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症例と解説 | かわせカイロプラクティック

症状に対する私なりの考え方や症例の解説などを書いています。

私がとても参考にしているベンリンチ博士によると、香水や柔軟剤などの化学物質の臭いに敏感な人に最も関係がある遺伝子はGPXとGSTだそうです。

GST遺伝子の主な機能は、GST酵素(グルタチオンSトランスフェラーゼ)を作り、農薬、除草剤、重金属などの有害物質をグルタチオンを使って解毒する事です。GPX遺伝子の主な機能は、GPX酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)を作り、活性酸素種の1つである過酸化水素をグルタチオンに結合させ処理する事です。

ベンリンチ先生は、「遺伝子が汚れている」という独特の表現をしますが、GPXとGSTの遺伝子が汚れる原因として以下のような事を述べています。

  • 多くの工業用化学物質、重金属、細菌毒素、プラスチックに晒される事
  • ストレス。ストレスはメチル化サイクルに必要な栄養素やグルタチオンを作るために必要な原料を多く消費します。
  • メチル化サイクルの乱れ。(メチル化を簡単に説明する事は難しいので、ここでは説明しません)
  • リボフラビン(ビタミンB2)の不足。リボフラビンは酸化型グルタチオンを還元型グルタチオンに再生する働きがります。
  • セレンの不足。GPX酵素が過酸化水素を除去するためにはセレンが必要です。
  • システインの不足。システインはグルタチオンの前駆物質です。

私の場合、これらの事はARテストによって確認し、必要なサプリメントのアドバイスや心理療法など提供しています。自己判断でサプリメントを追加する事はおすすめしていません。

※化学物質過敏症については↓こちらのページで詳しく解説しています

 

 

 

 

これは、アメリカのテレビ映画『テンプル・グランディン~自閉症とともに』の紹介動画です。
この動画では、自閉症の主人公が身体志向のアプローチを自分でみつけて落ち着くシーンがあり興味深いです。例えば以下のようなシーン
  • 自閉症なので人触れられるのが極度に嫌なのに、なぜか動物に触れると落ち着くシーン
  • 牛を圧迫する装置で自分を圧迫するとハグをされたような感覚になって落ち着くシーン。(でも人にハグをされるのは嫌い)
  • 人に触れられるのを極度に嫌がるのに、視覚障害者のルームメイトとのスキンシップで次第に安定していくシーン
  • 自閉症の子がクルクル回り続けているのを見て、自ら落ち着かせようとしているためだと説明するシーン
最後に「私はただ違うだけで、劣っていません」と言う素晴らしいシーンがあります。
 
特に日本人は「人と同じ」という事で安心し、「人と違う」という事を恥じる文化がありますよね。「他の人と同じ」という事が規律を守る事に役立っている反面、人と違うという事で自己肯定感が低くなったり、他と違う人を見ると馬鹿にしたり差別したりするデメリットもあります。
 
「人と違う」という不安や恐怖がトラウマになっている人は、身体感覚からアプローチする心理療法で解決する事ができます。
 
※これは著作権を無視したファスト映画ではないようなので皆さんにシェアしました。


体内に溢れた過剰なヒスタミンはアレルギーと同じ症状を示すため「仮性アレルギー」とも言われますが、それだけでなく以下のような多彩な症状の原因となっています。そしてヒスタミン不耐症を改善するためには栄養療法や心理療法によってメチル化にもしっかりアプローチする事が必要になります。

関節炎や関節リウマチ
ヒスタミンは炎症反応を刺激し関節炎を起こしやすくします。またヒスタミンは関節リウマチの特徴である滑膜細胞の異常増殖を促しています。

片頭痛
過剰なヒスタミンが血管を拡張させ頭痛を起こします。ですから抗ヒスタミン薬が片頭痛の薬として使用されています。

気象病
ヒスタミンは気圧の変化にも反応して分泌されます。ですから、元々ヒスタミンが過剰な体質の人ほど気象病が出やすくなります。

アトピー
ヒスタミンは表皮ケラチノサイト分化を抑制し皮膚バリア機能を障害します。また発汗を抑制するため乾燥肌になったり、かゆみが生じ皮膚を掻く事で炎症が増大します。

