ちいさな話 1010年ぶりの大雪 田んぼも庭の柿ノ木の下の ブランコも 見渡すかぎりの雪景色 新聞配達の少年の足跡が どこにもみあたらない 純白が庭のふきだまりや 枯れ草を覆いつくしている ずっと むかし そう、子供のころの 父ちゃん母ちゃんがいたころの 長屋の冬の風景だ ひとりぽつんとたたずんで 遠い記憶をたぐりよせながら いつまでも優しい雪を 感じていたい