資生堂 マジョリカ マジョルカ チャーミングボディーの解析 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

うちのブログを「アジエンスMEGURI」で検索される方が多いようなので、前回までその解析をシリーズでやってみましたが。
なかなか好評をいただいたようです(^_^;)

今回は新製品が出たという事もあり、同じようにアクセスの多いマジョリカマジョルカを取り上げてみます。
商品名はマジョリカ マジョルカ チャーミングボディー。
成分数も少ないし。今回は軽く行きますよ~。

2015/10/21に発売されたばかりの商品ですね。
分類上はちょっと変わっていて、ボディクリーム兼ヘアクリーム(^_^;)
髪にも体にも使えるクリームですね。髪に使う場合はアウトバスです。

とりあえず商品写真。
今回は本製品を買ってます。800円/99g。


数量限定品とのことで。
そのせいか、あまりマジョマジョらしくない(^_^;)、地味な容器ですね。
外箱も無く、むき身で売ってます(^_^;)

商品コンセプトは以下の通りです。

1)女らしさを深く印象づける香り。ひと目でわかる、ハリとつや。
2)水滴が滑り落ちるほどすべすべの肌。
3)嗅覚・視覚・触覚のすべてにアプローチするボディー&ヘアミルク。
4)外部の嫌な臭い(タバコ等)を寄せつけず、ボディーや髪の気 になる臭いをカバーする機能性香料を使用しています。

という事です。
下記の商品ページから構成しました。
http://www.shiseido.co.jp/mj/
http://www.shiseido.co.jp/sw/products/SWFG070410.seam?shohin_pl_c_cd=700201

ハリとツヤはともかく、「水滴が滑り落ちるほどすべすべの肌」って(^_^;)
後で詳しく解析しますが、シリコンバリバリなんです。そりゃー、水滴もはじいて滑るって(^_^;)

またこの商品、発売して1週間そこそこなのに、もう@cosmeにページがあります。さすが資生堂さん、抜け目ない。
@cosmeでの評価は、早くもクチコミ 26件 注目人数 114人です。
評価点は5.0点で、ボディローション・ミルク部門の11位にランキングされてます。
なかなかですね。

化粧品犬が使った感じは最後に書くとして。
処方の解析に行きましょー。

裏面に書いてある全成分は、以下の通りです。

水,ジメチコン,DPG,トリ (カプリル酸/カプリン酸)グリセリル,グリセリン,イソドデ力ン,エタノ一ル,バルミチン酸エチルヘキシル,コハク酸ジエチルヘキシル,コーンスターチ,PEG-60水添ヒマシ油,アミノプロピルジメチコン,ヒアルロン酸Na,カニナバラ果実エキス,ステアリン酸PEG一5グリセリル,力ルポマ一,水酸化K, (アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))コポリマー,メタリン酸Na,BG,フェノキシェタノ一ル,メチルパラベン,香料

この裏面を整理するとこんな感じです。

では上から見て言いましょう。

まず油性成分のパート。
水の次に多いのがジメチコンですね。これはシリコン油のことです。
次のトリ (カプリル酸/カプリン酸)グリセリルや、バルミチン酸エチルヘキシル、コハク酸ジエチルヘキシルなどは全てエステル油と言われる油で、いずれもサラッとした軽い感触のオイルです。
三番目に書いてあるイソドデカンは、全成分を見てもなかなかの量が配合されているのですが、これは石油から精製されてた、特に軽い感触で、かつ特に水と混ざりにくい油(炭化水素系の油)です。
ここまで、ひたすら軽くてサラッとした油を集めた感じですね。
最後のアミノプロピルジメチコンというやはりシリコン油の一種のほうが、保湿感が高いくらいです。

次に乳化剤のパート。
PEG-60水添ヒマシ油と、 ステアリン酸PEG一5グリセリルが使われています。二つとも安全性が高く、秘匿使われている乳化剤です。

次に粉体のパート。
サラッとした油の多い製品ですが、さらにサラッとさせる粉体も配合されてます。
コーンスターチですね。
料理に使われるイメージがありますが、化粧品でもタルクと一緒に結構使われます。
ただこの商品では、気にならないくらい少量の使用ですね。

防腐剤は、フェノキシエタノールとパラベン。普通ですね。

次は保湿剤、香料などのパート。
前に解析したヌードメークジェルは、サディスティックなほどエタノールの多い製品で(^_^;)
そのエタノールに負けないように、珍しい増粘剤を配合しているのが処方の特徴になってました。
しかし今回のチャーミングボディーは、それほどエタノールが多くないです。
水の次に多いのは、順当にDPGやグリセリンと言った保湿成分になってます。
エタノールはその次の配合量ですね。
よって今回は増粘剤も平凡で、一般的な増粘剤であるカルボマーと(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))コポリマーになっています。
(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10-30))コポリマーは、多少は、対アルコール性はあるんですけどね。
そのせいか今回のチャーミングボディーは、ヌードメークジェルにようなクリームがローションになるような急激な変化は無く。
最初から緩めのクリームです(^_^;)

後は気持ちの分だけ(^_^;)、ヒアルロン酸Naと「ローズ水(カニナバラ果実エキス)が配合されているという感じです。

さて使用感ですが。
体にも髪にも使えるというのは、:ちょっと面白いコンセプトです。
しかし、そうするためには、例えばボディクリームとしては有効なパウダー類を、髪に使う事を考えると多くは配合できない。
また、ヘアクリームとしてはポリマー多めでセット性を持たせる方が好ましいが、体に塗ることを考えるとべたつきがない方が良いのでポリマーは多くは配合できない。
というように、ボディクリームとしてもヘアクリームとしても、中途半端な性能であることが否めません。

が、なにしろ値段が安いので(^_^;)
かつ、髪にも体にも使えて一本で済むという、お得感もなかなか。
これはこれでアリな気がします。

ただ化粧品犬のような年配者からすると、これ明らかに昔のキューティクルコート(枝毛コート)の直系処方だなーとか。
香りも昔のマシェリ風で、ちょっと古くないか?とか(^_^;)
昔流行ったモノを、やけに短いサイクルでまた出してしまったような気もします(^_^;)

ただマジョリカマジョルカは明らかに若い人向けのブランドなので、その辺りが気にならなければ。
なかなか面白い製品ではないかな、と思います。
数量限定なので、興味のある方はお早めにチェックですよ。