外資系証券の注文動向は470万株の買い越し ゴールドマン・サックスの日本株買いに注視! | シカゴファンドの投資戦略

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外資系証券、外資系銀行で長年、辣腕ディラー、トレーダ、ファンドマネジャーとして活躍。日経225先物、オプション、e-ワラント、為替、国内外株、債券、商品先物などの動きを分析し投資を行っている。http://blog.livedoor.jp/chicago555/

13日の米株式相場は、トランプ米新政権の大型減税措置などへの期待感を背景に続伸した。ダウ工業株30種平均は前週末終値比142.79ドル高の2万0412.16ドルと、3営業日連続で史上最高値を更新して終了。ナスダック総合指数も5日連続で最高値を塗り替え、29.83ポイント高の5763.96で引けた。出来高は前週末比1022万株増の7億9897万株。トランプ大統領は先週9日、税制に関して2、3週間以内に「驚くような」発表をすると表明。選挙戦から公約に掲げていた大型減税の具体案が示されるとの期待感から市場はリスクオンの地合いとなり、ダウは連日の大幅高で週を終えた。この日も朝方から買い勢いが継続。トランプ氏の経済政策で特に恩恵が期待できる金融や建設関連などの銘柄が買い進まれたほか、値がさ株のアップルも上昇し、株価指数を押し上げた。ダウよりも幅広い銘柄の値動きを示すS&P500種指数も最高値を更新し、時価総額は初めて20兆ドル(約2270兆円)の大台を突破した。日米首脳会談が波乱なく終了したことも買い安心感につながった。市場では「上昇銘柄が示すように、典型的な『トランプ相場』だ」との指摘が聞かれた。
外国為替市場ではドルが伸び悩む展開。米国債は下げ幅を縮小した。市場関係者は米連邦準備制度理事会のイエレン議長が14日から行う半期に一度の議会証言から今後の利上げ動向を見極めようとしている。米国株が最高値を更新する中で、ドル買いは控えめだった。トランプ米大統領が先週、税制見直しで「驚異的な」計画を2、3週間以内に発表すると述べたことが手掛かりとなり、財政刺激策に対する期待は依然として高い。
米国債相場は3営業日続落。米政権による成長重視政策への期待が復活したのを反映し、米株式相場が過去最高値を更新した。今週の米市場の関心は14ー15日に行われるイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言に集中している。同議長の発言で、現在は確率30%程度となっている市場の3月利上げ織り込み具合が、50%に向かうとの期待が広がり、利回り曲線のフラット化につながっている。
金先物相場は下落。株価指数が世界的に大きく上昇したことを背景に、逃避需要が減退した。「トランプ大統領の法人税改革への期待で米国株は引き続き上昇 しており、金の重しになっている」。
原油先物市場ではWTI先物が反落。石油輸出国機構(OPEC)が減産を実行している一方で、米国のシェール原油掘削が盛り返していることを嫌気し、約3週間ぶりの大幅な下げとなった。
本日の東京株式市場は続伸の展開となろう。昨日の米株式相場は上昇し、主要株価指数は過去最高値を更新した。「トランプ・トレード」が健在であることが示された。S&P500種株価指数は5営業日続伸、銀行株が上げを主導した。トランプ大統領が先週、税制について「驚異的な何か」を発表すると述べたことから、大統領および共和党主導の議会が成長促進策を実行するとの観測が強まり、株式相場は上昇していた。本日の東京市場ドル円の落ち着きやダウの21000ドルへの挑戦、驚異的トランプ減税への期待などから続伸の展開が見込まれる。金融株を筆頭に自動車、米アップルの新製品への期待から電子部品関連等がにぎわいそうだ。ゴールドマン・サックスによるTOPIX先物買いに注目が集まっている。8日(3596枚、1枚は1000万円)、9日(同2860枚)、10日(3524枚)、13日(同2967枚)と4営業日連続で買いの筆頭格となっている。日経平均株価は3月のSQまで、21000円レベルに引っ張り上げられる公算があり売り筋は警戒したほうがいい。
欧米株高を意識してリスク選好の円売り優勢も REUTERS
米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は14日と15日に米上下両院で半期毎の議会証言を行う。証言内容は基本的に同じものになるが、質疑内容は両院で異なる。今回の質疑応答では、トランプ政権の財政拡張策(大規模減税策)が雇用やインフレ見通しに与える影響について質問される可能性が高いとみられている。トランプ大統領は数週間以内に財政政策について新たに提示すると伝えられており、ホワイトハウスは、「ゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長が財政政策を主導する」と発表した。市場関係者の間からは、「トランプ政権の財政政策によって財政赤字は一時的に増加するが、FRBはインフレ進行を想定して利上げペースを多少速めるのではないか?」との声が聞かれている。今回の議会証言では利上げペースについての質疑応答が市場に最も大きな影響を与える可能性があるとみられている。イエレンFRB議長の証言が利上げに前向きであると判断された場合、3月利上げの思惑が再浮上し、利上げペースはやや速まるとの見方でドルは強い動きを見せる可能性がある。