引き続き
「太田光の私が総理大臣になったら ・・・秘書田中」

6月29日放送の話。


【その1】  で書いた「今の世の中の問題」
その一つ目は、様々な情報が簡単に入手できるのに
自分で調べようとせず、与えられた情報に流される人が
多いという点。
今回と次回でそのことを考えてみたい。


【「少年法」への濡れ衣】


番組内では、少年犯罪は減っているものの、
その内容が凶悪化しているとされていた。


何をもって凶悪化していると言っているのか、
根拠が明らかにされていないので判らないが、
手元の「犯罪白書」によると…


殺人で検挙された少年の数は、戦後から1960年代半ばまで
年間300人、400人だったのが、1970年代に入り減少を始め、
1980年辺りから100未満で推移している。
一時期100人を少し超えたが、ここ数年また減少している。
強盗も、「オヤジ狩り」ブームの影響か(やなブームだな)1990年代に
増加したけど、2003年をピークに減少に転じている。
どこら辺が「凶悪化」なのだろう?


百歩譲って「凶悪化」が事実としても、
それが何故「少年法が原因」となるのだろうか。


1923年から少年法はある。少年法が凶悪少年犯罪の原因なら、
戦後、少年による凶悪犯罪は増え続けなければならない。
しかし実際には、減り続けているのだ。


「少年犯罪が凶悪化」と「少年法が原因」の間には、大きな距離がある。
この距離を埋める根拠をなにも示さずに、「少年法廃止」というのは
論理にかなりの飛躍がある。


水漏れを防ぎたければ、水漏れの原因箇所を修理しないと意味は無い。
少年犯罪を防ぎたければ、その原因をまず明らかにする必要がある。
「少年法が原因」だと言った人、思った人、根拠を示してください。


青木悠君の事件は、確かに凶悪な事件だけど、

その原因が少年法にあるかのような番組の作りは問題だし、

それを無批判に受け入れて、少年法廃止に「賛成」する人が

多数いることに、げんなりする。


【その3】 に続く