「戦後日本の記憶と記録」(全307回)64“”集中排除法”(しゅうちゅうはいじょほう)第2次世界大戦後,占領軍による経済民主化政策の一環として,1947年12月18日に公布施行され,55年7月25日に廃止された法律で,正確には過度経済力集中排除法という。初期占領政策では,特殊日本的な独占組織である財閥の解体と並行して,一般的な反独占政策が進められたが,将来における独占の復活を防止する目的で制定されたのが独占禁止法であるのに対して,既存の独占的大企業の分割を意図したのが本法である。当初,経済力集中排除法案として1947年10月9日に国会に提出されたが,日本の産業界ならびに占領政策の転換を背景としたアメリカ国内での批判が強く,国会審議は難航し,会期末日の12月9日,国会の時計を止め,原案の頭に〈過度〉の2字を加えてようやく成立した。