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2024/2025年度の新規募集をさせていただきたいと思います!
が、その前に、
まずは新シーズンに留学なされた皆様、
おめでとうございます!!!
今年から、ベルギー、オランダ、オーストリアで生徒さんは学びます、、、
イタリアはスカラ座研究所からナポリサンカルロ歌劇場研修所に移籍する方が1名、
それから藤原歌劇団、二期会に今年から入団入会なされた方々も多く、
ここ2年、一緒に勉強してきた方々は無事、素晴らしい舞台へ巣立ってまいりました、、、。
というわけで!
今年9月、満を持して、生徒さん、クライアントの方々を募集いたします!!!
今回はプロ志望の方を募集しますが、
アマチュア/セミプロの方でわたしのオペラスタジオを修了なされた方で、
発声レッスンをお望みであれば、ぜひ遊びに来てください!
また、26歳以下の方は無条件でレッスンを受け入れさせていただきます。
■プロの方、プロ志望の方
今回2名のプロ歌手志望の方を募集します!
条件 どれか最低1つ
●26歳以下
●留学志望ないしは新国立劇場研修所、二期会マスタークラスなどを受験予定の者。あるいは将来的にそのような展望を持つ者
●現在、ヨーロッパの劇場、研修所在籍の方。
●現在、主要オペラ団体でオペラ歌手をなされている方。あるいは新国立劇場などでプロのコーラスをなされている方。
●わたしの主催するオペラスタジオを修了された方。
1レッスンは3,000円です。(アマチュアの方4.000円)
また月に最低1度はディスカッションを行い(無料)レパートリーを整理し、留学相談も受けます。
◎氏名
◎現在の所属(劇場、劇場研修所、音楽院、音楽大学)
◎声種
◎主なオペラの役、仕上げた歌曲のツィクルスなど。
◎最後に行った重要な公演と、つぎの本番。
◎志望する留学先、および、使用できる外国語
◎将来の予定あるいは展望。
レッスンの方向性
国際コンクールやオーディションで使うアリアまた歌曲の選別を、何よりもまずします。
発声では、音階で喉頭の筋肉をゆっくり徐々に育てていくことを目指し、
完全にメカニカルな呼吸法による空気圧縮で響きを生むやり方を学びます。
じっさいのアリアや歌曲では、何よりも、快適さと、表現しやすさ、を重視し、合わないもの、快適でないものは徹底排除します。何も考えてなくても80点とれるプログラムを探すのが第一、つぎにそのプログラムを150点に高めて競争に臨みます。合う曲が見つかるまでは譜読みが大変ですが、納得いくまで曲を探しましょう。
むろん実力の底上げも大切で、デビューしながら、地方劇場で経験を積みながら、音階で声をより磨いていけたらと思います。ただし、底上げしてからデビュー、はだめです。時間がありません、、、。
歌手としてどう売っていくのか、それを考えるのはエージェントの仕事です。しかし、現代のエージェントはもはや個性の確立した若手を探しています(というか主要劇場にすでにデビューした人を探している)。エージェントに見つかるために、あなたの強みを確立せねばなりません、そのためには何かを切らねばなりません。何を歌わないかも大事になります。戦略を練りましょう。
次の世代の若手の方は、次のオペラマーケットに留学するのが最善です。大事なことは早い段階で本格的な劇場と契約を結ぶことです。
そこには、早い段階で難解なレパートリーにさらされるリスクもありますが、
声の管理、難しいレパートリーの克服はわたしがサポートしますから安心してください。
近年、わたしの生徒は、音楽院を飛ばして劇場研修所に入る生徒が何人か出ています。これは我ながらグッドアイデアです。ただしイタリアのみ音楽院のLaureaがないと出来ないことがあります。
また、音楽高校を出た生徒の方は、そのまま音楽院に行くのが普通になってきました。親御様はどうぞお気軽にご相談くださいませ。
では皆様のおたよりをお待ち申し上げております。↓
kenbaryton@gmail.com
2024年の秋に入りましたね。
わたしは、ROFを終えてからはガランとしたPesaroのPopolo広場でこれを書いております。
今日は赤十字のボランティアのあと、
その本部そばに住むコレペティトールの先生とTrovatoreのFerrando役を学びました。
今月末、ヴェネタ州2つのコンサートホールで歌いますが、しかし初役ではなく、やはりヴェネタ州のVenezia-Mestreの市立劇場で2019年に歌ってます。
それから月末にRossiniのStabat Materのソロも控え、ペーザロ市内で行われます。
↓Beata-Vergine聖堂
先週にはわたしの家の隣近所、Tavulliaでオペラガラがあり、市長、さまざまな各方面の前で業務を果たせた気がします。
わたしが、音楽家として今後どうしていくべきか、経歴書に加えるためというよりは、また何歳まで、どこまで歌えるかというチャレンジをするよりは、
どちらかといえばいまは徹底的にサポートに回るために、
そのコネを絶やさないために、歌う感じ、流行や業界に触れているために歌う感じでしょうか。
トレーナーとしては聞こえのいい場所には身をおいてないといけないです。
早速9-11月までイタリア人ソプラノをサポートし、オーディションとその旅を、そのためのレパートリーを用意しました。
録音スタジオを押さえたり、オンラインオーディションのためのビデオを編集したりしています。これはエージェントのマネごとで、わたしの就労許可証の範囲内でこの仕事をしたい。
今のところ、無料でやってますが、9月内でどんどんプロ歌手に声をかけていき、経験を積みたいです。
9月からは音楽教室でも教えますが、こちらでは、オペラが文化でも芸術でもなく、純粋な遊びで、エンターテイメントであることを徹底して教えたい。
このように、一方ではマジな劇場との関わりを持ち、一方ではアミューズメントとしてのオペラを若者たちに広めたいのです。
さて、ROFが1ヶ月あった中、
何人か生徒、かつて生徒だった方々も訪れ、それはほんとうに嬉しかったです!
