赤ちゃんの突然死、半数が添い寝中 | かずのつぶやき

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赤ちゃんの突然死、半数が添い寝中

 原因不明の乳幼児突然死の半数以上が、ベッドやソファーで親と添い寝をしているときに発生していることを、ブリストル大学乳幼児保健生理発達学地域医療科のPeter Fleming博士たちがBMJ(2009;339:b3666)
に発表しました。

 英国では1990年代初頭から乳児突然死症候群 : SIDSの発生件数は劇的に減少していますが、教授たちは「さらにその数を減らすためには、添い寝は危険を伴うため行わないよう勧告する必要がある」と話しています。

 SIDSという用語は1969年から使用されており、SIDSは突然死した子の親には責任がない“自然死”として分類されてきました。

 それ以来、SIDSの危険因子に関して数々の報告がなされ、
今では赤ちゃんを寝かせる体位は仰向け、寝かせる位置は両足がベビーベッドの下(feet to feet position)にくるようにし、タバコの煙のない環境に置くことが勧められています。

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 しかし、異なる社会や文化の背景を持つ集団で、どの危険因子に関する情報が理解されているのかわからないのが現状であり、また未知の危険因子や、以前は注目されなかった因子に関する情報はほとんどありませんでした。

 そこで教授はワーウィック大学と共同で2003年1月~06年12月にイングランド南西部で起きた0~2歳児の突然死に関して、住民ベース(490万人、出産184,800件)を対象に検討しました。

 教授はSIDS80例を、SIDS高リスク群(母親が若年、喫煙者など)82例、ランダムに選んだ対照群87例と比較しました。SIDSで赤ちゃんが亡くなった親とは、死亡して間もなく面談し飲酒や薬物使用などの情報を集め、さらに訓練を積んだ専門家が、赤ちゃんが突然死した部屋の状況と環境について詳しく調査しました。またSIDS予防キャンペーンのアドバイス(横向きに寝かせない、喫煙者とは一緒に寝かせない、独りで寝かせない、羽毛布団や枕は使わないなど)を守っていたか.新しいリスク因子が出現していないかを調査しました。

 その結果、検討対象になったSIDSの半数以上(54%)は添い寝をしていて発生したのに対して、他の2群での添い寝の割合はともに20%でした。

 リスクの多くは添い寝前に飲酒あるいは薬物を使用したことが原因(31%、対照群は3%)と考えられるほか、ソファーで添い寝をしていた場合の死亡率も高く(17%、対照群は1%)、さらにSIDS児の約5分の1が枕を、約4分の1がおくるみ(スワドル)を使用していたことが新たな危険因子の可能性とし注目されました。

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 これらの危険因子は3のグループ間で差が認められないことから、今回の結果をコミュニティーの全地区にあてはめることができ、社会経済的な差は原因ではないことが考えられました。

 さらに、母親が妊娠中に喫煙していたケースがSIDS群では対照群に比べてより多く(60%対14%)早産児は約4分の1(26%対5%)、発生時に赤ちゃんの健康状態がまずまずか不良だったこと(28%対6%)も確認されました。

 頭部がくるまれていたり、出生後に喫煙者が近くにいたり、おしゃぶりを使っていた、横向きで寝ていたといったケースは減っていましたが、なおうつ伏せで寝ていた例(29%対10%)もみられました。

 リスクを軽減させるメッセージについては親に浸透しているものもあり、これがSIDSの発生減少につながっていると思われましたが、添い寝によるSIDSの大半は危険な睡眠環境で生じていました。

 教授は「生後6ヶ月までの乳児を寝かせる最も安全な場所は、親のベッドサイドにベビーベッドを置いて寝かせることである」と述べています。

 お酒を飲んでソファーで添い寝は絶対にやめましょう!

 しかし、WEBのサイトを見ると添い寝を推奨しているページが多く、このサイトの挿絵なんてモロ危険なスワドルです。

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 またアタッチメント・ペアレンティングという考え方があり、添い寝がSIDSのリスクを下げると紹介しています。別の添い寝おすすめサイトではSIDSの予防について詳しく解説していますが教授がみたらなんて言うでしょうか。