今日ご紹介するのは、倉田保昭が原案、企画、制作、アクション監督、主演の5役をこなした「ファイナル・ファイト 最後の一撃」(1989年、Bloodfight、後藤秀司監督)である。

 

世界格闘技選手権を舞台に、大事な弟子を殺された元アジアの空手チャンピオンである師匠の現役復帰と復讐を描く。倉田本人は42歳、主人公の役柄ともマッチしている年齢だ。

 

香港で小さな武術ジムを経営している倉田だったが、開店休業状態。愛想をつかして妻も離婚して出ていってしまう。妻役は林建明(メグ・ラム)。

 

倉田が才能あふれる若者として見込んだのがリュウ。演じたのは任達華(サイモン・ヤム)だ。

 

その恋人にクリスティナ・ローソン。

 

倉田はリュウを大会に出場させる。世界選手権とはいっても異種格闘技であり、相撲取りもいれば、

 

こんな大男もいる。223cmのラジャ・ライオンはこの映画公開の数年前にジャイアント馬場と闘ったパキスタンの空手家だ。

 

これはご存じでしょう。ストロング金剛。懐かしいな。

 

リュウは善戦し決勝に進むが、ベトナムのスネークなるチャンピオンに破れ、命を奪われてしまう。おなじみ楊斯(ヤン・スエ)だけど、倉田さんが初出演した香港映画、1971年の「悪客」で共演して以来の仲だそうである。

 

弟子を殺されたショックで酒を浴びる日々。倉田さんのアクション以外の演技はちょっと心配で見ていられないところもあるが、それ以上に本作は全員が英語で喋る映画なので、出演陣のセリフまでたどたどしい。でも倉田さんの溢れんばかりの情熱が伝わったのか、世界50か国で公開され大ヒットしたようである。

 

当時倉田プロモーションの秘蔵っ子であったと思われるまだ10代の早瀬恵子が出演し、

 

短い出番ながら存在感を見せる。このあと地球戦隊ファイブマン(ファイブイエロー)、忍者戦隊カクレンジャーなどに出演、所属も倉田プロからJAC、さらに別の事務所へと移籍、それに伴い芸名も咲田めぐみ、成嶋涼と変わったこともあって、志穂美悦ちゃんみたいなメジャーなアクション女優にはなれなかったなぁ。

 

このほか、小野進也(右)、スチュワード・スミス、陳飛龍など。

 

空手七段、柔道三段、合気道二段の倉田さん、40歳過ぎても闘志あふれるアクションシーンはやはり素晴らしいです。