映画探偵室 -339ページ目

映画『ニューシネマ・パラダイス』中のポスター、その23. 接吻シーン編集フィルム(1)



皆さんをまた泣かせようという意図はありません。最後の「接吻シーンつなぎ合わせフィルム」の全貌を検討するためです。

「ほわり」さんのリストを手がかりにします(一部省略)が、ここに来て更に強力な助っ人が現れました。
ブログ「アラフォー世代が楽しめる音楽と映画」の主催者「時夢 杜寸」さん
『ニュー・シネマ・パラダイス』 死して後、約束を果たしたアルフレード
これら助さん,格さんの助けを借りながら探偵は楽々と...

・ヒズ・ガール・フライデー
 
   1940年アメリカ映画
   監督:ハワード・ホークス
   出演:ケーリー・グラント、ロザリンド・ラッセル

   ※1時間28分ぐらいにこのシーンが有ります...
とは言え、映写はトトが接吻チューのため途絶えている...しかも館内に雨が降っている...
まさか、このポスターが?


・カルメーラ (Carmela)
1942年、イタリア映画 
出演:ドリス・デュランティ
(カルメラはカルメ焼きの事ではありません。カルメンのような女、情熱の女という意味ですね:館長、談)

・ジュディ・オング?違うか。
これは難しい。11番目と思しき画像は?

これも「上映された」映画の一部でしょうから、女性の鼻の形と髪形から類推すると、「時夢 杜寸」さんの記事から
  が拾えましたが、なんと説明文は『不明』、となっています。しかしどうしても「ジュディ・オング」には見えない....
 探偵事務所としては今なお???状態であります(汗
ただし、 判明しました。
『ならず者』(原題:The Outlaw) 1943年 ハワード・ヒューズ監督
ジェーン・ラッセル
 ジャック・ビューテル扮するビリー・ザ・キッドにキスをせがむシーン。しかしこの時は邪魔が入り、未遂となる。

・熱砂の舞のルドルフ・ヴァレンチノとヴィルマ・バンキーかな?
 「ほわり」さん正解。時夢 杜寸」さんによれば
『熱砂の舞』 (原題:The Son of the Sheik) 1926年 ジョージ・フィッツモーリス監督
 ルドルフ・ヴァレンティノ&ヴィルマ・バンキー
 サハラ砂漠の王子アーメッドと酒場の舞姫ヤスミンの恋物語。ヤスミンは身代金狙いの悪党一味に誘拐されてしまう。アーメッドは危険を覚悟で敵の待つ砦に乗り込むが...。

(続く)

映画『ニューシネマ・パラダイス』中のポスター、その22. アントニオーニはどうした?

という突っ込みは無かったですが、どこかに"Il GRIDO"というタイトルのスチールがあったような。Wikipediaによれば
・女ともだち Le amiche (1955年)
・さすらい Il grido (1957年) - 監督・脚本となっています。
本作の製作年は1957年ですが、おそらく邦題が邪魔しているのですね。原題は"IL Grido"つまり「人間の格子」で人と人のつながりを表していますが、邦題が「さすらい」、しかもアントニオーニには「さすらいの二人」という映画(ジャック・ニコルソン主演)もあってこちらの原題は"The Cry”。
    
面倒なので実際に映画を見てみましょう。アリダ・ヴァリが主演です。Youtubeから(英語字幕)
IL GRIDO






映画『ニューシネマ・パラダイス』中のポスター、その21. 謎のポスターその6,しつこい

(続き)
1. チャップリンのポスターについて誤認はなかったか?

無理やり文字を読む込むと
QUESTA SERA UNA CARMEN DI CHAPLIN
となるようです。明らかに「チャップリンのカルメン」ですよね。

どうもポスターが似つかわしくないのは前回のブログで説明した事情(当時チャップリンは自分の映画の放映権が差し押さえられていた)ことが裏にあったようです。

2. イタリア・ネオ・レアリスモの流れを追った形で展開するのが「ニュー・シネマ・パラダイス」という映画ですが、その一角を占めるはずの映画が表に出て来ないのはなぜか。
その1本はヴィスコンティの「若者のすべて」(原題はROCCO E I SUOI FRATELLI、ロッコとその兄弟たち)。
Wikipedia: ヴィスコンティの「若者のすべて」
ー 『若者のすべて』(わかもののすべて、イタリア語: Rocco e i suoi fratelli / フランス語: Rocco et ses frères)は、1960年公開のイタリア・フランス合作映画である。監督はルキノ・ヴィスコンティ。モノクロ、ビスタサイズ(1.85:1)、168分(4K完全修復版は177分[2])。
 成功を夢見てミラノにやって来たイタリア南部の貧しい家族と都会での残酷な現実を叙情的に描いた作品で、南北イタリアの経済格差を鋭く追及した。イタリア語とフランス語の原題は「ロッコと彼の兄弟たち」の意味。ジョヴァンニ・テストーリ(英語版)の小説『Il ponte della Ghisolfa』の1エピソードから着想を得た作品であり[3]、『ベリッシマ』以来ヴィスコンティとの共同脚本に参加しているスーゾ・チェッキ・ダミーコに加え、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレとマッシモ・フランチオーザ、そしてエンリコ・メディオーリ(イタリア語版)を脚本に起用した。ヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。
 
1960年製作ですからニュー・シネマ・パラダイスの時代設定(青年時が1958年ぐらい)からして「無理」ですが、実に「惜しい」!!。

本編は著作権の関係で日本語字幕入りはアップできませんが、オリジナルをok.ru
からぞうぞ(館長)。
Rocco e i suoi fratelli
アラン・ドロンにちょっと遅れること数年後、アラン・ドロンの再来とも評価された青年ジャック・ペランがデビューします。彼の代表作は「家族日誌」、ちょうどこの「若者のすべて」を引き継ぐ映画となりました。
Wikipedia: ジャック・ペラン  ああ、サルヴァトーレ、ですね。
Wikipedia: 『家族日誌』 父親役がマストロヤンニです。
英語字幕入り(Youtube)