ストレスと頭痛
テーマ:偏頭痛・頭痛- こうすれば病気は治る―心とからだの免疫学 (新潮文庫)/安保 徹
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「こうすれば病気は治る」 安保 徹著 新潮文庫より一部転載。
頭痛のたね
おそらく頭痛を経験したことのない人は、一人もいないのではないだろうか。
とても身近な病気の一つといえると思う。
頭痛は、一般には偏頭痛や緊張性頭痛など、いろいろに分類されるている。
しかし私は、この一見それらしい分類は、頭痛がなぜ起こるのかという本質を
突いていないと考える。
その証拠が、頭痛にはすべて痛み止めが処方されているという現状である。
薬以外に手を温めると効果がある、あるいは反対に冷やすと良いなどの理学療法的な
アドバイスもあるけれども、そう言いながらも、必ず消炎鎮痛剤である痛み止めが
処方されている。
本当のことをいえば、頭痛は名前を付けて分類する必要などないのである。
つまり、緊張性頭痛と呼ばれるものは、ストレスが緊張を生み出した時点で
起きるものである。
首から頭にかけて、あるいは肩にかけての血管が収縮し、血流が途絶えて、
筋肉が非常に緊張することによって起こっているのである。
重くしめつけられるような痛みで、本当にひどい人は、鍋をかぶったようなとか、
鉛の鎧を着ているようだとたとえる状態である。
その後、そういう緊張した状態から解放されてリラックスしたとき、あるいは体が
温まったときに、今度はズキンズキンという表現があてはまるような拍動性の
痛みが出てくる。
それは筋肉が緊張して血流障害が起きていた部分があった場合に、その原因となっていた
ストレスが取り除かれたとき、その部分の血流障害が解放されて、血液がおしかけている
状態なのである。
頭痛に悩まされている人は、ちょっと思い起こして欲しい。
ズキズキとした頭痛が起こるのは、仕事が終わってホッとしたときや、家でくつろいでいるとき、
あるいは布団に入って体が温まったときなのではないだろうか。
そういうときは交感神経緊張の状態から、副交感神経優位の状態に移っている。
緊張していた筋肉に一気に血液が増えて、さっきまでは重い痛みだったものが、
今度は拍動性の、頭が割れるような痛みに変化する。
だから、その痛みの違いを偏頭痛とか緊張性頭痛などと分類することは、あまり意味が
ないのだ。 筋緊張による痛みと、緊張が解けて血液が回復したことによって起こる痛み、
この二つなのである。
第一章でも述べたように、私たちの体の血管が開くときには痛みを伴う。
その主要な物質は、プロスタグランジンである。
このプロスタグランジンは、血管を開く、痛みを起こす、発熱させる。 という三つの作用を
持っている。 ただし、頭痛の場合には炎症までは起こしていないので、熱は出ない。
たまに熱が出る人もいるけれども、ほとんどの人は血管拡張と痛みが現れる。
血管が拡張すれば、拍動が感じられるし、痛みも伴うのだ。
痛み止めを飲むと、頭痛はうそのようにサッと消えると思う。 例えば、家庭薬としては
バファリンなどがポピュラーな薬だと思うが、飲めば短時間でよく効く。
これらの痛み止めは、プロスタグランジンの産生を抑制しているのである。
血管を開いて血流を多くしようとしていた物質が無くなれば、開いていた血管は
閉じて組織が圧迫されることもなくなるから、とりあえず痛みは無くなるのである。
しかし、この痛みが止まった状態は、別の視点から考えれば、ストレスで緊張が起こって
血流が止まっている状態と、同じなのだ。 言い方を変えれば、ストレスがぶり返している
状態だといえるのである。
だから、薬が切れれば、体は滞っていた血流を回復させようとして、その結果として
また痛みがはじまるのだ。
頭痛薬はいつの間にか習慣になってしまうことが多い。
しかし痛み止めで抑えている限り、頭痛を完治させることは難しいだろう。
痛みを薬で抑え、しばらくして再発し、それでまた薬を飲むというくり返しになってしまう。
頭痛薬には特にそういう特徴がる。 だから頭痛を痛み止めで治そうとするのを
やめるべきなのである。
中には、薬を非常に短期間だけ服用して治ってしまう人もいるので、頭痛薬が絶対に
だめだとは断言できないが、少なくとも常用するのは止めた方が良いことは確かである。
では、消炎鎮痛剤に頼らずにどうすればよいのか。 それは、どうして筋緊張が起こり、
血流が滞ってしまたのかを探ることである。
考えられる原因としては一番多いのは、やはり職場におけるストレスや家庭内の
トラブルなどであろうが、じっくり考えてみれば、何らかの原因に必ずたどり着く
ものである。
その他、薬を常用している人の中には、痛み止め自体がストレスと同じ作用に働いて
しまって、もともと頭痛の原因であったストレスは解消されているのに、頭痛薬そのものが
ストレスになってしまっている人もいる。
だから、何か原因がないか考えてみて、根本の原因は解放されているにもかかわらず、
頭痛が続いているような場合には、頭痛薬そのものがストレスになっている可能性を
考えてみる必要もあるだろう。
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