ひとりはスカラ座研究生で、ROFの内外にはわたしよりも詳しかった!
また、わたしの元エージェントがROFを視察に来て、わたしともアペリティフをご一緒くださった。とはいえ、わたしは歌手としてはもう話したいことは特になく、いま良い若手歌手なんかについてわたしがインタビューして終わったが、なかなか有意義な会話時間を過ごせました。これについては、また話しましょう。
さてシリーズ最終回にいきましょう!
さいごは骨盤筋についてです。
ここで全ての音を、空気の開始を、始めてください。
さて、この骨盤筋は下腹と表現されることもあるが、下腹よりもすこし下。
そこを中に入れるようにして息を吸い始める、
あるいは、そうした息に乗せて声を出し始めるのです。
大事なのはここで何もかもを調節するのであり、喉ではない。音量のヴォリュームをここでコントロールし、(息のバルブが骨盤下にあるとGuglielmi女史は言いました)、
さらに、『低い圧力』でゆっくり喉に空気圧を上げていくようにして、できるかぎりちからを入れないで喉のスペースをつくるのです。
こうして温かい、暗い、大声量を生み出せます。
骨盤筋を活発に使えばいいというわけでもなく、声帯にまっすぐ下から突き上げるような息になってはいけません。
Colpire la corda vocaleではなくて、
Colpire il pettoになるように、斜腹筋も用いてカーブをつくるのです。
これがつまり、おなかでまわす、こと。
頭の横にジラーレをもつより、おなかで回したほうが安全でしかも強い圧力の声を生み出せるはずです。
これが、伝説的歌手Elena Obrastsova女史が述べたパチンコ。
またスカラ座ピアニストBorroniがわたしに再三に渡って、唯一正しい息の始め方、と述べたやり方。かれと、呼吸法を詰めて学び、そのあとのリヴォルノでのイリス、アウグスブルクでのローエングリンとボッカネグラはこの呼吸法を固めたおかげで乗り切れました。
この骨盤下から息を始めるSostegnoの筋力は、筋トレで高められるのを教えてくれたのが、ドイツで出会ったFrancesca Patané。ドイツのフランクルとアルテ・オーパーで歌っていたとき、彼女は旦那様ChingariおよびテノールJohn OsbornとVerdi Galaをし、そのあとの会食で、この筋トレの話を聞いた。ドイツからすぐローマの彼女のマスタークラスに飛んだのは言うまでもないです。これは今でもやるSostegnoの筋トレ、腹筋のまま姿勢をキープし息を使います。
骨盤筋からすべての音を、息を始めます。
しかし、メロッキ派のやり方を応用し、また別のヴァージョンのやり方を生徒に教えます。
それは骨盤から息を吸い、声門下に用意するやり方。
それは、骨盤から歌い始めるやり方の応用で、同じようなやり方で、しかしそこから息を取るやり方。
わたしの生徒は、ヨガ式、と呼んだが、わたしはヨガと違うのは、息を低い圧で声門下に集め、高い圧で、『みぞおちにおろす(ジャンカルロ・デル=モナコ)』メロッキ派のやり方。
これはまさにメロッキ派と、ベルゴンツィの新ベルカント派の双方で学んだわたしが、ハイブリッドした呼吸法。
しかし、Ken式呼吸法ではなく、あきらかに両方をそのまま足してみた結果の呼吸法。
ぜひ試してください!
