登場する人物、団体、名称はすべて架空のものです。


この小説は


”Obsessed with you”、


”Forbidden Affection”との


連動小説となっています。


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街中で偶然見かけた


見覚えのある男。



一昨日、俺の目の前で


九条を抱きしめていた奴だったが、


今日は別の女といちゃついていた。



あいつ・・・!!



頭に血が上るのがわかる。




瞬間的に俺は彼の背後から


思わず肩に手をかけた。




彼は肩をビクリとさせて


こちらを振り向くと


急に見知らぬ人物に


呼び止められたことに驚いて


目を丸くしている。




「な・・なんですか?」


驚いて言う彼に


俺が



「一昨日の夕方、九条と


一緒にいただろ?」



と単刀直入に聞いたが


彼は


何が起こっているのか分からないと言う感じで


目を白黒させている。




俺はその彼の様子に構わず



「で、今日は違う子とデートしているのか?」


と続けると



ぽかんとしていた彼の顔の眉間に


皺が寄った。




「は・・・?なんすか?


あんた・・!!


美桜の知り合いですか?」




そう聞き返されて


俺はどきりとした。


自分のことをどう名乗ればいいのか


わからない。




「俺は・・九条の・・・


通っている


高校の教師だ」




そう答えながら


熱かった頭が冷めていく。




カッとなって


感情に任せて動いてしまった


自分のその軽率さを


俺は今更ながら後悔した。



確かに、


俺は他人に堂々と文句を言えるような


立場ではない。




まさか、


九条の元彼だなんていうわけにもいかなかったので


高校の教師だと言ってみたものの、


なぜ一介の高校教師が


生徒の恋愛事情に口をはさむ必要があるのだろうか?




「いや・・・


済まない。


この間君が九条と一緒にいたのを


見かけたもので・・」





たどたどしくそう言うと


彼の隣にいた女性が



「ちょっと・・・


シン君!!


九条って誰よ!!」



と怒りだした。





「違う違う、


九条っていうのは俺のいとこで・・」



従兄だって??




「イ、イトコ??」



俺はそう言いかけた彼を遮るように


素っ頓狂な声をあげてしまった。



すると彼は


「そうっすよ。


美桜が


失恋したって言うから、


慰めるために話を聞いただけですよ。


ったく・・なんなんすか。」



と声を荒らげ、



直後に


あっ、と小さく声を漏らして




「もしかして、あんた、


九条の元彼ですか?」




と聞いてきた。




その問いに


俺の心臓は大きく脈を打って


思わずゴクリと息をのみこんでしまった。






「そうだ。


あんた、美桜の元彼だろ?」



俺のその反応を見て


そう言った。




「あいつ・・


元彼の詳しい事は言えないって言ってたけど。


そういうことか・・・


高校の先生?


まじかよ?」



そこまで独り言のように言った後


彼は俺を睨みつけ、


そして俺にズイと顔を近づけた。



「文句言いてぇのはこっちの方だよ。


あんた、女子高生一人守れねぇで何してんだよ。


あのなぁ。


あいつはあんたの夢とやらを守るために


お前と別れたんだよ。


なんで女子高生のあいつが


大人の事情なんて理解しなきゃなんねーンだよ。


なんで守ってやれねーんだよ。




美桜に別れてくれと言われて


素直に別れただ?


ふざけんじゃねーよ。




あいつがあんたと別れた後


ホントに他の男とさっさと付き合ってると思ったのかよ。




あんた、美桜の何見てきたんだよ!!


あいつの何を信じて付き合ってきたんだよ!!




男だったら


どっしり構えて


てめぇの惚れた女一人くらい、守ってやれよ!!」




彼のその言葉は


心の奥にガツンと響いた。




確かに、俺は今まで


いつもどこかで


この年の差のせいで


九条に嫌われるのではないかと


ビクビクしていた。



俺が、、


俺自身が作っていたんだ。


九条と俺の間の壁を。



そして、一番大切なことを見逃していた。





彼女、時々言っていた。


俺が彼女のことを女性としてみているのかと。



どこかで構えていたのかもしれない。


俺は先生であいつは生徒。


彼女を本当のパートナーとしては扱っていなかった。


男と女にはなっていなかったんだ。




彼女に触れるのが怖かった。


消えそうで怖かったんだ。



しかし、彼女はいつもそこにいて


消えないよって懸命にメッセージを出していたと言うのに…。



俺は…。




自分が情けなかった。


俺は人目も憚らず


その場で深々と頭を下げた。



「いきなり声をかけて、


失礼なことを言って申し訳なかった。


確かに君の言うとおりだ」


俺がそう言うと



彼は


「守ってやれないなら


もう美桜に近づかないでくれ」



そう言って


彼女と街の中へ消えて行った。





全く彼の言うとおりだった。





俺はどこまで情けないんだ。



なぜ九条が他の男と付き合っているなんて


簡単に信じてしまったんだろう。



今までの九条を見ていれば、


そんな事があるわけないことくらいわかったはずなのに。




今まで九条の何を見てきたんだろう。



_________________________




結局俺は自分のマンションに帰ってきてしまった。





玄関のドアを開けようと


鍵穴に鍵を差し込んだ時だった。



鍵が開いていた。




!!



鍵を閉め忘れた??




俺はごくんと息をのみこんで


その扉を音をたてないように開けた。


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続く

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