乗り物酔い(動揺病)・吐き気
高レベルのヒスタミンは嘔吐反射にも関わっています。なので市販されている乗り物酔いの薬にはヒスタミンの作用を抑える作用があります。

食欲不振
ヒスタミンは満腹中枢を刺激し食欲を低下させる働きがあります。

胃酸逆流
ヒスタミンは胃酸の分泌を過剰に刺激し胸焼けを生じさせる事があります。ですから胃薬にもヒスタミンの作用を抑えるがあります。

悪阻(つわり)
アメリカでは悪阻の薬として抗ヒスタミン剤を混合した薬が使用されています。体内のヒスタミン量を減らす自然療法が"つわり"にも有益なのか、それについては、まだしっかりしたエビデンスはありませんが、おそらく有益だろうと考えられます。

不眠
脳内のヒスタミンは覚醒作用があるのでヒスタミンの作用が強すぎると不眠になります。ですから睡眠改善薬にも抗ヒスタミン剤の一種が使われています。

 

↓こちらのページでヒスタミン不耐症について詳しく解説しています。

 

 

 

トラウマは化学物質過敏症の様々な原因の1つです。私は化学物質過敏症のほとんどの方にトラウマが関係していると思います。

私の所に来る化学物質過敏症の方に聞き取りしてみると、化学物質過敏症や電磁波過敏症になる前から何らかの体調不良があり、体調を良くしたい気持ちから身体に悪そうなタバコの煙や添加物や電磁波をストイックに排除しているうちに、化学物質や電磁波に対する強迫観念(強い不安や恐怖)が成立しトラウマ化した人が多いかなと思います。

そのようにして化学物質のトラウマが成立してしまうと、化学物質に暴露された時の事を思い出すだけでも、ドキドキする、汗が出てくる、身体がこわばる、舌が痺れる、頭に霧がかかる、など様々な落ち着かない身体感覚が出ます。何故なら、トラウマ記憶は身体感覚として保存されているからです。つまり 身体感覚→ネガティブな感情→ネガティブな思考 という連鎖反応が起きているのです

トラウマセラピーでは「タイトレーション」や「ペンデュレーション」というテクニックを使って非常に安全に取り組みます。「タイトレーション」とは、巨大なエネルギーをもったトラウマを小さく切り崩して、扱いやすい大きさにして取り組む方法です。「ペンデュレーション」は、トラウマに意識を釘付けにするのではなく、安心・安全を感じられるもの(リソースといいます)にも意識を向けながら、同時にトラウマにも意識(=好奇心)を向ける方法です。この2つのテクニックによってトラウマがもつエネルギーをリソースで包み込むようにする事ができ、トラウマに圧倒される事なく安全に取り組む事ができます。

しかし化学物質過敏症はトラウマだけが原因ではなく、化学物質過敏症を発症する以前からあった体調不良も化学物質過敏症の原因です。ですから、それらにもアプローチする必要があります。例えば、副腎疲労や甲状腺機能低下やヒスタミン不耐症などを元々持っている人が多いでしょう。


↓化学物質過敏症についてはこちらのページで詳しく解説しています

 

 

 

ヒスタミン不耐症の原因として高ヒスタミン食だけが原因であるような説明をされる事が多いのですが実は他にもあります。ヒスタミンの症状が出るのは、体内のヒスタミンを増加させる要因が大きすぎたり、ヒスタミンを分解する能力が低い場合です。

ヒスタミンを増加させる要因には、高ヒスタミン食、ストレス、腸内細菌異常、花粉やハウスダスト、アレルギー、乗り物での動揺、気圧の変化、エストロゲンなどがあります。これらの要素が複数絡み合って許容量(=ヒスタミンバケツの容量)から溢れるほどヒスタミンが増加した時にヒスタミンの症状が出るのです。食物アレルギーや季節性アレルギーがあってもヒスタミンバケツの容量に余裕があれば症状が出にくくなるでしょう。