さて、このCの文字のSostegnoのきじもおわりました。読んでくださり、ありがとうございました。
至らない部分もありましたが、じぶんとしては、ブログでいちばん大事なことを書けたがきます。シリーズ最高傑作でした。満足しています。
次のシリーズもうまく書けますように。
ではみなさん、季節の変わり目に体調管理を気をつけて。
失礼します。
イタリアに住んでいるオペラ歌手ならではのイタリア風物詩を語るならば、
イタリアの運転事情に触れることはは避けては通れません。
生徒のみなさんもヨーロッパでのドライブを楽しんでるみたいで、なかには運転のバイトをしてるひともいます。
わたしの趣味は3つ、カフェ巡り、フィットネス、そしてドライブです。
ただわたしは家でコーヒーを楽しむようになり、この趣味はもうないです。フィットネスと体づくりはもうオペラ業とむすびつきすぎ、趣味ではなく仕事です。残った貴重な趣味はドライブです。
この趣味のいいところは、ある程度は有用なところかもしれないです。
たとえばROF期間中はわたしは歌手たちのタクシーをしたが、わたしも楽しめて、歌手たちからは感謝されました。
またわたしはイタリアで大型免許を取得したので、知り合いの業者をお手伝いをしています。
わたしは、EUでは、50km圏内で3.5㌧未満の荷物しか運べず、自家業(Conto proprio)のマークのトラックしか扱えませんが、
趣味でトラックを運転したいなら十分。
もうひとつ、こちらはボランティアで、趣味ではないが、イタリア赤十字社での救急車の運転です。↓こちらは輸送用。医療品、医療ゴミの病院への搬送、緊急ではない患者さんの移送をわたしはします。
さて、イタリアの道路事情、交通事情について話しましょう。
さぞかしわたしはヨーロッパの運転を楽しんでるかとみなさん思うだろうが、わたしは、イタリアの、とくに市内を運転するのは怖い。
この本質的恐怖は拭えないどころか、
わたしは、とくにここ半年は大きめの車で運転し続けたことになりますが(大型トラックは特に)、
こうした大きめの車を動かす経験を増せば増すほど、公道の怖さを思い知る。
2度だけ、大型トレーラーを練習しましたが、
なんでもない道がなんという試練に感じたことか。
イタリア人たちは本質的に運転が上手いひとが多いが、だからこその危なかっしさがあります。
基本的にイタリア人たちは、追い越しの天才で、
それは認めるが、
ロータリーでの追い越しはやめてほしい。
とくに、大型トラックは、ロータリーではただでさえ車線を満たして走り、ミラーで細心の注意を払ってノロノロ走ります。だからといって原チャリはロータリーでトラックを追い越さないでほしい。
イタリアからドイツに入ると、基本的には、
後続車がこちらの速度にあわせて走り、距離を詰めないのがわかります。
これがイタリアではまったく見られない。
ひとつは、監視カメラが、車間距離までは計測しないためかもしれないが、
少なくともイタリアでは、距離をきっちり詰める、ことが、むしろマナーだとさえ思われてる。
わたしはたとえイタリアでも(いや、どこだとしても)車間距離はとります。
車間距離を20メートルあけると、
ふつうに後ろの車が割り込むので、
割り込まれはしないが、じゅうぶんであるという車間距離を空けます。
ちなみに20メートルとは、50kmで走行しているときの車間距離です(ヨーロッパでの法定基準)。
これが、大雨、濃霧、の場合は非常灯を点灯させ、スピードを落とし、より車間距離をとります、ちなみにそうするのは、イタリア全土でわたしくらい。
無論、これが救急車のばあいは、
一気に車間距離をつめギアチェンジしながら追い越していく技術を学びます。
つまり、どのイタリア人も救急車ドライバーになれます。
車間距離での、いちばん最悪のパターンは、登り坂での停止・再発進です。
わたしはボローニャのジャンクションで、Pマークの新人ドライバーが再発進の際に、下がってぶつかったのを目撃した。
イタリアでは再発進で下がらないテクニックがないと事故になるという良い例。
これが坂道発進アシストのある車に慣れてしまうことの危なさです。
しかし、新人ドライバーに問題がある以前に、
後続車が5メートルあけてれば何ひとつ悪いことは起こらなかったのも真実。
またこれは生徒さんからよく聞かれるのですが、進入制限区域に入ってしまいかなりの罰金をもらった、ということでした。
わたしは、まだ罰金を受けたことはないが、
たとえば劇場やホテルが旧市街にあるときは、
いちおうナンバーを報告しておいたほうがいいです。
とくに劇場は基本的に進入制限区域に位置し、
はじめての劇場に駐車するときは、離れた地域に停めるか、許可証をもらってください。
なんかイタリアの交通事情というよりは国土交通省のパンフレットみたいな記事になりましたが、次回をお楽しみに!
