「京都古社寺探訪」城南宮・城南宮は京都市伏見区にある神社で式内社である。旧社格は府社「方除大社」として知られている。祭神は息長帯日売命(神功皇后)八千歳神(大国主神)国常立尊に他に天照大神・品陀別命・別雷神・大山咋・天児屋根命・宇気毛智神を祀る。平安遷都に際し、平安城の南に祀るお宮、国土安泰王城鎮護の意味から祈願された。当時は朱雀大路から羅城門から南に延長した所に城南宮があって、鴨川と桂川の合流にある重要な要所、この地に白河天皇や鳥羽上皇は「鳥羽の水閣」と呼び城南離宮を築き院政を敷いた。代々天皇の行幸がなされた。熊野詣の際にも旅の安全を願い「方違え」の旅所を定めた。離宮内の御堂や九体阿弥陀堂、上皇の陵墓の三重の塔で仏事を重ねらえた。応仁の乱では荒廃をしたが江戸時代になると復興された。幕末の文久三年(1863)孝明天皇の攘夷祈願の行幸が行なわれた。慶応四年(1868)の鳥羽・伏見の戦いの主戦場になったのも、この地である。