<小学生の脳と耳に脱帽!> | 先生が教える小学校と勉強:小学生子育てプロママ養成講座

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 最近どんどんその中身は変化しているようで、ほんとのところ、今の小学校って、よく分からない。
 そんな小学生を持つママ(パパ)が、学校を知って不安を解消。あなたもこれで、小学生子育てプロママ。
 分かって安心!小学校。分かった!小学生の我が子応援のコツ。

 この学校へ異動したとき、「ここの子どもたちは、なんて素直なんだろう!」と、感じたのですが、ある水泳コーチの話を読んで、「なるほど!」と思ったことがあります。

 

 「伸びる子の持っている才能の一つは、素直さである。」と言うのです。

 

 中学生の頃の北島康介選手のことを例に挙げ、「いいところの一つは、人の話を素直に聞けることだった。」と。

 

 

 そして、ある脳科学者の先生は、


 「良い耳」・・・機能の善し悪しだけを言うのではなく・・・もちろん音を正確に聞き分けられる力、と言うのもありますが、伸びる子は、「素直な耳」学べる耳」という二つの耳の力を発揮して、短時間で、正確に物事を習得できる


 と、言っています。



 子どもの脳というのは柔軟で、大人にはまね出来ないような覚え方ができるものですが、それに加え「良い耳」を持っている素直な子どもたちは、こんなことも可能なんだなあ、と思う出来事がありました。


 

 前回の記事で、学習発表会 のことに触れましたが、3年生のある担任の先生から、「昔話の英語劇をやりたいので、ちょっと協力して欲しい。」という依頼がありました。

 

 私の中学・高校の免許の一つが、たまたま英語だったのをご存じのようでした。

 

 「The Peach Boy」(桃太郎)


 今の子どもたちは、様々なところで英語に触れる機会があり、学校にも英語活動のためネイティブのALTの先生が出入りしているので、抵抗はありません。

 

 しかし、彼らは、文法も、多くの単語もそのスペルも知らないわけです。


 活かせるのは、耳。


 

 まずは、個別に呼んで、聞こえる通りに繰り返し繰り返しまねさせます


 「th」や「v」や「l」のような全く日本語にない音については、先に少し発音の仕方を説明しておきました。


 家でも練習したいというので、「聞こえるとおり」に片仮名でメモさせます

 

 例えば、「apple」が「アップル」ではなく「アポー」に近く聞こえるように、聞こえるとおりに。

 


 次に、切れるところまでのひとかたまりを丸で囲みリエゾンしている部分にアンダーラインを引く。

 

 そして、強弱の部分に、それぞれの印を付ける

 

 そうすると、謎の呪文のようなメモが、英会話虎の巻に変身!

 

 鬼役の子が、「Help me!Help me!」(ヘオp・・・表記の間違いではありません。「プ」ではないので。 ミィ! ヘオp ミィ!)と聞こえたとおりに発音し、けして、「ヘルプ ミー」には、なっていないんですね。

 

 「l」を正しく発音すれば、「オ」のように聞こえますから。


 

 台本を渡されてから3週間。子どもたちは、何にも見ないで、


 「Oh!!! Big peach.」(オウ ビッg ピーチ!)

 

 「I am going to eat it with Ojisan.」(アイm ゴーインgトゥーイートゥイッ ウィz オジーサン)


 と、やっています。

 

 で、先日、学校に来るALTの先生に、「通じるかどうか」劇を見てもらったところ、「90パーセント、分かる。」というお墨付きをもらい、大喜びしておりました。


 

 呪文もすっぽり、頭から覚えることができる柔軟な脳に脱帽!


 

 参考に

 

 <脳科学に基づいて、言語学を考える>

 

 <脳科学に基づいて、言語学を考える②>