わたしのソリストの経歴は2006年春に新国立劇場にデビューしてから2022年夏までのなかでの10シーズンのみ、プロモーションないしはエージェントと契約、ないしは劇場と契約をして歌いました、それもフランクフルトアルテオーパーを除けば、ドイツ・フランス・イタリアのB級クラスの劇場、あるいはプッチーニフェスティヴァルやブッセートのヴェルディフェスティヴァルでしか歌ったことがない。
わたしの経歴は中途半端なレベルでとまったまま終焉しました。
たとえばわたしがオペラ歌手人生最大の功績はラヴェンナフェスティヴァル2021/2022開幕の、『マストルナの旅』で準主役を歌ったこと、芸術家として、オペラ歌手として、最大の経験をしました。
このラヴェンナ劇場はバスティアニーニがBohémでデビューした劇場。
ようするにわたしは巨匠のスタート地点には立てた、が、そこで終わった。
ですから、生徒諸君に言うように、わたしとは、真の発声をレッスン室で5年間学ぶ相手ではない。
わたしは、せいぜい、発声マニアにすぎず(このブログがそうであるように)、わたしがレッスンの使命は、あなた方がマジで学ぶ場所、たとえばスカラ座や、一流劇場研修所に運ぶこと。あるいはエージェントやプロモーションがつくまでの、一時的エージェントたること。
もちろん、カフェとかでの自由時間では発声トークを生徒と存分に楽しむが、それはそれで生徒には役立つかもだが、わたしというひとが贈り与える最大のものは発声ではない。
これは、最初のレッスンでプロの諸君には必ず忠告します。
(わたしのような)キャリアが限定された人から、も、わたしは多くを学びました、
しかし、やはり、それは発声ではなかった。
かれらが指揮者やエージェントに電話をかけてくれたり、あるいはオーディションを探してくれたりした、ことで、彼らから利点を得てきました。
わたしが発声を学んだのは劇場それ自身からです、そのなかで一流歌手や同僚から学んできた。
わたしは、ですから、そこまでの仲介者たらんと思います。ではアマチュアのひとをわたしは教えられるかというと、アマチュアの人こそ一流歌手に習うべきだとわたしは思います。
前置きが長くなりましたが、
わたしが真に話したいのは、わたしの砂粒の如き経歴に同情してほしいのではなく、
それでもなお、わたしのなけなしの経歴さえも、声種判断を間違えなかったことで10年キープできた、ということを断言できます。
わたしがオペラ座のコンクールを受け、2次予選まで進み、この時最初のプロモーションがつきました。かれが言うに、わたしはリリックバリトンを維持するように、と言いました。
わたしは、どちらかというとアーティスティックなレパートリー、ベルリオーズのファウストの劫罰(さいきん念願の本番を歌いましたが)や、
ストラヴィンスキーの『放蕩息子』のようなインテレクチュアルなバスバリトンのアリアを歌っていたが、
プロモーターはむしろイタリアのリリックバリトンの役を歌うように言いました。
それらはわたしには維持するにはすこし軽く高いようにはじめ思えました。
パリ近郊の小スペースのホールで、こうした役柄を勉強したあと、ドイツで2シーズン、愛の妙薬、ドン・パスクァーレ、コジ・ファン・トゥッテのリリックバリトンとして場数を踏み、
イタリアの市立劇場でも多くの企画を歌い、
プロモーターが正しかったことを証明した、と思います。
しかし、ある方々にはバスバリトンを依然、勧められました。2015年リヴォルノの劇場でお会いしたフランコ・フッシ博士からは、声帯を診断してもらい、バスバリトンをやるよう忠告されました。しかし1年後、同じ劇場で、わたしはこのゴルドーニ劇場から、わたしは、パリから来たカヴァリエバリトン(バリトノ・カンタービレ)と紹介され、マスカーニ生誕100年記念のオペラでバリトンの主役を歌わせていただいた。
つまり、声帯としては、もしかしたら、バスバリトンをやってもおかしくもないのだが、
明らかに(本格的な)劇場ではバリトンの真ん中あたりを維持する成功する道はないことを身にしみたのでした。
わたしはともかく2011-2022年のなかでリリックバリトンを維持することで、
わたしにとっては、本来難しいだろうレベル、
それが他人には大したレベルではないにせよ、
わたしは成し遂げたように思えます。
これは次世代に伝えたい情報です。
そのあとエージェン卜も専属契約もなくなった2022年冬以降は思い切りバスバリトンのものを、まあ、言うなればセミプロとして、歌っていました。まあ、わたしのバスバリの歌を誰か新聞記者が書くわけでなし、わたしは良くも悪くも自由です。
バスバリトンのわたしの歌は、じぶんで言うのもなんだが、そこまで悪くないです。
ですから、これまで何千回となく、
フランスの音楽院以降、バスバリトンでやっていたらもっと本格的な音楽経歴がある(あった)のではないか?とも、思いました。
もしかしたら歌曲と宗教曲に集中し、
フランスの音楽院後はウィーンの音楽大学でさらに学位をとり、コンクールもその路線で戦い、
エージェントと契約した暁には、オペラ歌手としての未来も更にあったのでは?
