「おまえ、バレーボールをやってたんだろ」
ってなことで、今やっている北京オリンピック世界最終予選の記事をいきなり任された。

入って早々記事を任されることに驚いていると、古参の記者が1枚の紙を渡してくれた。
「このとおり書けばいいから」


バレー① ②が勝つ
バレーボール①は③日、④で⑤を行い、②は⑥に⑦で勝ち、⑧とした。
(戦評)*⑨

①大会名
 見出しは簡潔に。本文中は字数が許す限り正式名称を。
②チーム名
 人気チームの名前を持ってくる。
③日付
④場所
⑤試合の格:決勝とか準決勝とか何回戦とか。
⑥対戦相手:人気が無いほうのチーム。
⑦セットカウント
⑧大会通算成績
⑨一行で簡潔に。人気選手の名前を最低1名、できれば2名入れておけばファンは納得する。


「大丈夫だ。俺も先輩から受け継いだこの紙で20年間メシを食ってる」
紙を渡した古参記者が俺に声をかける。

こんなフォーマットで書いているのか…と愕然としていたのだ。
不安がっていたわけではない。
20年以上前から変わってないのか…

とりあえず今日の試合の記事を先に書き上げた。

バレー男子最終予選 日本が勝つ
バレーボール北京オリンピック世界最終予選、全日本男子は6日、東京体育館で5戦目を行い、日本はオーストラリアに3-1で勝ち、この大会4勝1敗とした。
日本は越川・山本らの活躍によって勝利し、4大会ぶりのオリンピック出場に大きく前進した。

さて、次に辞表を書こう。