皇后さまの水仙、困ったことに | かずのつぶやき

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皇后さまの水仙、困ったことに

 また皇后さま関係で。

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 昨日の毎日新聞夕刊に考えさせられる記事がありました。

「被災地 花植え支援 国有種脅かす恐れ」というものです。

 こういうことです。

 東日本大震災後、仙台市の避難所を訪問された皇后さまに、避難生活を送る主夫から「水仙」のプレゼントがあったことはテレビの映像とともに記憶に新しいところです。

 水仙は、ご存知の通り1995年の阪神淡路大震災のおり、皇后さまが皇居から手折ってこられ、被災地に手向けられた花で、いわば復興の象徴といえます。

 記事によると。

 宮城県塩釜市、日本三景の松島の沖合に桂島という島があります。


 山梨県の園芸家たちが昨秋「一足早い春を被災者に感じてほしい」との思いで、集落を結ぶ道路沿いに約1万5,000株の「ニホンズイセン」の球根を植えたそうです。ちなみに「ニホンズイセン」はいわゆる普通の「水仙」です。

 しかし、その善意も問題があることが指摘されました。

 桂島など浦戸諸島の動植物を研究している東北大学進化生態学の河田雅圭教授は「ニホンズイセンを含むスイセンは東北には本来自生しない。移植されたスイセンは桂島では外来種になる」と指摘しました。なるほど。

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 スイセンは地中海原産で、日本では本州以南の比較的温かな地方にみられる他は、福井県の越前海岸の群生が有名ですね。

 ニホンズイセンを植えた園芸家は「スイセンは全国に数百万株植えられていると聞く。桂島に移植しても現地の動植物に影響することはないと判断した」と話し、生態系への影響も検討した結果、移植したそうです。

しかし教授によれば、桂島にはシャリンバイオオシマザクラといった希少植物が多く「外来種」が入り込むと島本来の植生を乱す恐れがあるといいます。

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 植生学会会長を務める東京農工大の福嶋司教授によると「一般的に人為的に移した動植物はひとの思惑から離れていってしまうことがある」と話しています。

 福嶋教授は外来種になる場合はプランターや鉢を贈ったり、花壇に花を植える方法を勧めています。

 また、その土地に直接植える場合は、そこに元々生えている植物から採った種や苗を使うのが望ましいと話しています。

 河田教授は「善意からの移植で被災者も喜ぶ。でも注意を呼びかけておかないと意図せず生態系を壊してしまう可能性がある」と話しています。

 ふたりの教授の話はもっともな話だと思います。山梨の園芸家のかたも善意とはいえ、その道のプロなんですから、もう少し慎重にできなかったのかなぁ、と悔やまれます。

 その一方で、いくら島の貴重種といったってオオシマザクラはどう考えても、昔誰かが、意図するかしないかは別にしても持ち込んだものでしょう。
 伊豆半島のオオシマザクラも大島から持ち込まれたものだそうです。(桜餅の葉っぱはオオシマザクラの葉っぱです)

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 現在の桂島の生態系はもしかしたら、ここ数百年で出来上がったものかも知れません。今回の津波は千年に1回なのですから、こんな生態系の変化も“あり”かも知れません。

 みなさんはどう思われますか?




おまけ‥‥‥‥

 記事では「山梨の園芸家」となっていましたが、どうやらNHK趣味の園芸の元司会者柳生真吾さんのようです。(俳優の柳生博さんの息子さんね)
 彼は「スイセンプロジェクト」といって水仙で村おこしをしている瀬戸内海の男木島という島の水仙を、被災地へ贈ろうというという活動のリーダーだそうです。

 記事を書き終わって〔桂島・スイセン〕で検索していたらわかっちゃいました。

 なんかガックシ。書かなきゃよかった‥‥。

「みなさんどう思われますか?」なんて書きましたが、おまえナーって感じですね。

 しかし、考えさせられるお話ではあります。