しかし、じっさい、何千回もシミュレーションした結果、それなりにはいい経歴を歩めた気もするのだが、『より一層の』経歴があったようには、やはり、思えません。
それは自己正当化では決してない。
まあ、もしかしたら、より一層の経歴があったのかもしれなかったかもしれませんね、、、でも今となってはハッキリ言ってどうでもいいです。
この経験とシミュレーションを、次世代の歌手に伝えたい気持ちだけしかない。
ひとによっては高すぎるものを頑張って歌いすぎてる気もするし、
他のある人とは、一段低い声種で歌い続けて結果が出ていない。
どう正しく判断するのでしょうか???
いちばん重要なのは、何よりも劇場で試してみることです、そうすると高すぎるレパートリーを長期間維持するのは無理だとわかるし、低いものは全然聞こえないのがわかります。
ちょうどいい声種を早く見定めたいなら早くデビューし、ふだんから大空間で歌う環境に行くこと!
ほぼ唯一といっていい声種判断方法。
レッスン室では、みなさん声がおありだから、
何を歌ってもしっくりくる気がする!!!
また、自分にどんな役が合うか、から逆算していき、そうした役が集まる声種に声を合わせていくこともおすすめです。
アリアだけではわからないことが多い。
オペラ歌手を真剣に目指す人は高いところも低いところもよく出るから、よけいにわからない。
いずれにしても、これだ、という声種を見つけたら、あとはそれを何十回も繰り返し演じるのみです。
あなたたちの世代では当たり役を作るのは難しいのはわかるが、できれば合った役を繰り返せる環境に行けるよう、わたしと、あるいはあなたのボスと要相談です。
願わくば、早くにあなたが声を試せる場にデビューできますように。
わたしも助けます。
『カルメン』および『愛の妙薬』のオペラスタジオにお申込いただきありがとうございました!
いちおう4名の方にお申込いただき、
いったん締め切らせていただきます。
プロのためのワークショップの方も、2名の方と9月末まで勉強することが決まりました。
オペラスタジオならびにワークショップはまた10月にまた募集させていただきます!
では、参加者の方が、よい学びができますよう、わたしもしっかり勉強して臨みたいと思いますので宜しくお願い致します!
みなさまこんにちは!
2024年8月から9月にかけ、
アマチュア/セミプロの方のためのオペラスタジオ、並びに、プロのための海外オペラ研修所受験に特化したワークショップ『Movimento』のための募集を行いたいと思います。
どちらもオンラインです。
オペラスタジオに関しては、前回来ていただいた6名の方が予想を超えるレベルでしたため、
少しオペラの役を難しくします。
オペラ
ドニゼッティ 愛の妙薬 アディーナ役
ネモリーノ役
ベルコーレ役
ビゼー カルメン カルメン役
ミカエラ役
エスカミーリョ役
大役に関しては、全パートを譜読みする時間は無いと思います。主要な部分の譜読みになるでしょう。また役柄として、ドゥルカマーラとドン・ホセは除外します。
参加者につき1役で10レッスン、おそらくは
6-7日程くらいになると思います。
料金は2.7000円です。
うちわけは、
1レッスンがアリアの声見せ、
2レッスンが発声、
6レッスンが譜読み、
1レッスンが試験と賞状授与です。
最初のアリアの声みせと、また発声レッスンのために最低2アリアを用意してください。
今回は4名のみ募集します。
お申し込みは以下までメッセージをどうぞ。
kenbaryton@gmail.com
プロのためのワークショップ Movimento のほうは、無料で、また6レッスン、おそらく3日程で行います。
1レパートリー、バロックから現代まで
2Movimento Ⅰ
3Recitativo
4指揮の見方、読み方
5Movimento Ⅱ
6留学相談
この6レッスンをします。
すでに1名は決定しているため、
あと1名の方を募集します。
お代はいただきませんが、現住所のみお伺いします(書類に書くため)
↓以下までメッセージをどうぞ。
kenbaryton@gmail.com
夏も本格的になってまいりましたが皆様、いかがお過ごしですか?
今年も異常気象が続き、先週はボローニャにいるときには雹が降った!さいわい車を地下駐車場に停めていたからよかったけど!
