今回は健康についての話題です。
近年、健康に関する関心は年を追うごとに高まってきています。
背景には、高齢化社会の進行や、生活習慣病の増加などが挙げられます。
その結果、世の中には色んな健康商材があふれかえっています。
各種のサプリメント類、ジョギングとか万歩計とかその他のスポーツ用品、マッサージ機、健康スリッパ、健康枕、等々挙げていけばきりがありません。
中には、疲労回復のための点滴というのまであります。
実際、健康は全ての活動の基本となります。
病気がちだとどうしても考え方が暗くなってしまいますし、何かの活動をしようと思っても行動が億劫になりがちとなります。
健康であるということは、それ自体が目的となるだけでなく、生活の質を高め充実した人生を送るための基礎となります。
そのため、上記のように色んな商材に多額のお金をかけて、健康であろうと努力するのでしょう。
とは言っても、単純にお金をかければ健康になれるというものでもありません。
健康は、その人のライフスタイル、生き方、価値観が密接に関わってきます。
いかに多額の投資をしても、不健康な生活習慣や価値観を改めない限りは成果は乏しいものとなるでしょう。
多くの現代人は、効率再優先とか管理主義の中で、心の余裕を失っています。
その結果が、いびつなライフスタイルとか価値観をもたらしています。
では、これを正すにはどうすればいいでしょうか?
一つのヒントとして、ある有名なお医者さんが医療について語った言葉を紹介します。
「医は農に学べ、農は自然に学べ」
百姓医者として有名な、竹熊宜孝先生の言葉です。
この言葉の中で、農が自然に学ぶべきであることは、明らかと思います。
現在では農業技術の近代化により、生産性は飛躍的に高まりましたが、弊害も顕在化してきています。
肥料の多投や過度な耕耘、化学農薬の使用などにより、土は痩せて砂漠化したり、河川は汚染されたり、不健康な作物ができたりします。
このような諸問題は、農作物の管理を人工的な環境にしていったことに根本があります。
今までは、このような生産方法でも何とかなりましたが、もはや限界に近づきつつあります。
従って、最近ではこういった管理はいずれも控えめにする方向に進んでいます。
それに伴い、病害虫や雑草も薬で押さえ込んでしまうのではなく、作物に害にならない程度で共存するという方針に転換しつつあります。
このような農業の状況がそっくり当てはまるのが医療、すなわち健康問題です。
食生活の改善と各種医療により、人間の平均寿命は今までにないくらいに伸び、体格も昔と今では大人と子供くらいに違っています。
しかしながら、ストレスや飽食が私たちの精神を消耗させ、身体に変調をもたらしています。
現在は、これを無理矢理、薬やら何やらで押さえ込んでいます。
現代の農業と、ほぼ同じ構図ですね。
こんな風に見ると、疲れたから点滴、とかいうのはやはりおかしいのでは?と思います。
農業を、そして自然を参考にすれば、薬にはできるだけ頼らず、自分の本来持っている自然治癒力を高めるよう努力すべきでしょう。
そのためには、過食はやめる(農業では肥料を控える)とか、腸内の微生物環境を良くする(農業では、土壌の微生物相を豊かにする)とかやるべき対策は自ずと見えてきます。
さらに、農業や自然をお手本にすると、眠るべき時間にはしっかり眠る、日光を十分浴びる、運動する、といったことの重要性も見えてきます。
ただ、そうはいっても実際には経済問題、その他諸般の事情もあるでしょうから、必ずしも全ての対策が取れる訳ではありません。
そういう人は、せめて少しでも時間を見つけて農作業をしましょう。
このブログをみている人は既にやっていることと思いますが。
植物を育てること自体、健康に役立ちます。
健康は、栄養、運動、休息といわれますが、農作業には全ての要素が詰まっています。
それだけでなく、生き物を育てることはそれ自体に生き甲斐を持つことにも通じます。
そして、自分で作った野菜は無駄にせず、大切に食べるという意識が生まれ、価値観も含めてトータルな意味での健康状態になっていくことが期待されます。
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