一瞬で読める源氏物語No.11 花散里 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.11 花散里

源氏物語


第11帖 花散里(はなちるさと) 光源氏25歳夏の物語


光源氏は、朱雀帝の婚約者である朧月夜とのスキャンダルで政治的にピンチに追い込まれ、世の中がいやになってしまいます。そんな中、以前契りを交わしたことがある花散里(はなちるさと)という女性のことを思い出します。花散里は、故桐壺院の妻の一人であった麗景殿(れいけいでん)の妹で、今は姉妹でひっそりと暮らしています。この二人を訪ねようと梅雨の合間に外出した光源氏でしたが、その途中でこれまた一度だけ契りを交わしたことがある別の女性の家を見つけました。光源氏は、迷わずその女性を誘いに行きましたが、体よく断られてしまいます。さて、麗景殿邸に到着した光源氏は、麗景殿と花散里の二人と昔話に花を咲かせます。夜が更けると、先ほどのつれない女性とは違い、変わらずに光源氏を待っていてくれた花散里と、心和むひとときを部屋で過ごすのでした。



補足:この話は、窮地に追い込まれた光源氏を見捨てて周りの人たちがどんどん離れていく中で、花散里だけは以前と変わらずにいてくれるという美談になっています。私も素敵な話だなと思いました。ただし、花散里の家の場所を知るまでは(笑)。私は当初、花散里の家は北山とか嵯峨野とかかなり遠くの「里」にあるのかなと思っていました・・・が、下の地図を見て下さい。


源氏と女性の屋敷


光源氏が住む二条院から花散里の家までは道なりにわずか1km程度しか離れていません。この距離は、藤壺や朧月夜のいる内裏に行くまでの半分にも満たない距離です。しかも近くには空蝉、軒端荻、末摘花など光源氏の愛人達が住む屋敷があるじゃないですか。加えて今回出てきた一度契りを交わした女性もいるわけですよね。こんなに近くに住んでおきながら、ずいぶん長いこと花散里をほったらかしにしておいて、あげくのはてに他の女性達と契りを交わし、都合のいい時にばかりご訪問ですかぁ~光源氏さん(笑)。


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