英単語を記憶するという作業は誰にとっても苦痛そのもです。


規則性があるようなないような感じの英単語の綴りをどうやってお子さんの頭に焼き付けていくのか


誰しもが悩むところだとは思います。


(英単語の綴りと音声の関係性を感覚でつかめている高校生)


こちらは,


(1)類義語,対義語といった,意味のつながり


(2)語根を利用した形のつながり


をフルに活用することで,三次元的に単語知識を増やして頂くことが可能です。


例えば,


abandon


「~を見捨てる」


という単語


(1)の観点で言えば,give up, throw away, leave, quit, が類義語

join, engage, unite, retainが対義語です。

(Laurence Urdang The Basic Book of Synonums & Antonyms参照)


(2)の観点で言えば

aは「離れて」を表す接頭語

bandは「結びつける」という意味の動詞

これらが合わさって,「結びつきを話す,すなわち,見捨てる」

という意味を連想して頂くのです。


このようなトレーニングを講師の努力により,徹底的に繰り返すことで生徒さんは,頻出単語を何度も目にします。


もちろん,生徒さんの習熟度に応じて

"give up smoking"のように英作文で頻出の表現や

leaveの多義性(①離れる,②去る, ③~を残す,④~のままにする)といった点も触れれば

受験で必要なポイントを一気に理解することができます。


様々な記憶術の本などが出版されていますが


結局は記憶すべき内容を「抽出する」そして「反復する」といった作業が記憶の本質です。


これを自分でできないのが学習の途中段階にいる学生の皆さんです。


そこで,我々講師が「抽出する」「反復させる」ことで,生徒さんの記憶の定着を図ることが肝要なわけです。



そういえば,abandonに関連して,以下のようなエピソードがありました。


「じゃあ,ここにある"amoral"って,moralを離れるから,”道徳から離れた”という意味なの?」


と。


「"amoral"は"道徳とは無関係な,超道徳的な"だよ。よくできたね。」


と褒めた上で更に,付け加えました。


「"immoral"不道徳な"という意味だよ。」


次の週に,その生徒さんはimから始まる単語を辞書で読んできたとおっしゃっていました。


嬉しいですね。

ここで問題となってくるのが「宿題」の活用です。


全ての例題を解説できない以上,「宿題」として生徒さんに自習を求めることになってしまうと思います。


しかし,自分で勉強することが難しい生徒さんであるからこそ


家庭教師を依頼するのです。


ここで,「自習任せ」にしてしまうことは家庭教師としては許されないのではないかという疑問が頭をよぎります。


しかしながら,週にせいぜい2~3時間程度しか指導しない生徒さんの学力を


本当の意味で上昇させるためには,やはり「自分で考える力」をつけて頂かなくてはなりません。


そこで,家庭教師としては


「自分で考えられるようなヒントを出す」


ことが求められます。


この「ヒント」を上手に出せる先生は


同じ期間の指導であってもより多くの問題を生徒さんにこなしていただくことができるのです。


例えば,二次関数の最大最小問題の場合分けについてです。


青チャートには二次関数の場合分けの問題が複数ありますが


まず,一問だけ解説します。


そして,


「じゃあ,残りの問題も同じように”場合分け”が必要になるんだけど,どの点で”場合分け”が必要なのか,自分で考えてみてきて下さい。グラフと変域の位置関係によって,どのあたりが,最大値・最小値になるかが変わるとから場合分けが必要なんだけど・・・。どのあたりが最大値・最小値になるかが変わったら,それらを表す文字式も別のものになるから,場合分けが必要なんだよね。」」


という具合にヒントを与えます。


更に


「どうしても分からなかったら,とりあえず,グラフと変域を図示して来て下さい。あ,色々なパターンが考えられそうなら,いくつか書いてきてもいいからね。」


と,最低限すべき作業を明示します。


その上で,残りの演習問題数問を宿題にします。


そして,授業では全く別の内容を解説するのです。


そうすれば,仮に問題を解くことができなくても,何らかの作業をして次の授業にのぞんでくれるわけです。


まとめると以下のようになります。


(1)ヒントを上手に出す。


(2)分からない場合にすべき,ワンランクレベルを落とした「作業」を明示する


ということです。


そうすることで,生徒さんの頭の中に自然と


「授業」→「復習」→「思考」→「試行」→「授業」


というサイクルができます。


よく,「授業」→「復習」という仮定を強調している書籍などありますが


これだけでは不十分だと私は考えます。


・思考(考えること)


・試行(試してみること)


