「近畿三十六不動巡り」四天王寺亀井不動。近畿三十六不動第一番札所。四天王寺亀井不動は四天王寺の中心の六時堂の南に亀井堂がある。亀井堂は地下に大きな石亀の水盤があって、その口から清水が湧き出ている。この水に回向を済ませた経木を流し習わしである。亀井不動は亀井堂のすぐ横にある。お不動様身の丈四・五十CMほど小さな石像である。参詣者が絶え間なく水をかけるのでにで乾く間もなく苔がびっしりと生えている。毎月二十八日には不動尊の供養が行われる。 一番 四天王寺

名前だけは幾度も耳にしたことのある大阪南部、四天王寺へ、南大門から入った途端、三万三千坪ある広大さと、中心伽藍の荘厳さに、思わず足が止まってしまいました。聖徳太子が創建した日本最初の仏教寺院。

でも、こんなに広い境内のどこに、亀井不動様が? 大勢の参拝者と挨拶を交わしながら歩いて行くと、石舞台の下の亀の沢山いる池の近くにいらっしゃいました。

五十センチほどの小柄な石仏で、不謹慎にも「かわいい!」と、思わず言ってしまいました。水かけ不動尊ゆえ、お体中が緑苔に包まれているせいか、憤怒(ふんぬ)のお顔をされていても、身近さをとても感じます。だからでしょうか。いつも参拝者が後を絶ちませんが、休日になると、列さえ作っています。

ちなみに私は、池の反対側「六時堂」の薬師如来様の凛としたお姿も大好きです。南大門から入ると荘厳さを感じますが、中之門から入ると、慈悲の心に目覚めます。やはり境内に存在する全てが、深い意味を携えているのでしょう。中之門から出入りする時、無意識のうちに手を合わせています。