昨日、新国立劇場にワグナーの『さまよえるオランダ人』を観に行って来ました。
生粋のワグネリアンの私にとって数あるワグナーの作品の中でも
『トリスタンとイゾルデ』『ヴァルキューレ』に続く、特に思い入れの強いオペラ。
まだ、本場のバイロイトでは観劇した事はありませんが、
このオペラは世界中のあらゆる劇場で観ています。
ワグナー作品の中で、一番私の観劇数が多い作品です。
だから,色々な歌手、違った演出で観ているので、ちょっと目が肥えている。
そう言う事を踏まえて、昨日のオペラを考察してみると、、、、
今までで一番違和感が残ったかもしれない。
主要な役は外国人アーティストなんですが、アンサンブルは全部日本人。
ここは、日本なので(またそう言う趣旨なので)仕方ないと言ったら
仕方ないのですが、
主役級の彫りの深い欧米顔の歌手と、
ドイツ人のふりをしている平べったい顔の(by テルマエロマエ)日本人が
絡んでも、凄い違和感。
何か外人の歌舞伎を観てるみたい。
逆の意味で『蝶々夫人』マダムバタフライを太っちょの外人が日本の着物着て
演じる時も、同じ事を感じますがね。
もし、主役も全部日本人なら、それはそれで大丈夫だったかもしれないけど。
あと、演出があんまり良くなかった。
ちょっと安っぽ過ぎ。
せっかくのオペラなのに。
これも、年中オペラの劇場なので、それほど気合いも予算も
かけられない事も分かってるんですけどね。
なにしろ、思い入れが強過ぎるオペラなもので、評価もつい厳しくなります。
休日のお昼の公演でしたが、
客層は80~90%が高齢者風。それもカップルが多い。
年を重ねた老夫婦が、二人並んで仲良くオペラ鑑賞されている姿は、
非常に微笑ましいものがありました。
それにしても、”ブラボーおじさん”って、どんなコンサートにも生息するんだね。