『歴史古代豆知識』89・道教(どうきょう)中国三大宗教 (儒教,仏教,道教) の一つ。道家,道学ともいう。中国古代の神仙思想を母体に,陰陽五行説,道家思想を加え,さらに仏教の影響をも受けて組織化された。後漢末 (2世紀末) ,張陵や張角によって創始された五斗米道や太平道は,呪術的な治病を中心とし,民衆に信仰されたが,六朝時代になると,仏教との抗争を通じて上記の各種思想をその体系内に組入れて教義を確立し,貴族間にも信仰されるようになった。5世紀,北魏の寇謙之の新天師道にいたって教団組織が確立され,儒仏二教に対抗して「道教」という術語が成立した。唐代には王室と結んで栄え,やがて全真教に代表される新道教も誕生した。現在はおもに台湾や東南アジアの中国人の間で信仰されている。