25.汝の名は、男①
一日に何百通とおくられてくる男の人からのメール。
読んでいると、男たちはある評価の基準を共有しているように思われる。
しかし、このものさしが女からの評価と一致するとは限らないような感じがする。
ある男は控え目にいう。
「モテないけど、俺でいいのかな?」
「わたしと付きあうのにどうして他でモテる必要があるの?」って聞いてみたい。
よりたくさんの女にモテる男が、とある女の心をより深くつかむものだろうか?
あるものは傲慢にいう。
「僕は○○に勤めてて成績もトップで…」
「わたしのあなたへの想いの強さって、あなたの営業の成績と比例するのかしら?」って聞いてみたい。
便利なことなのか、男はよりよい社会的地位を確立しないと女性に申込む資格がないと考えるようなのである。
だから、
「あなたより社会的に成功した人とつきあうことにしたの。ごめんなさい。」
というようなお断りをすると、
(より社会的な優位をつくれなかった自分が悪い。その男のところへ行くのも仕方ないだろう。)
なんて感じにアッサリ納得してしまったりする。
まるで、社会的動物としての敗北が、生物界のオスとしての敗北と感じるのだろうか。
男の世界に共通のルールなのである。
ある男は不安を抱き、ある男は傲慢となる。
そして、社会的優位を手に入れるため、男達はがんばる。