さて、わたしは6月はロッシーニの『スターバト・マーテル』を歌い、演奏会形式での『ファウストの劫罰』を歌っていました。
劫罰はたった1公演でしたけど、音楽院時代から準備していたこの作品をやっと歌えました!メフィストフェレスというあまりに素晴らしい役柄を演じられた、思い出深い公演になりました。
『スターバト・マーテル』はわたしのベスト演奏に近い公演になり、ジャーナリストにもよく書かれ満足です!
9月にペーザロ大聖堂での重要な再演がありますから、改めて勉強し直して挑むつもりです!このシーズンは、小ミサ曲とスターバト・マーテルというロッシーニの主要宗教曲をふたつとも歌えました!
7月からは、Carmina Buranaを受ける代わりにロッシーニ音楽祭の仕事を受け、9月にまた『スターバト・マーテル』、10月は『Trovatore』と劇場のガラを歌います。
が、11月以降は白紙にしています、、、、
年末のフォーレのレクイエムと、シャルパンティエの『テ・デウム』は興味がありますが、
ハッキリ返事はしてません、、、。
■
本日は後方筋について、しかし、わたしは、これまで1度もちゃんと書けてなく、この記事はなんと3ヶ月下書きを繰り返しました!
読んでくださるあなたに記事が届けられる縁に感謝します!
わたしはメロッキ派として、同派閥の諸先輩方ならびに同僚諸君とともに、喉頭の後ろの、声門下圧で生み出されるスペースを楽器として、全音域を歌えるよう訓練し、その歌い方のために、喉頭の微細な筋肉を含む身体のサポートを考えました。
それは、ひとつの方法論として正しいと断言します。わたしは、この方法論を生徒に、唯一絶対の方法論としては教えず、基本的方法論としても教えませんが、しかし、いちおう、生徒の皆さんには、この方法論は、キャリアのどこかで、理論的にはマスターしてもらいます。
わたしは2018年2月から5月までのドン・ジョヴァンニの主役を歌う時、この方法論を、表現上の理由で採用しました。それは、明るく輝かしいドン・ジョヴァンニをつくるため。そのとき高い声門下圧を上半身の筋肉でサポートし(肋間筋、鎖骨筋、息を止める筋肉)そこで圧力を留めるか、あるいはそこから胸に向かって歌うような感じ。
でも、たとえばアウグスブルグでのローエングリンとシモン・ボッカネグラならびに3月の運命の力では、もっと深くからサポートし、声門下圧を高く維持するよりかは、ジラーレを意識する感じ。
さて、しかしながら、共通するのは、声門下圧にどう空気をためていくのか、です。
声帯を開いて口から、鼻から、空気を取り入れるだけでは、声門下圧は高くなりません。
声門下圧を高めるには、喉を開けるには、
【下から吸い上げる力を使います】。
いちばんはじめに聞いたのは、ジャコミーニの、大地から吸い上げるように、というアドバイス。
わたしが新国立劇場小劇場で稽古してる際に、大劇場でバタフライを歌うのを聞いたが、まさにそれは究極の密閉の中での息の扱い方。
どこから吸い上げるかに関しては、歌手それぞれのご意見があり、わたしが尊敬する元ウィーン国立劇場の歌姫の方は、股の間から吸い上げるかのように、と。
わたしはまずはこう述べます。
背骨のパイプを空気が【低い圧力で】通りぬけ声門の下に(いったん)貯まります、と。
わたしが、後方筋に関して言える半分の正解がこれで、後方筋の、息をアップさせる役割です。
C文字で言うと、左半分が、後方筋と斜腹筋が担います。
後方筋のもう半分の機能は、鼠径部から息をバックさせる機能で、【綱引きを引く(L.Brioli)】ように使います。膝のサスペンションを使い、ダンスするように、固まらないように使うと良いですね。
ようするに、わたしはかつてのgiaccominiならびに、ウィーン国立劇場出身の女史、のコメントから、僭越ながら、アップデートさせ、
つまり、声帯に下から上に直線的に息が向かうように吸い上げるのではなく、
斜腹筋と、また横隔膜したの筋肉をつかってジラーレさせ、
低い圧で声門の下に空気が集まるように、
サポートする、ように、
指導しています。
声門へと強い圧がまっすぐ向かわないためにやるべきことは、カーブをつけることと、吸い上げるような、低い圧力を保つことです。
ただしこれは声門下からみぞおちにかけては【高い圧で】息が使われることとは矛盾せず、その高い圧の息は、吸い上げるようではなく、明らかに呼気です(colpo di petto)。
わたしはよくBere la voceのベルカント技法からSostegnoの本質を学んだと生徒にディスカッションしてきました。記憶にあるかたはレッスンノートを読み返してみてください。
ようは、【声門下からは高い圧、声門までは低い圧でないといけません】が、
