先週に脊髄損傷の作業療法研究会に参加した後輩と、科内での伝達講習の事前練習を行いました。
被験者には臨床実習の学生に依頼して、彼にバルーンで寝返りから起き上がり動作してもらい、どんな支援が必要なのか、後輩とハンドリングなども含めて練習しました。
バルーンを使用した動作では、脊髄損傷者の寝返りや起き上がりにそっくりの動作が出現し、練習にはもってこいの状況が作れました。
まず、何も言わず、後輩には寝返りや起き上がり動作の支援をしてもらうのですが、臨床実習の学生は全く動作の改善がありません。
それどころか、肩が痛くなったり、つらい動作を強制されられてパワハラみたいになってきてしまいました。
見るに見かねて私が動作誘導をすると、3分ほどで寝返りから起き上がりができるようになりました。
学生は動くことが想像できず、起き上がることができると思わなかったようなので、不思議な顔をしていました。
この支援の方法を後輩にみせて説明したのちに、別の臨床実習の学生に同じ寝返り~起き上がりをしてもらい、後輩に自立できるよう支援してもらいました。
結果は・・・
変化が起きず、学生には苦痛の時間となってしまいました。
私のプチ自慢ではないのですが、また3分ほどで起き上がりまで可能になりました。
学生には、後輩と私のやり方の何が違うのかと私が質問すると
後輩は
「引っ張られたり、動きを妨げられたり、良く分からない。」
私は
「動きたいと思った方に邪魔しないで、なぜか動けていた」
単純に知識や技術の違いなのですが、これはとても重要なことだと思っています。
脊髄損傷のリハビリは誰が担当するかで大きな差がでるということ
また、当事者はそのようなことの実態を真に理解できない環境にあること
日本では脊髄損傷の専門的なリハビリが提供できる施設は約10か所かと思っています。
もっと少ないかもしれません。
脊髄損傷の専門的なリハビリが提供できない地方都市では、どんなリハ環境なのでしょう。
脊髄損傷の方は、専門的なリハを一度は受けられることを強くお勧めいたします。
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