トランプ次期米大統領の将来の政策スタンスは「世界経済を脅かす単一要素としては最大級」 | シカゴファンドの投資戦略

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外資系証券、外資系銀行で長年、辣腕ディラー、トレーダ、ファンドマネジャーとして活躍。日経225先物、オプション、e-ワラント、為替、国内外株、債券、商品先物などの動きを分析し投資を行っている。http://blog.livedoor.jp/chicago555/

週明け5日の米株式相場は、原油高を好感して反発。ダウ工業株30種平均は、前営業日終値比45.82ドル高の1万9216.24ドルと、2営業日ぶりに史上最高値を更新して引けた。ナスダック総合指数は同53.24ポイント高の5308.89。出来高は前週末比3238万株増の9億4230万株。この日はダウが高寄りして開始。前週の石油輸出国機構(OPEC)による減産合意を背景にした原油高が継続し、エネルギー株が買われた。午前に発表された11月の米サプライ管理協会(ISM)非製造業景況指数が、市場予想を上回ったことも投資家のリスク選好意欲を高めた。ダウは一時、1万9274.85ドルを付け、取引時間中の最高値を更新した。中盤以降は新規の手掛かり材料を欠き、方向感に乏しく推移。原油先物価格や米長期金利の低下を眺め、徐々に上げ幅を縮小した。週末に行われたイタリアの国民投票では改憲案が否決され、レンツィ首相が辞意を表明。ただ、事前に否決の可能性が報じられていたためサプライズとはならず、反応は鈍かった。市場関係者からは「投資家はかなり楽観的になっている。
外国為替市場では、ユーロが2015年3月以来の安値から反発。イタリア国民投票で憲法改正案が否決されたものの、影響は短期的なものにとどまった。ダンスケ銀行のチーフアナリストは「今回の国民投票では広く否決が予想されていたことから、動きは抑えられた」と分析。その上で、「私はこの状況について楽観していない。ユーロにとって非常に明るいサインとは見ていない。ユーロ圏の大国の一つが政治的混乱に陥っているためだ」と続けた。
米国債は下落。朝方発表された11月の米非製造業総合景況指数は13カ月ぶりの高水準となった。米金融政策当局からは、来週の連邦公開市場委員会で政策金利を引き上げる公算が高いことを示唆する発言が相次いだ。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は「短期金利の水準を緩やかに引き上げることで、金融政策の緩和の度合いを時間とともに多少弱めることが望ましいと考える」と述べた。次回FOMCは12月13-14日に開かれる。
金先物相場は小幅反落し、10カ月ぶりの安値付近で終了した。イタリアの政治的混乱による影響は直ちに静まり、株式などリスクの高い資産の買いが強まった。
原油先物市場ではWTI先物が続伸し、1年4カ月ぶり高値に達した。石油輸出国機構(OPEC)は10日にウィーンで開催する会合に、非加盟14カ国を招待した。
本日の東京株式市場は戻り売りの展開が見込まれる。昨日の米国株式市場は上昇。ダウ工業株30種平均は過去最高値を更新した。イタリア国民投票で憲法改正が否決されたことを受け、金融株とテクノロジー株は一時下げていたが、上昇に転じた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は次回会合の結果を14日に発表する。金利先物市場では12月利上げの確率は100%として織り込まれている。11月初めの段階では68%だった。今週は8日に欧州中央銀行(ECB)が政策委員会を開く。イタリア国民投票の結果がドラギ総裁の量的緩和プログラムにどう影響するのか、注目されている。本日の東京市場買い材料のない中、ダウの上昇に連れ高するも、投資家の高値追い警戒ややれやれ売りで終盤にかけて売られる展開が見込まれる。野村証券のまとめによれば、10月第4週に20.3%だった市場全体における個人投資家のシェア(現金+信用)は、11月第1週が19.1%、第2週と第3週が20.0%と、伸びるどころか減っている。個人投資家は売ったらそれっきりの状態なのだ(東洋経済)。 足元では米国の金利上昇も一服し、日経平均も12月に入ってから3営業日連続で下落している。11月の活況が12月も続くという保証はない。なぜマーケットはいびつな展開になっているのであろう。犯人は日銀のアホみたいな買い支えにある。個別銘柄で収益が悪化し理論価格をはるかに超えていても、買いこまれているものや、当然に下落し不思議ではない材料が出ても、買い支えが相場を作為的に持ちこたえさせている。投資家は個別株を高値で買ったらいいのか判断に迷いが生じる。下落する時はそのまま見過ごし、底打ち判断した時には買いを入れる、あるべき本来のマーケットに戻したほうが上昇にも勢いがつくし、売買回数も増加し相場が活況になるということをボンクラ日銀は分からないらしいイタリアの2018年に予定されていた総選挙は2017年に実施される見通しとなった。その場合、既存の政治システムを厳しく批判している「五つ星運動」による政権奪取の可能性がある。「五つ星運動」への政権交代の可能性が高まった場合、イタリアの債務問題に対する市場の懸念も同時に高まるとの見方が出ている。為替動向について、ウェルス・ファーゴ・キャピタル・マネージメントのチーフ・インベストメント・ストラテジストは、「FRBの利上げを理由に誰もが米ドルが上昇すると考えている。しかし、過去5回の主な利上げサイクルでは、いずれもドルが下落した」と述べた。「インフレ率の上昇は米ドル相場に打撃となる。FRBが来年、複数回の利上げを実施すると思うが、同時に米ドル相場が下がるだろう」との見通しを示した。
トランプ氏、世界経済への最大リスク
オックスフォード・エコノミクス

Bloomberg News
トランプ次期米大統領の将来の政策スタンスは「世界経済を脅かす単一要素としては最大のもの」とみられていることが、オックスフォード・エコノミクスの顧客調査で明らかになった。回答者の半数以上は急激な景気減速の可能性が過去3カ月間で高まったと判断。オックスフォードは顧客企業を含む約180社を対象に、世界経済におけるリスク認識について11月14-21日に調査を実施した。このうち27%は、トランプ氏が引き起こし得る貿易戦争が今後2年間の世界経済を脅かす最大のリスクだと回答。中国経済のより深刻な景気減速が最大リスクだと答えた23%を上回った。一方で、トランプ氏は世界経済の成長加速をもたらす可能性が高いともみられており、回答者の38%は同氏が掲げている新たな財政刺激策で米経済は大きく浮揚する可能性があると述べた。オックスフォードのマクロシナリオ責任者、ジェイミー・トンプソン氏(ロンドン在勤)は今回の調査結果に合わせて発表したコメントで、「世界経済見通しの著しい変化」を示していると指摘。「政策や政治の不透明感の度合いが異常に高まった現在、世界経済に対する最大のリスク要因は今や、上向きと下向きの両方において米政策スタンスであることは間違いない」と説明した。