それはまるでディーゼルエンジンのインジェクションと似ています。
ちなみに、燃料をシリンダーへ呼び込むポンプをpompa pesca といい、ストローで吸い上げるように燃料が供給されます。
また、わたしは、ヨガをしないのでわからないが、ヨガ式呼吸法と結びつけて、下から吸い上げるように息を使うと主張する人もいますが、
わたしが不満なのはヨガ式呼吸法での歌では
この圧の交代を説明しません。
低い、カーブをともない、集められた息は高い圧で胸からみぞおちまで落ちてゆきます。
さて、最大の謎は、この、声門下圧までの空気を吸い上げる部分は果たして、単に息を吸うのか、歌うのかですが、それがつまり、前者がメロッキ派の呼吸であり、後者がロングブレスのなかでレガートに歌う新ベルカント派の呼吸法です。
しかし、この記事を読んだ皆様には、この2つの派閥はSostegnoとしては同じシステムを共有していることに賛成してもらえると思います。
後方筋を使い、ゆっくり吸い上げる部分を、歌うのか歌わないのかの違いはわたしには、表現上どちらも使うべきだという考えです。
歌うにせよ歌わないにせよCの文字の最初の4分の3はきれいなカーブであるべきです。きれいなカーブであればあるほどみぞおちで受け止める時、つまりそれはアクートのとき特に重要ですが、柔らかくて力強いです。
ロングボウかショートボウか、は、
あなたの基本スタイルにしてもいいし、
フレーズでの表現によって変えてもいい。
後者を勧めますが、巨匠は往々にしてどちらかを基本スタイルにしてきました。
ただし、唯一わたしが勧めないのは、圧力を声門の下で留め、高い圧をもっぱら声門下で完結する歌い方です。筋力がいくらあっても足りませんし、筋力があったところで、喉を固めて歌うことになりかねません。
次回で、いよいよシリーズは完結します。
ここまでご愛顧ありがとうございました!
では次回に!
イタリアから発信するイタリアとヨーロッパの食や文化についてのエッセイ第2回は、わたしのおすすめの観光地の紹介です!
有名か、有名でないか、でいうと、そこまで有名じゃないかも?
それはPortovenereです。
Liquria州、Spezia県にあります!
わたしのなかではPortovenereならびに沿岸のCinque terreはヴェネーツィアやナポリにひけをとらない観光地であるとともに、
アクセスが容易で、そんなに混んでなくて、
ホテルやレストランも予約しやすい点でも、
おすすめです。
とくにわたしがここで紹介したいのがバイロンの洞窟Grotta Byron。
偉大な英国詩人でもあり、世紀のプレイボーイであり、ギリシャ独立のために戦ったソルジャーであったジョージ・ゴードン・バイロン。
その彼は、また、卓越したスイマーでもあり、イギリスからフランスへは泳いでわたったほど。
そんなかれが挑戦し、また泳ぐのを好んだのが、リグーリア州、スペーツィア県、Portovenereの、バイロンの洞窟。
↓Portovenere、わたしの相方と。
わたしの目的は、敬愛するバイロンが泳いだ湾で泳ぎ、かれのアドベンチャースピリットにあやかることでした。
バイロンとわたしはそれなりに縁もあり、
たとえばわたしが4年間契約してたRavennaはダンテゆかりの街ですが、同時にバイロンのRavennaでもあります。
折に触れて劇場はわたしにHotel Byronを提供してくれたが、このホテルはかれの愛人、グッチョリーニ夫人の邸宅の裏にあるためなのですが、
運命を感じていました、、、。
、、、バイロンはわたしの考える"理想の紳士"です。
英国紳士というと、贅沢な家で、暖炉のそばで、ポロシャツのうえにセーターをひっかけ、ブランデー入りの紅茶をたしなみながら、探偵小説を読む人種を思い浮かべますが、
わたしに言わせれば、
海峡を泳いでフランスに渡り、世界中の女性達と世紀の恋愛をし、ギリシャ独立のために戦って死ぬ、そういう熱いヤツこそ、英国紳士、の名にふさわしい。
バイロン自身が、じぶんはブランメルになりたいと言ったように、当時はボー・ブランメルこそが、紳士たる服装、と、ダンディズム、をリードしていたわけですけれど、
しかし紳士とは、何を着るか、ではなく、いかに生きるか、いやバイロンのように、いかに死ぬか、にあります。
そうした、紳士のかっこいいライフスタイルを越えた、人としてのかっこよさを体現した男がバイロン。
こういう男が当時、常識では考えられないモテ方をしたのはごく当たり前のこと。
ゲーテでさえ、ファウスト第二部で、オイフォーリオンというキャラでバイロンを登場させ、この長い物語で一瞬の閃光のように生きて死ぬ人物を称賛を込めて描いていました。
、、、そんなバイロンが飛び込んだ荒波渦巻く湾岸へと、海水パンツを履いて向かったのでした!