そのヒスタミンバケツの容量はヒスタミンを分解する酵素の働き具合によって決まります。ヒスタミンを分解する酵素にはDAO(ジアミンオキシダーゼ)とHNMT(ヒスタミンNメチル基転移酵素)の2つがあります。それぞれ作用する場所が違っていて、DAOは細胞外、HNMTは細胞内で作用します。DAOは健全な腸粘膜の細胞から分泌されるので腸内環境を良くするアプローチが必要になります。HNMTはメチル化酵素なのでメチル化のアプローチが必要になります。

 

↓こちらのページでヒスタミン不耐症についてさらに詳しく解説しています

 

 

水分は食事の水分も含めて2.5リットルくらいは必要です。水分不足があるとARテストの反応も悪くなるので、私は最初に水分不足を調べるようにしています。また水分と電解質の不足を解決せずに栄養療法を行っても効果は出にくいでしょう。

しかし、水分摂取を意識しているにもかかわらず、私の検査でほぼ毎回のように水分不足の
反応が出る人がいます。そういった場合に「飲んでいるのに何で?」と不思議がるクライアントがいますが、その原因として考えられるのは以下の通りです。

  • タンパク質不足
  • 電解質不足(特に塩)
  • 筋肉不足


これらは体内に水分を保持する働きがあるので不足すると慢性的な水分不足になります。電解質とタンパク質をしっかり摂取したり、筋トレをして筋肉を増やすと慢性的な水分不足になりにくくなります。

その他に、水分摂取の意識がないために水分が不足している人もいます。その原因としてよくあるのは以下の通りです。

  • 食が細く食事の全体量が減っているため食事に含まれる水分が不足している
  • 嚥下障害があり水を飲むのが大変なためあまり飲まない
  • 喉が乾かないから飲まない(老化によって喉の乾きを感じにくい)
  • トイレが近いので飲まないようにしている


このような人達は意識して水分を摂取する必要性があります。

一般の方にとって血糖値の問題が判明するのは健康診断で高血糖になっている時です。そして通常、低血糖の事が問題にされるのは糖尿病で血糖値を下げる薬を使っている人でしょう。しかし実際は健康診断で血糖値に異常が無くても、ましてや糖尿病ではなくても、血糖値の異常があり、低血糖を起こしている謂わば「隠れ低血糖」の人がとても多い事がよく知られるようになってきました。
隠れ低血糖には、食後高血糖から食後低血糖に転じる反応性低血糖や、長時間何も食べない時(特に就寝中)に起こる空腹時低血糖があります。日中に低血糖になる人は食後の眠気やだるさを感じる事が多く、夜間低血糖の場合は朝起きられなかったり、熟睡できない事による日中の倦怠感やうつ症状がでる事が多いでしょう。恐らく起立性調節障害も夜間低血糖の症状だと思います。
低血糖から高血糖に急上昇する時のアドレナリンやノルアドレナリンの作用によって緊張やイライラなどの交感神経症状がでる事もあります。もしそれが夜間に起これば悪夢を見たり、食い縛り、寝汗をかいてうなされたり、起床時の頭痛などの症状が出ます。
食後低血糖の最大の原因はインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性です。インスリン抵抗性を改善するには、慢性炎症、肥満/過食、運動不足/筋肉不足、腸内細菌異常/短鎖脂肪酸不足、酸化ストレスなどにアプローチします。その他、イノシトール、マグネシウム、カルシウム、ビタミンD3、Rリポ酸などはインスリン抵抗性改善効果があります。恐らくこの中で最も効果的なのは運動をして筋肉をつける事じゃないかなと私は思います。
糖尿病ではない人の空腹時低血糖の最大の原因は副腎疲労です。副腎疲労を改善するには、慢性的な低栄養状態、慢性炎症、ストレスなどに対してアプローチをする事が重要です。特に長時間何も食べなかったり摂取カロリーが不足している慢性的な低栄養を無くすことが最も重要でしょう。慢性的な低栄養の原因として食欲不振が関わっている事が多く、その原因として、機能性ディスペプシア、ヒスタミン、コレシストキニン、オルトレキシア、痩せ願望などがあります。このタイプの人が断食や厳しい糖質制限をすると悪化するでしょう。

↓こちらのページでさらに詳しく解説しています

 

