「奇々怪々 〜もののけ達の夜〜」 | 小野寺昭憲オフィシャルブログ - 破壊と創造の記録 -

「奇々怪々 〜もののけ達の夜〜」


小野寺昭憲オフィシャルブログ - 破壊と創造の記録 --奇々怪々


 折からの冷たい小雨が新宿のコンクリートを濡らす土曜の昼下がり、カートプロモーション 舞台公演「奇々怪々 ~もののけ達の夜~」にご招待与り、SPACE107へと馳せ参じました。


 柿崎裕治 社長御自ら作・演出に臨まれた本作は、一昨年の処女作「TEN COUNT ~春の章~」、そして昨年の「帰って来た蛍」、「TEN COUNT ~秋の章~」に続く第4作目の舞台であり、初の時代劇、初のオリジナル書き下ろしに挑まれた作品であります。


 物書き、若侍、奉公人の女、旅役者の夫婦、坊主、近在の女、浪人、商人、用心棒、駆け落ちの百姓二人、役人、・・・そして謎の老婆と妖怪達。雷雨を避けて雨宿りした一軒の荒ら屋を舞台に繰り広げられる奇々怪々な物語。・・・


 公演中ですので本の内容は詳らかには出来ませんが、総勢23名に及ぶ個性豊かなキャラクターが各々絶妙な芝居を繰り出して織り混ざるその有様は、混沌としていながら実に精緻に組み立てられた群像劇であり、観る者の心を舞台に釘付けにします。


 特筆すべきは緩急の妙であり、妖怪や殺陣、深刻な人間ドラマで張り詰めた緊張感をフッと緩ませる巧みな“笑い”がそこかしこに散りばめられており、それをして作品全体のリズムが創り上げられているのです。


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 ──演出家の業とそれに応える役者の業、裏方の業が見事に相乗効果を成した本作「奇々怪々 ~もののけ達の夜~」は、いよいよ明日、千秋楽を迎えます。連日超満員札止めの劇場が、その素晴らしさを物語っておりました。