ライトノベル今昔 | うろんなblog(冬)

ライトノベル今昔

変わったよね、ライトノベル。特に『SFモノのあり方』みたいなやつが。

一言で言うと『ファンタジー世界の脱中世化』って言うのかなぁ

一昔前は「ファンタジー」世界における文明レベルは中世と決まってて
人々は小さな集落で原始的な農業に携わり、そこには封建領主が君臨して全権を振るい、村から一歩でも出ればそこは未開の地。

移動手段は徒歩か馬車。

工業はまだまだ未発達で、鋼をようやく生産できるようになったくらい。

武装は剣や槍に鎖かたびら。ひょっとしたらごく初歩的な先込め式の銃はあるかもしれない。

字を読める人間はごく限られていて、魔術や魔物といった存在がごく現実的なものとして認識されていて、医者は瀉血以外に治療法を知らない。などなど……


現代的な「ファンタジー」はこうした前提を置かないんだよね。現代と過去の要素を無差別に混ぜ合わせて成立する。
うーん……例えば『キノの旅』とか

剣と魔術は出てくるが、炸薬入りの弾丸を撃ちまくる銃も同時に出てきたりする。

人々は当然のように規格化された工業製品を用い、印刷された書物に接する。

やたらと派手な服を着ているが、その生産や流通を支えているはずの社会のありかたといったものは片鱗すら見えない。

別にそれが劣っているとか言いたいわけじゃなくて、ただ統合された世界観というものに対する欲望は失われたんだなあと。

メタ要素が増えたっていうとわかりやすいのかな

架空の世界の経済を考え政治を考え地図を描き年表を作り言語をでっち上げたりするようなある意味で病的な熱意は、きわめて20世紀的なものだったのだなあと。

ライトノベルっていうのは世界観が重要だと思うんだよね。

まともな文学相手に文章力やらで太刀打ち出来るものでも無いから

まあそういった意味じゃ価値観の多様化が進んだって見方も出来て、ある程度の視界は開けたかなあとは思うんだけど

なんだろうね、独特の雰囲気が無くなったというか……なんとも言い難い感じになってきたと思うよね。最近のラノベ作品は

悪いとは言わない、むしろ良い傾向だと思うけど

ハルヒやシャナやゼロやとあるシリーズのようなのばっかりでもどうかとも思うワケですよ

まあ時代っちゃあ時代なのかな。設定ありきで進んでいくのが今の人気なのもね

まあそれで楽しめるならいいんじゃ無いのかと。

愚痴垂れてても良いこと無いし、時代に合わせるのが潔いオタクだよね