安倍首相も了承ずみだった! 文春、新潮も追及

園児に「教育勅語」を暗唱させることで知られる「愛国幼稚園」こと塚本幼稚園幼児教育学園を運営する学校法人森友学園をめぐる国有地“激安”売却問題。先日、本サイトでは問題の「瑞穂の國記念小學院」の校名が当初「安倍晋三記念小学校」として計画され、実際にその校名で寄附金を募っていたことをお伝えしたが、新たな事実と疑惑が浮上した。

それは、森友学園の理事長である籠池泰典氏が昨日発売の「週刊文春」(文藝春秋)の取材に応じ、「安倍晋三記念小学校」という校名にすることを安倍首相本人に内諾を得ていた、と答えたのだ。

「(校名を決めたのは)安倍総理が野党議員の時の話です。内諾はいただいていましたが、総理になってそれは出来ないと辞退されました。安倍総理は政治家というより偉人ですよ」(「週刊文春」より籠池理事長のコメント)

既報の通り、籠池理事長は憲法改正などで安倍政権と二人三脚の関係にある極右団体・日本会議の大阪支部役員だ。くわえて瑞穂の國記念小學院の名誉校長には昭恵夫人が就くことになっている。こうした事実から、国有地が隣接地の約10分の1という破格の値段で森友学園に売却されていた問題も、安倍首相と何らかの関係があるのではないかと見られてきた。そして今回、安倍首相が小学校設立に自分の名前を冠することを許可していたことを理事長自ら認めたことで、その疑惑はさらに濃厚になった。

しかも、この籠池理事長の話にはひとつの疑問が残る。籠池理事長は、校名に安倍氏の名前を冠することを「総理になってそれは出来ないと辞退されました」と言うが、本サイト前回記事で取材に応じてくれた、塚本幼稚園に子どもを通わせていた保護者Aさんは「安倍晋三記念小学校」という名が記された寄附の振込用紙について“2014年に学園側から保護者に配られていたもの”と証言。「2014年に何度も保護者に配られていたという話を別の保護者から聞いています」とも話している。

一方、安倍氏が総理に返り咲いたのは、2012年12月。「総理になったから辞退した」という籠池理事長の説明は辻褄が合わないのだ。

もしかしたら、この小学校は安倍が総理就任後も「安倍晋三記念小学校」として計画は進められていたが、2015年に何か別の事情ができて、安倍晋三との関係を隠そうとしたのではないか。そして、この「別の事情」こそ、いま、問題となっている国有地取得ではないのか。

実際、この土地取得には、それを物語るような疑惑の経緯が次々明らかになっている。そもそも、この国有地の売却は、校名から「安倍晋三記念小学校」の名前が消えたあとの2015年、国有財産近畿地方審議会の審議で決まったものだが、審議会委員は「当時は森友学園に土地を10年間貸した後、その時の時価で売却するとなった。土地の金額についてはいっさい情報がないなかで審議した」と証言している(しんぶん赤旗2月15日付)。