睡眠薬の分類 | 薬のことで気になったら

睡眠薬の分類

睡眠薬の分類には作用時間の長さや
抗不安作用、鎮静作用の強弱によって分類されます。

ここでは作用時間の長さによる分類をご紹介します。

①超短時間型
 「ハルシオン」「マイスリー」「アモバン」が長短時間型に分類されます。
 有効成分の半減期(体の血液中濃度が半分になるまでの時間)は
 2~4時間です。
 
 ハルシオンは前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう)が出ることがあります。
 前向性健忘とは夜寝る前に部屋の電気を消したにもかかわらず、夜中に電気が
 ついているなど夜中に起きて自分が電気をつけた行為が記憶に残っていない。
 この様なことを前向性健忘といいます。

 アモバンは苦味がありますので、飲みにくい場合は医師と相談してみましょう。
 
②短時間型
 「レンドルミン」「リスミー」「エバミール」などが短時間型に分類されます。
 有効成分の半減期は7~10時間です。

③中間型
 「ロヒプノール」「ベンザリン」「ユーロジン」などが中間型に分類されます。
 有効成分の半減期は20~30時間です。

 中間型以上の作用時間の睡眠薬は翌朝眠気を引きずる可能性があります。
 翌日の生活に支障をきたすようであれば医師に相談してください。

 なお、ロヒプノールはアメリカへ持ち込むことができません。
 仕事や旅行でアメリカへ行く場合は事前に医師と相談してロヒプノールの
 代わりとなる睡眠薬を使用することを考慮してください。

④長時間型
 「ドラール」「ソメリン」「ダルメート」などが長時間型に分類されます。
 有効成分の半減期は40~100時間です。

 長時間型の睡眠薬も翌朝まで眠気を引きずる可能性がありますので注意してください。
 ドラールは食事後すぐに飲むと効きすぎることがありますので、寝る前の少し空腹状態で
 飲むようにしてください。

このほかにもよく使用される睡眠薬として「デパス」があります。
デパスは抗不安作用や筋弛緩作用が強く「肩こりの薬」として使われる場合もあります。
しかしデパスは効きがいい薬ですので長期間服用を続けると用量依存を起こしやすくなります。
デパスを使用する場合は注意してください。

寝つきが悪いが、一度眠ってしまうと朝まで起きることはない場合(入眠障害)は
超短時間型のみで十分です。
しかし寝つきが悪い上に夜中に目が覚める(中途覚醒)も伴う場合は超短時間型に加えて
短時間型や中間型も合わせて処方されることが多いです。

睡眠薬は初めのうちは飲むことに不安を覚えることがあるかもしれません。
しかし睡眠薬を飲むことによって十分な睡眠をとることが治療の目的ですので
自己判断で飲むことを中止しないでください。

また自己判断で中止した場合は正直に医師に伝えてください。
医師も人ですので、患者さんの症状を一度の診察で百発百中させることは困難です。
診察回数を重ねることによって、その人にあった睡眠薬を見つけていきます。

睡眠薬を必要とする病気(うつ病、自律神経失調など)は医師とのコミュニケーションを
とりながら治療を進めていくことが特に大切な病気です。

自分の状態を正直に医師へ説明してください。