消化器系の機能低下 | 鍼灸院 けいらくのブログ

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33歳の男性・会社員の方が胃腸の不調を訴えて来院されました。お聞きすると、3・4年前から消化器系の機能が低下し、特に1・2ヶ月前からひどくなったとのことです。病院では機能性胃腸症と言われたそうで、整腸剤を服用していますが余り効果はありません。

身長は167?、体重は56?とやせ型です。食欲は無く下痢気味で、小便も出にくく睡眠は大体5時間ぐらいとのことです。尿酸値が8.2と高いですが、痛風の発作は出ていません。味は塩辛味を好み、手足に汗をかきやすい。既往歴としては以前腸閉塞を発症して手術を受けています。鍼治療は初めてで、少し緊張されているようです。

切診・切経では全身の皮膚にツヤが無く冷たい感じで、手の平と足の裏が汗ばんでいます。腹診では小腹(下腹部)の任脈上に手述痕があり、全体に陥凹し冷えがあります。臍の周りを少し押圧すると、抵抗がありますが慢性疾患に現れる積(しゃく)と診ました。脈状は沈・数・虚ですが、この数脈は鍼が初めてなので緊張されているせいと思われます。比較脈診では腎・肺・脾の順に虚と診て、他の診察法とも合わせて検討し、首相は腎脾相剋調整(適応側は左)としました。

鍼が初めてですので、治療では最初はテイ鍼を試用し、様子を診ながら徐々に毫鍼に替えることにしました。本治法の選穴は兪土原穴兪土原穴を用いました。陰経は太渓・太淵・右太白穴に補法お。陽経は脈状に応じて処理。標治法では背腰部の左右調整と胃の六つ灸、下腿に補的散鍼と
足底の湧泉・失眠穴に温灸うを施しました。更に奇経治療を左照海ー右列缺・右公孫ー左内関に行い、腹部を補鍼氏終了。

3日後に来院されたので様子をお聞きすると、下半身が温まった感じがしたとのことでした。これまで9回治療しておりますが、少し食欲が出てきて下痢も収まって来ましたので、体質改善をめざし今後の継続治療に期待したいと思います。