いずみシンフォニエッタ大阪

第49回定期演奏会

「時を超えるファンタジー」


日時: 2023年2月11日(土・祝)16:00

出演:

鈴木優人

(指揮 チェンバロ プリペアドピアノ)
いずみシンフォニエッタ大阪


曲目:

H.ビーバー:Battalia

J.ケージ :プリペアドピアノ協奏曲
F.メンデルスゾーン(鈴木優人編):《真夏の夜の夢》序曲
川島素晴:室内管弦楽のためのスタディ「Jingle-Tree / Sweet Messenger」(委嘱新作)





いずみホール

大好きなホール

そのホールに足を踏み入れる

シャンデリアが美しくパイプオルガンが迎えてくれる

そしてオルガンを弾く人


このシチュエーションは容易に『オペラ座の怪人』を彷彿させる

そして 鈴木優人さんという音楽家を知ったのも そんなシチュエーションだった


2016年のニューイヤーオペラコンサート

オルガンを演奏される姿にファントが重なり

また運良く その10日後にMAROワールドで篠崎さまと石丸幹二さんと共演される演奏会にて鈴木さまの生演奏をお聴きする機会を得てチェンバロの美しさとともにファンになったことを思い出す


今回の演奏会は 世界初演となった鈴木優人さんをイメージして作曲された

室内管弦楽のためのスタディ「Jingle-Tree / Sweet Messenger」の作者 川島さんの言葉をお借りするなら

「完全なる音楽家」「鈴木優人の全て」を堪能した演奏会だった


「ミュジシァン・コンプレ」

→指揮者 鍵盤奏者 作曲家 

中でも 出会いが出会いなだけに

特に鍵盤奏者な鈴木さまにお会いできることが嬉しくいそいそと出かけた


なんと

プレ・コンサート15:30 

プレ・トーク15:45が予定されていたことに全く気付かず…


プレ・コンサートはほんの僅か聴くことが叶ったのみ

いずみホールのパイプオルガン♪


プレ・トークはいずみシンフォニエッタ大阪 音楽監督の西村朗氏と鈴木さまのお二人で

西村氏がお話になると まるでラジオやテレビの音楽番組のよう(笑)

フランクで経験豊富で知識豊富なゆえに繰り出される そしてお引き出しになる楽しいトーク

これも大変貴重な機会だった


西村氏と鈴木さまのお父様 鈴木雅明氏は東京藝大の作曲科同期なのだとか!


プレトークにて西村氏の言葉にあった 感動よりも感動を超えた超体験を!


まさにこの言葉がぴったりな演奏会になった


1曲目

チェンパロの響きは美しく心落ち着く

かと思いきや かき消されるほどのたくさんの曲調が不穏に絡み合う


2曲目

プリペアドピアノ協奏曲

いわゆる前衛音楽のように聴こえる

それはピアノがプリペアドピアノだから


以前 なにかの番組でプリペアドピアノを説明し演奏されている鈴木さまを拝見した記憶があるのだけれど

これだけ本格的なプリペアドピアノはなかなか難しいのだとか

ただピアノの弦に何かを置いたり挟んだりすれば良いというものではないらしい

しかも今回の演奏会のようにスタインウェイのフルコンにこのような細工を施すことは有り得ないのだとか

特別仕様のこのピアノはグランフロント大阪にて今月中だったかな期間限定で

展示されるのだそう


ピアノは打楽器と聞くが まさにそうと体感する演奏機会になった

普段から予測するピアノ音とは違う音が繰り出される

それは音というより響き 鳴りに近い

まるでガムランのよう

東南アジアに身をおいているような…

まさに不思議な超体験!


そして「完全なる音楽家」「鈴木優人の全て」をイメージした

室内管弦楽のためのスタディ「Jingle-Tree / Sweet Messenger」


演奏前に西村氏と川島氏の曲にまつわるトークがあったのだけれど

これまたテレビでよくお見かけするお二人だから お茶の間で音楽番組を拝見しているようなリラックスした雰囲気(笑)


西村氏が作者の川島氏に向けて 

曲の説明をではなく 曲の言い訳をと話を振られたことろが愛あるユーモア


鈴木さまの経歴にまつわるキーワードを音楽に置き換えたもの

フレーズが言葉になって聴こえてくる

これが実に音白くて!

 

入場時に配られたスタディ資料



♪鈴木優人 ♪鈴木優人 ♪鈴木優人


演奏会後 ずっと脳内をリフレインしている(笑)


♪オランダ も!


そして 美しい ♪古楽の楽しみ も(笑)


素晴らしいなあ

天才ってこんなふうに音楽で遊ぶのね

川島氏は 題名のない音楽会で よく面白いことをされているけれど 音楽で遊んで音楽を心底楽しんでおられるのだと感じた


演奏終盤 黒子が登場

フレーズに乗せてキーワードを提示されるのだけれど この黒子がなんと川島氏だった!

なんともサーピス精神旺盛〜


そして多彩な鈴木さまを表現するようにたくさんのジャンルの音楽が絡み合い ラストはやはりバッハで締め括る

しかもプリペアドピアノの不思議な音色で!


お見事!!


かくして 多彩な音楽家 鈴木優人さまを存分に味わうことが出来た

とても貴重な素晴しい演奏会となった


すごい企画だなぁ

こんなふうに音や音楽を楽しむ柔らかい捉え方

良いなぁ


すっかりリラックスして楽しい時間を過ごすことが出来た


いすみシンフォニエッタ大阪さま

また楽しい企画を楽しみにしています!