コレシストキニンは満腹中枢を刺激し食欲を抑制する働きがあるホルモンです。主に消化に時間がかかる脂肪やタンパク質を食べた時に小腸から分泌されます。コレシストキニンは膵酵素や胆汁の分泌を刺激して脂肪やタンパク質の消化を促しながら、消化能力を超えた量の食べ物が一気に胃から十二指腸に送り込まれないようにするために、胃排出(胃から十二指腸へ食べ物を排出する事)のスピードを遅くする働きもあります。

もし消化力が悪いために未消化の食べ物が腸内に小腸に長く留まっていると、コレシストキニンの分泌も続きます。その間は満腹中枢が刺激され、胃排出も抑制されたままになるので、食欲が無くなったり胃もたれをおこします。またコレシストキニンには噴門(胃の入り口)を開く作用もあるので、胃食道逆流症(GERD)の原因にもなります。プロテインを飲むと胃が苦しくなるから飲みたくないという訴えをよく聞きますが、恐らくこれもコレシストキニンの働きによるものでしょう。

コレシストキニンによる食欲抑制を解除するには膵酵素や胆汁の分泌を良くします。特に胆汁の分泌を良くするアプローチがポイントになります。私の場合はARテストでしっかり調べてから必要なサプリメントをアドバイスしています。自己流でサプリメントを飲む事はお勧めしていません。

胆汁の分泌が悪い人のサイン

  • 胆汁にはコレストロールの排泄作用があるため、胆汁の分泌が悪いと痩せているのにLDLコレステロール値が高くなる事があります。
  • 胆汁には便を柔らかくしたり腸の蠕動運動を高めて便通を良くする働きがあるため、胆汁の分泌が悪いと便秘になる事があります。
  • 胆汁には小腸や胆管での殺菌作用があるので、胆汁の分泌が悪いとSIBO(小腸内細菌増殖症)になる事があります。SIBOになると小腸で発生した大量のガスによりお腹が苦しくなります。
  • 胆汁にはビリルビンという色素が含まれているため、胆汁の分泌が良いと便の色は黄みを帯びた茶色になります。しかし胆汁の分泌が悪いとこのような健康的な色にはなりません。
  • 胆汁の分泌が悪いと脂肪を吸収できないため水に浮く脂肪便となる事があります。また脂肪便のために便臭がする事があります。
  • 胆汁の分泌が悪いと血清ビリルビン値が増加し、ビリルビンの末梢神経刺激作用により強いかゆみを生じる場合があります。
  • 胆汁の分泌が悪く「うっ滞」した状態が続くと肝臓が悪くなります。

 

このページで更に詳しく解説しています

 

 

一般的には「食事を充実させればサプリメントは必要ない」とされています。ですからサプリメントをたくさん飲んでいる人は家族や友人から心配されたり忠告されたりする事もあるでしょう。また必要なサプリメントが多い人は、一時的ならいいけどずっと飲み続けるのは嫌だと思う人もいるでしょう。
 
必要なサプリメントが多い人は、食事が充実していなかったり、遺伝的に不足する栄養素が多かったり、ストレスに弱い人です。ですから、食事を充実させたり、ストレスを減らすか心理療法でストレス耐性をあげたりすると必要なサプリメントは減ります。しかし、遺伝的な問題をカバーするサプリメントや老化をカバーするものは使い続ける事をおすすめしています。
 
問題が解決すれば減らせるサプリメント →(1)~(3)
使い続ける事をおすすめしたいサプリメント →(4)~(8)
 
(1)食事から十分に摂取可能だが不足しがちな栄養素
 例:マグネシウム、葉酸、コリン、イヌリン、タンパク質など
 食事を充実させればいつでも不要になる
 
(2)ストレスによって枯渇しやすいもの
 例:ビタミンC、メチオニン、メチル葉酸、マグネシウム、亜鉛、NAC、グルタミン、ベタインHCL(胃酸の代わり)
 ストレスが無くなるか、心理療法によってストレス耐性がつくまで続ける。ストレスが強い日だけ摂取しても良い。
 
