2005年 7月5日

夕方、新幹線に乗って、久々に東京へ。その夜は兄のマンションに泊めてもらった。今回二つの目的の為行くことになった東京。一つ目の目的を果たすために翌朝、築地にある国立がんセンターへ。ここは日本国内トップレベルの癌研究機関と各種癌治療を目的とした巨大な病院。


『セカンドオピニオン』を求めてここまで来た。

『セカンドオピニオン』とはその名の通り『二つ目の意見・考え』という意味。
近頃の医療では常識となってきている制度で患者が自分の主治医の治療に対する意見や考え方以外に他の専門医から見た治療方法、方針についての意見、見解を自由に求められるというもの。

最近では全国の病院と病院、医師と医師が連携しあって患者がセカンドオピニオンを必要とする場合、適切な施設や医師の紹介や病状についての書類作成など柔軟に対応してくれることが多いらしい。患者自身の治療方針を色んな医師の考え方や見解を元に本人が最終的に納得行く判断を下すための材料としてはうってつけの制度だと思う。特に癌など命に関わる病気の場合なおさら。
患者の治療方法にいくつかの選択肢がある場合、最近では医師が一方的に治療法をゴリ押しするのではなく、それぞれの選択肢のメリット、デメリットやリスク等に関して適切に説明を行いあとは患者の意思で治療方法を決定するのが一般的らしい、自分の場合も主治医の先生は始めから常に適切な説明とともに自分の意思を尊重して対応してくれていたような気がする。

急性骨髄性白血病であるとわかった当初は発症から5年後の生存率が30%という数字そのものにおびえて病気について深く知るのが怖かった。それ故に先生に命を預けるつもりで信頼関係を築くのが正しいと思っていたが、それは単なる自分自身の正当化と現実逃避と他力本願以外のなにものでもなく、病気の恐ろしさや治療上でのリスク、昔に比べ現代医学ではどこまで白血病を治癒できる様になったか?など自分の病気の実情を良いことも悪いことも含めて全てきちんと知り、受け入れることこそ病気と向き合い闘病するといえるのではないか?と思って、セカンドオピニオンという制度を知って、行動したくなった。

入院以来、色んな面で本当に色々と助けてもらっている親友Pからセカンドオピニオンが今では一般的だという話を聞いて、先生にもそのことを相談したところ、快く承諾してくれて、どうせならということで国立がんセンターを勧めてくれた。

紹介状と病状について詳しくまとめた書類もすぐに作ってくれた。
小さなきっかけから実際に東京までこうしてやってきたけど、日本屈指の癌専門病院が自分の状態をどうセカンドオピニオンとして意見してくれるか、不安でいっぱいだった。

午前10時に受付に到着。見たところ一般外来の患者さん以外にも自分と同じようにセカンドオピニオン目的らしき人たちが待合にたくさんいた。

何日か前に、事前に大阪から電話で問い合わせたところ、国立がんセンターではセカンドオピニオンの予約を取り扱っていないとのことだったので直接ここまでアポ無しでやってきた。ひとまず診察券と初診用のカルテが出て来るのに1時間待った。大きい病院なら当たり前の待ち時間。
白血病は血液の癌なので血液内科という専門科で診察してもらう。自分の名前が呼ばれたので血液内科の診察待合の場所を受付のお姉さんから説明され、移動。

到着してみれば待合はものすごい混雑。かなり待たされることを覚悟で念のため目安の待ち時間を係りの人に聞いてみた。『13時には戻ってきてください』とのことだったので、2時間近く時間が空く。

一旦病院を出て、昼ごはんを食べてお茶をして時間をつぶして13時前に待合に戻った。

もう呼ばれるか?もう呼ばれるか?そう思いながら更に3時間半…。ようやく自分の番が来た。大混雑の為いつもここはこうらしい。考えてみれば病院到着から6時間半待った!?こんなの有りか!?と思ったけどこれもセカンドオピニオンの為、と無理やり納得して専門医の待つ診察室へ入った。主治医の先生から預かってきた病状と今までの経緯について記された書類を渡しコメントを待つ…。