ファンケル×ローソン 無添加化粧品 番外編2(マイルドクレンジングオイル特許訴訟の続き) | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
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化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

以前、ファンケルとDHCのマイルドクレンジングオイルを廻る特許訴訟についてエントリーを書いたのですが。

意外に好評でした(^_^;)

そこで続きを書こうと思います。
実は前のエントリの後、今後はDHCの商品をクレンジングオイルを取り上げていく展開を考えていたのですが、止めました(^_^;)
何故止めたかが今回のポイントです。

今回は、処方解析では無いゆるい読み物です。
ゆるい読みものにせざるを得なかったというか、そんな感じです(^_^;)
では、はじまり~。

まず、ファンケルの「マイルドクレンジングオイルと、ファンケルが訴訟したDHCマイルドタッチ クレンジングオイルの処方を比較しておきます。
処方は現在は医薬部外品に変更されているのですが、昔の処方がこちらのサイトに掲載していたので使わせていただきました。
http://bihada-mania.jp/cosme/7245


正直、大して似ていない(^_^;)
これで訴訟されたら、DHCもぶちきれ!でしょう。
前のエントリーでも書きましたが、マイルドクレンジングオイルの特許上の構成要素

油剤
デキストリン脂肪酸エステル
炭素数8~10のポリグリセリンのエステル
陰イオン界面活性剤

どれもクレンジングオイルに使われますから、これらで特許を取るというのは元々無理があります。
最終的にはDHCさんが実質勝つわけですが。

しかし、DHCさんの知財部はすばらしかったのですが。
DHCさんの商売上の態度には疑問を感じずにはいられません。
というか、はっきりと、ひどいです。
この後DHCさんは訴訟で懲りたせいか、クレンジングオイルの処方を変更し医薬部外品化しててしまったのですが。
部外品にすること自体は良いのですが、そこから処方を非公開としてしまいました(^_^;)

ん?かなり昔ならともかく、今時部外品化して処方隠すなんて?
そんなこと法律的にも、できたっけ?

なんかの間違いかなーと思い、クレンジングオイル(薬用ディープクレンジングオイル)を含むセットを買ってみたのですが。
(今後解析してみようかという考えもあり)
しかし、薬用ディープクレンジングオイルの所だけ、本当に処方が書いてない(@_@)


そこで、商品を購入したという事もあり、直接DHCにメールで問い合わせてみました(^_^)v
すると来た返事が、こんな感じ。以下メール引用。

この度はお問い合わせいただきまして誠にありがとうございます。
早速ですが、お問い合わせいただいた件についてご案内申し上げます。
医薬部外品の、全成分表示はメーカー側の対応に任せられており、大変申し訳ありませんが弊社では開示を行っておりません。
現時点では、開示の予定はございません。
アレルギー等でご心配な成分がございましたら、成分名を<美容相談室0120-575-370>にお尋ねいただきますと配合の有無をお調べして、後日、お電話でご案内いたします。
よろしくお願い致します。


こいつら、ガチで処方を隠してる~!
裏面表示でどんな成分が入っているかを確認するのは、消費者の当然の権利だと思っていましたが。
文面から見ると、この会社は分かってて、完全無視ですね。

また:「医薬部外品の、全成分表示はメーカー側の対応に任せられており」とありますがそうだっけ?と化粧品工業連合会のHPを調べてみると。
http://www.jcia.org/n/biz/ln/c/

それによると以下の通りです。

日本化粧品工業連合会では、医薬部外品の成分表示に係る医薬部外品関係団体と厚生労働省との意見交換会を受け、成分表示の実施について検討、審議を行い、日本化粧品工業連合会の自主基準として成分表示を行うとの結論に至りました。

やっぱり、世の中では全成分表示することになっている
しかも厚生労働省と交渉して、自主基準としてちゃんとやっていきますと言うことで。
そういうことで、なんとか法律にしないで済んだという感じですね。
これがいつからやっているかというと。

日本化粧品工業連合会では、具体的な表示方法等について検討を行い、「医薬部外品の成分表示に係る日本化粧品工業連合会の基本方針」を作成し、医薬部外品の成分表示を、平成18年4月1日から日本化粧品工業連合会の自主基準として実施(猶予期間2年間)致します。

というわけで2006年から開始(猶予期間2年)ですね。
やはり、とっくに猶予期間も終わってる。
自主基準だからこのルールを守らなくて良いのだ、ということでは無いでしょう。
自主基準が守れないと、その基準が法律化するだけです。
そうするといろいろな罰則規定が着いたりして面倒なことになる(表示ミスによる回収規定とか)。
化粧品会社は、かなりヤクザっぽい会社も、たまにあるのですが、皆このルールは守ってます。
おそらく、日本の化粧品会社でこのルールを守っていないのはDHCぐらいです。

薬用ディープクレンジングオイルの@cosmeでの クチコミ数は16612件、 注目人数は 584人と膨大なんですよ。
DHCは大手である自覚もないし、業界や社会に対する責任も負う気は無い会社だと言わざるを得ません。

というわけで、なんかDHCの商品の紹介とかおすすめとか、したくないし。
かといって貶してばかりではブログ書いてて面白くないので。
DHCを取り上げる気が、すっかり無くなりました(^_^;)

生温く、富士フイルムとDHCの特許争いを見守っていこうと思います(^_^;)