これまで国政選挙の投票は欠かした事が無いが、地方選に関する興味は薄かった。

しかし、ちょうど1年前に千代田区に引越してから初めて区議選となり、候補者のポスター見たのだが、ものすごい数の候補者が立候補している。

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ものの情報によれば、25人の定数に対し、38人が立候補したそうだ。

立候補者が多いのは結構な事だ。選択肢が広がるのは良い事だ。

しかし、定数25名とはどういう事だろう。最初に私は非常な違和感を覚えた。

千代田区は人口5万人ちょっとしか住んでおらず、有権者だと4万人あまりしかいない。 

皇居や国会、各官庁があり政治、行政の中心地であり、大企業から中小企業の本社が集結し、多くの学校もあり、まさに日本の中心であり潤沢な税収がある(はず)。

しかし住民の数は少なく、はっきり言って住民のレベルは低くない事から多くの政治家が区議会で手腕を発揮する場は限られているように思える。

この1年、選挙前に区議会議員に会ったり政策を訴える姿を見かける機会は全くなかったが、皆さん忙しくされているのだろうか。

ここに25名の議員を維持する事の異常性を訴える候補者はごく少数で、選挙広報によれば僅か2名の候補者しか議員数削減を訴える者はなかった。

私はその内の1名に投票したが、どちらも大政党の候補者では無いので当選しないかもしれない。

逆に大政党は議員定数の削減は全く否定しているという事だろう。それもそのはずで、この国では既成政党は自らの食い扶持を確保する為の仕組みを最大限延命していかねばならないのだろう。これは与野党で唯一一致するところか。

これは自民党が最高裁判決を無視し続け、一票の格差問題に手を付けるのが非常にスローな事などよりも、より根本的な問題だ。

国政レベルで言えば、参議院が存在する意味が無い事を多くの政治家、国民が分かってしまっているのに、誰も手を付けようとしないという部分に近いレベルだ。
しかし現状の日本において無駄な事に多大なコストを垂れ流して続ける余裕は無い。

あるバカ議員が八紘一宇と言った聞きかじりの言葉を引用して来たが、昔の言葉を引用するならば、それよりも今は「贅沢ハ出来ナイ筈ダ」と言う事だ。

選挙戦が始まってから、この狭い千代田区でやかましい選挙カーが2台も3台も鉢合わせする場面も多く見られた。

候補者は選挙の際にしか有権者の前には現れないが(多くの日本人が正月と神頼みでしか神社を訪れないのと似ているが)、ガソリンが浪費されている間にも、国の異常な借金は膨らみ続け、大災害は迫っている。

こうした早急に手を打つべき問題に対し、その問題の深刻さに気付き、対策を持つ政治家はいるのか。あまりいなさそうなので、私の最優先事項と思われた、定数削減を掲げた政治家に投票したのである。

しかし、いくら言っても徒労な事も分かっている。政治家は国民レベルを写し出すものだし、半分以下の者しか投票に行かない選挙のレベルはそういうレベルにしかならない。
参加意識の高い学級とそうでない学級の共同作業のレベルが全く違うのと同じである。

(最後に一つ区議会議員に注文。千代田区の行政サービスはまだまだ遅れており、住民票の写しをコンビニで取れるようにして貰いたい)