この二点を欠いた指導では,生徒さんの成績アップは難しく,仮に成功したとしてもそれは一時的なものになってしまうでしょう。


宿題をただ出すだけではなく,生徒さんが宿題をやりやすい状況を設定する。


この点が実は一番難しいかもしれません。


しかし,この点の工夫なくして,生徒さんの自立を促進することは困難ですので


日々,工夫・改善を試みようと考えています。

生徒さんの志望校にもよりますが


国公立大学の理系学部を志望されているのであれば


「青チャート」


を使用されるのが簡単だと思います。


もっとも,生徒さん個人により計算能力などに差があると思いますので


「4step」あるいは「シグマ標準問題集」


あたりを使用されると楽かもしれません。


毎週,例題を解説し,その解き直しを宿題として課すという形が一般的でしょう。


しかしながら,120分でも恐らく解説できる問題は5~6問


400題の例題が掲載されている青チャートを全て解説するにはまるまる一年以上かかってしまいます。


しかし,入試演習をするべき時間を考えるのであれば


最低でも高校二年までに数ⅢCまでの学習を終えておく必要が出てきます。


どのようにすれば,青チャートを使いながら高速学習を進めてゆくことができるでしょうか。

時間外労働,嫌ですよね。


よほどお仕事が好きな方でなければ,時間外労働を好んでする方はいらっしゃらないと思います。


しかしながら,家庭教師指導についても時間外労働は有益なのです。


時間外労働には


1),補助プリントの作成


2),情報収集


3),指導計画


などが挙げられます。今回はこのうちの1),補助プリントの作成についてお話したいと思います。


前の記事で書かせて頂いたように,


家庭教師指導においては”無駄な時間”は少しでも削りたいものです。


そこで,「図を書く時間」「説明の時間」を短縮するために予め補助プリントを作成しておくのです。


私はオリジナルテキストの作成まで行っていますが通常はここまでしなくても結構だと思います。


補助プリントにも色々あり


・宿題用問題


・テスト問題


・説明の補助資料


など様々です。


何について作成するかは講師の指導計画と生徒さんの要望とにより決まりますが


これにも一工夫が必要です。


「フォントを統一すること」


「形式を統一すること」


です。


家庭教師の指導は集団塾の指導に比べて


ある程度場当たり的にならざるを得ませんし,


その柔軟さが家庭教師指導の一番の魅力でもあると思います。


しかし,それ故にプリントに統一感が無くなってしまうと


プリント作成も「場当たり的に」なされたんだろうなという印象を与えてしまいます。


そこで,


日本語と英数字についてまずフォントを統一してみて下さい。


次に


プリントの形式を統一しましょう。


フォントサイズも統一する方がベターです。


ちなみに私は


補助レジュメ~○○○○○○


というタイトル(あまりセンスが無いと思いますが)で


テスト以外のプリント形式を統一しています。


(フォントはMSP明朝/Times New Romanで原則統一)


これにより,プリントに統一感を持たせることができ,


生徒さんが情報を処理しやすくなります。


このような小さな工夫で指導のクオリティを高めることができるのです。


形式面にこだわりすぎると言われるかもしれませんが


集団塾・学校では当然に行われていることです。


「プロ意識」はまず「形から」生まれるものだとよく言われますが


こういった細かな形式面も重視することにより


講師としての責任感・自覚が徐々に生まれ


やがてはそれが生徒にも伝わり


付け焼き刃では作り上げることのできない


人間的な関係を生んでいくことができると私は信じています。

1,服装


なるべく正装,できればスーツで自宅に伺うことをお勧めします。


大学生であれば尚更ですが,家庭教師は組織で働く塾講師・学校教師に比べ,


「ラフ」


な仕事であると思われがちです。


また,講師自身も「ラフ」な気持ちで指導を行うケースも少ないと思います。


もちろん,ラフなアルバイトとして指導を行うのであれば


動きやすい服装で


ということになるのですが


このblogを読んで意気込んでおられる講師の方々は


熱心な方ばかりだと思いますので


あえて,フォーマルな服装をお勧めします。


個人契約ということは,あなたのバックには信用を築いてくれるものがないのです。


個人契約である以上


信用は講師自身で作り上げなければなりません。


是非,フォーマルな服装で


ご家庭の信頼を勝ち取って頂くことをお勧めします。


また,フォーマルな服装は


生徒さんに対して講師を「友達」ではなく「先生」と印象づける効果もあります。


ご家庭が友達のような先生を求めていらっしゃる場合を除いては


生徒さんに「自分は先生なんだぞ」ということを初回からアピールする方が


指導効果も高まることと思います。


(このことは生徒さんの年齢が低ければ低いほどいえると思います。)


(もちろん,服装についてはご家庭の希望を最優先にしていただきたいとは思いますが)


2,自己紹介


自己紹介はなるべく簡潔に,手短に行うのがベストです。


しかしながら,就職活動を終えていない大学生家庭教師などでは


自己アピールの練習などしていない場合が一般的だと思います。


そこで提案させて頂きたいのが


「自己紹介カード」


です。


自分の出身・得意科目・趣味・好きなスポーツなどの情報をカードにまとめて


ご家庭にお渡しするのです。

初回指導では講師はまずご家庭の希望を伺うだけで精一杯で


自己紹介にまで気が回らないことが少なくないと思います。


そこで,自己紹介は名前と出身大学程度にとどめ


講師の個人情報については講師が帰った後に


ご家庭でじっくりと楽しんでいただくのです。


「へーこの先生,こんなものが好きなんだ」


と,次の週に講師が家庭に伺う前に


ご家庭の方は講師の情報をたくさん得ることができるのです。


これは”無駄話は手短に”行う必要のある家庭教師ならではの工夫です。


時間あたりの報酬が高めの家庭教師を依頼する際に


ご家庭の方は”無駄話”にお金を払いたいとは思わないでしょう。


「この先生は,話は分かりやすいし親しみやすいけれど,無駄な時間は作らない主義なんだ」


そのようにあなたを印象づけることができれば


ご家庭との間の信頼関係構築に一歩前進ではないでしょうか??