



わたしは・・


まったく運動をしていない 女性8キロ・男性12キロ


運動経験ありの 女性12キロ・男性16キロ


競技目的に使用する場合 女性12キロ・男性16キロ




で、おすすめしています。競技者でも16キロということに疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、16キロは一番使い勝手がいい重量だからです。

高重量・低回数をずっと望むなら、4キロ刻みのケトルベルよりも、バーベルのほうがいいのではと思うからです。28キロダブルから32キロダブルですと実に8キロの差がでてしまいます。




ケトルベルの良いところはクイック種目が容易であることなので、高重量・低回数でやりたくなるとは思いますが、私が実際にケトルベルに接してみて、多くの格闘家にやってもらいたいと感じたのは5分以上かけて行う長いトレーニングです。


スナッチやジャークだったら16キロ・5分で100回。10分で200回。3秒に一回のペースですね。20キロや24キロなら5秒で一回のペースでもいいかもしれません。




これで何が良くなるかといいますと、筋持久力がアップします。(ダウンスイングの利点に関しては一つ前のブログをご覧ください)




特異性の原理というものがあります。これは、練習でもっとも利用された器官・組織に対して適応が起こる・・・ウエイトトレーニングなら筋肥大、マラソンなら持久的能力が向上するということです。



格闘家がレジスタンストレーニング!というと、筋肥大や連動性などばかりがクローズアップされますが、格闘技は1ラウンドだけ暴れられればいいわけではありません。


だから、ある程度の負荷を一定時間出し続けられる能力は、一定時間同じような負荷を出させなければ養いにくいのです。


ケトルベルの種目の多くは全身運動ですし。下半身だけでも上半身だけでも5分はできません。腹に力を入れたまま、いろいろな筋肉をゆるめたり、固めたりするのは、戦う動作にとても似ていると思います。




そしてもう一つ考慮していただきたいのは、いつ、どのようなトレーニングでケトルベルを使用するかということです。黒船では主にサーキットで、それも通常の練習終了後、へとへとの状態で行います。これは多いパターンはではないでしょうか?こういうフレッシュではない状態で高重量のクイック種目は非常に危険です。


ジムでみんなで使うならぜひ16キロ2つ。次に20キロ1つ。次に12キロ1つ。次に24キロ・・・と買うとメニューが広がります。(この買い方だと、メニューの指示がしやすいです)




~追記~

少し極端な例ですが、ウエイトを定期的に行い、見た目もかなりマッチョで、ベンチは100キロ、ショルダープレスは20キロ余裕なのに、20キロスナッチが一回もできなかった選手がいました。


その一方、元ボクサーで細身、最近は運動まったくしてないってガリガリの人が24キロひょいひょいとしたりします。詳しく聞くと、前者はベンチやスクワットなどの種目だけで、クイック種目はやっていませんでした。後者は大学のアマチュア時代にパワークリーンやスナッチなどをやらされていたそうです。

前者のボクサーは「下半身の力を上半身に伝えること」や、「固定して力は出せるけど、不安定なところでは力発揮が苦手」なようです。


実際、実践でも出てしまっているので、ぜひケトルベルをウエイトメニューにとりこんで欲しいですね。ですので、重量選択の際は、「ウエイト経験」があるなら、「クイック種目の経験のあるなし」も判断要素かと。