恩讐超えた麻生・古賀陣営 菅長官らは鳩山氏次男を支援 両事務所には「為書き」が競い合うように
自民党の鳩山邦夫元総務相の死去に伴う衆院福岡6区補欠選挙(10月11日告示、23日投開票)は自民系の2人が公認を求めて譲らず、執行部が公認を見送る見通しとなった。2人は、麻生太郎副総理兼財務相と古賀誠元幹事長の異色コンビ、そして菅義偉官房長官や邦夫氏が率いた国会議員グループからそれぞれ支援を受ける。閣僚が分裂する異例の“骨肉の跡目争い”は激しさを増している。

 25日午後、福岡6区最大の人口を抱える久留米市の繁華街。約500人の聴衆を前に、塩崎恭久厚生労働相が邦夫氏の次男で前大川市長の鳩山二郎氏(37)への支持を訴えた。

 「道半ばにして夢を実現できなかった。それを二郎さんに託したいというのが邦夫先生のご遺志だ」

 「夢」とは首相を指すとみられ、二郎氏も「父が11年間お世話になった皆さまにご恩返しをしなければならない」と強調。街宣車には「父(魂)と共に」と書かれ、「弔い合戦」を前面に押し出している。

 塩崎氏は邦夫氏が運営費を負担してきた100人超の自民議員グループ「きさらぎ会」の共同世話人。25日は同市の厚労関係者100人以上との懇談にも顔を出し、支持を求めた。