寝返りのリハビリは頚損・脊損の方が必ず実施するリハビリプログラムです。
肩が動けば、重りをつけて反動で寝返ります。
私はこれに疑問を持っています。
肩を勢いよく振ると,肩から肩甲骨や首から背中に伸びる筋肉すべてが不必要に使用され,丸太状(または棒状)に体が回ります。
これは何が目的なのでしょうか?
こんな方法ではベッド上で狭くて寝返らないし,柵に手がぶつかってけがをするだけです。
本来,寝返りは体の使い方,特に手と肩甲骨,首,頭部をどの方向に,どんなタイミングで動かせば,動かないお腹や骨盤や足が動くのかを理解することが重要だと思っています。
勢いをつけて寝返ったら,麻痺域がどんな状態か意識することもできないし,知覚することは不可能です。
そもそも,勢いをつけて,麻痺域を無視する運動は痙縮を高めるだけで害のある運動だとさえ思っています。
セラピストは旧態依然の伝統的なプログラムを漫然とする人が多くいます。
リハビリのプログラムが自分にとって意味のある,価値のあるプログラムかを今一度,考えてほしいと思います。