(3)期間限定で使うべきもの
 例:除菌するためのハーブサプリメント類、鉄
 これらは飲み続けると良くないので、必要が無くなったら中止する。
 
(4)更年期や老化などの問題を補うもの
 例:ビタミンD3、ビタミンK2、NAC、CoQ10
 
(5)遺伝的な問題をカバーするための栄養素
 例:亜鉛、ビタミンB6、メチル葉酸、NAC、ホスファチジルコリン
 
(6)飲まなくても良いがパフォーマンスを上げるために役に立つもの
 例:BCAA、クレアチン、グルタミン
 スポーツ選手などは積極的に使う必要がある
 
(7)病気のために不足するもの
 例:胃の切除:メチルコバラミン
 例:コレステロールを抑える薬を使っている人:コエンザイムQ10、ビタミンD3
 
(8)ベジタリアン、ビーガンに不足しやすい栄養素
 例:ビタミンB12、コリン、メチオニン
 

起立性調節障害の実態はおそらく副腎疲労でしょう。なので当院における起立性調節障害のアプローチは副腎疲労症候群とほぼ同じです。しかし起立性調節障害と診断されて当院にくる子供は特に低体重と貧血が目立ちます。身長と体重から算出するBMI指数では18.5未満で「痩せ」という判定になりますが、起立性調節障害の子供は17未満の「痩せ気味」や16未満の「痩せすぎ」の子も珍しくありません。起立性調節障害における疲労感は、エネルギーの消耗を防いで今以上に痩せないようにするための防御反応であると考えられます。

起立性調節障害ではちゃんと食べて標準体重に近づける必要があります。しかし多くの場合、食欲が無く食べられない、あるいは食欲はあるけど食べると胃腸が苦しいといった問題があります。また貧血の子供に何の準備もなくいきなり鉄剤を補給すると体調は悪化する事もあります。最初にやるべき事は、食欲が無い原因や食べると胃腸が苦しくなる原因にちゃんとアプローチする事が必要です。

食欲不振や食べると気持ち悪い原因には脳内のヒスタミンによる満腹中枢や嘔吐中枢の刺激や、ストレスや炎症による機能性ディスペプシアがあります。鉄を摂取していても鉄不足になる原因は活性酸素、それからカンジダや細菌などがあります。

栄養療法

メチル化が不十分な状態(低メチル化)ではヒスタミンの分解が低下するため過剰なヒスタミンによって満腹中枢や嘔吐中枢が刺激され食欲が低下します。また、低メチル化ではシナプス間隙のセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が減少するため不安が強くなったりやる気が起きなくなります。メチル化でよく使うサプリメントはメチオニン、SAMe、亜鉛、メチルコバラミン、メチル葉酸、P5Pなどです。

しかしメチル化にいきなりアプローチしても成功しません。栄養療法においては基本的な事からスタートします。具体的には、水分と電解質の補給(細胞の健全な働きに必須)、酸化ストレス対策、解毒、細胞膜の修復、ミトコンドリアの活性化、リーキーガット、腸内細菌など腸内環境の改善、消化を良くする(胃酸・消化酵素・胆汁などの分泌)など。鉄が不足している人には酸化ストレスを減らしたり腸内環境を整えてから補給を開始します。

心理療法

親が子供の事でイライラしやすかったり、子供の事を憂いて落ち込んだり、受験や定期テストなどで「今さえ乗り切れってくれれば・・・」と期待していると子供の起立性調節障害は悪化します。子供は親から落ち着かせてもらうという体験を繰り返す事によって自分で自分を落ち着かせる事ができるようになります。しかし親の自律神経が落ち着いていなければ我が子を落ち着かせる事はできないでしょう。その場合は親もセラピーを受けて自律神経を落ち着かせる必要があります。

子供の心理療法でまず取り組むべき事は、ストレスのない状態ではしっかり落ち着いている状態を目指すセラピーです。それができてから身体志向のトラウマセラピーを開始します(考え方や感情にアプローチする従来の心理療法だけではあまり効果がない)。トラウマセラピーは回数をかなりかけて非常にゆっくり取り組む必要があります。短期間でやろうとすればするほど逆効果です。スロー・イズ・ファスト(ゆっくりやるのが早い)が大切だという事を親子でしっかり理解しておく事が大切です。

 

こちらのページで起立性調節障害について詳しく解説しています