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個人の思いだけでなく制度としての社会保障が

アメリカは裕福だと思っている人たちがいますが、貧困率は世界一です。そのなかでも遅れている社会保障制度の問題があります。朝日新聞の「フロントランナー」では、スターバックス会長のシュルツ氏へのインタビューが掲載されています。

業績悪化した時に健康保険への支出を削りませんでした。

「健康保険への支出は年2億5千万ドル(200億円)。機関投資家 などから、これを削れば支出が大きく減り収益が改善すると言われましたが、私はしませんでした。我が社の文化の基礎だからです。」としています。企業負担が義務化されていません。会長がしなかった理由として生育環境での思いを語っています。

「低所得者住宅で育ったこと が、経営者としての考え方を形作っているのでしょうか。」という問いに

その通りです。(ニューヨークの下町の)ブルックリンの、文字 通り貧しい地区で育ちました。 親は懸命にブルーカラーの仕事に取り組みましたが、一度も健康保険や労災補償を持てませんでした。だから、氷の上ですべって骨折し、おむつの宅配便の運転手としての仕事ができなくなったら即刻クビになり、我が家の生活は一気に苦しくなりました。家族や私の記憶に刻まれた苦労から、父のような人たちに機会を与え、報いられるにふさわしい会社にしたい と思っているのです。」

会長としての判断は支持されますが、こうした社会保障が国全体の問題になっていなことに問題があると思います。日本で制度が改悪はされていますが、基本の部分は変わっていません。その点は、アメリカとは異なるところだと思います。