洞窟、というのは、すこし泳いだ先にある窪みのこと。そこで作品のインスピレーションを得たのでしょうか、、、。
しかし、その眼前に迫る荒波たるや、
衝撃だった、、、。
洞窟が、死となって、ぱっくり口を開けてる気がした、、、
こういうところに危険をさらしたバイロンみたいな奴にこそ、言行一致、ってことばはふさわしいって思った。つまり、彼は、じぶんの詩で描いた、海賊、そのものであることができた、、、、。
結局!
わたしは波がすごすぎて沖にさらわれそうになり、岬付近から岩場までを何回か往復したにとどまったのでした!
岬から次々に飛び込んでいった日焼けした若者たちを横目にアップアップしてたわたしのなんと情けなかったこと!
次はもう少しマシな泳ぎができるよう頑張ります。
しかしながら、海上からみた、雲間から突き刺す太陽を二度と忘れないでしょう. . . !
このイタリアのおすすめスポット、
ぜひ訪れてみてください。車なら高速からSpezia出口を降りてからSP(Strada provinciale)をすこし南下します。
車ならいわゆるCinque terre、5つの景観スポットもかんたんに回れます。
電車で行くならSpezia centrale下車、そのあとPorto venere行きのバスです。
おすすめレストランはエレットラで、ペストのスパゲッティとイカのフリットは素晴らしかった!
ではまた次回の雑談で!
オペラワークショップ並びにプロのオペラ研究所に向けての"Movimento"が終わりました!
総勢8名の方への68時間に及ぶレッスンを2ヶ月で消化し、それは重労働でしたが、価値あることをできたと思います。
オペラワークショップならびにMovimentoは次回は8月からまた新たに始めます!
今回は多くの方が応募くださり、全員に応えることはできず、メールに返信さえできずにいた方もいらっしゃり、本当に申し訳ありません。
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オペラワークショップのほうから説明すると、
そもそもアマチュアの方といってもレベルはさまざまでしたが、
しかしレベルの相違はあれ、オペラと発声の勉強はこうであるという固定観念を打ち崩し、
何よりアマチュアの皆さんはオペラ界のお客さんではなく、皆さんにはプロの舞台を助ける可能性を秘めていることを知っていただきました。
ピアノ演奏力、読譜力、譜読みの準備力、など、もしかしたら声楽レッスンでは主に培われないぶぶんに、仕事としてのオペラの未来があるのです。
むろん、今回はしかし、皆様が退屈しないよう1回のアリアレッスンと、2回の発声レッスンもありましたが!
しかし、その発声レッスンも、みなさまが想像したものとは全く違ったのではないか、と思います。
声を出すことは簡単であり、シンプルです。
その上にこそ、野性的な響きとアクートがある。
今回のワークショップを通じ、何人かは今後よりプロフェッショナルな領域、留学やオペラ研究所に進まれることを決意されました。
ぜひ、またいつかよりプロフェッショナルな領域で楽しく活躍する皆様とお会いできたら、、、と願わずにはいられません!!
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いっぽう、プロ用の無料ワークショップである
Movimentoではまったく異なったカリキュラムを組みました。すでに音楽院に学ぶ1名、
渡欧予定の1名を教え、その歌唱レベルが高くて驚きました。
しかしながら、こうした彼らが今ぶつかる、
あるいはぶつかるだろう壁を、ひとつひとつ取り除く作業はエキサイティングでした。
プロとして欧州に渡るうえで音楽院に行き、
そしてオペラ研究所に行く、、、、という考えは
王道であり、
エージェントをつけてソリスト活動することもひとつの正解として、わたしは提示する一方、
このオペラ界に明確なルールはない、とも若い歌手諸君には言いたいです。
つまり、官僚的な王道を歩み続けつつ、
しかし常に、じぶんをパッと引き上げてくれるチャンスを探してください!
目の前の音楽院修了とか、国際コンクールとかに一点集中しつつ、ときには視野を広く、
旅をして、さまざまなひとと会ってください。
そのための、橋かけ、がわたしの役目です。
また、多岐のジャンルに渡りつつ厳選されたレパートリーを構築する、最初のベースにできたのはこのワークショップのカリキュラムのよい点でした。そこは継続したいと思います!
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いずれにしても8月9月はこのオペラワークショップとMovimentoをあらたに繰り返します。
また、募集は改めて!
では、今回募集してくださり、修了なされた8名の皆様、本当にありがとうございました!
今後ともわたしの拙いブログのほうをお見守りくださいますよう、宜しくお願い致します。