『歴史古代豆知識』48・庚午年籍(こうごねんじゃく)天智9 (670) 年庚午の年につくられた戸籍。古代においては,一般の戸籍は6年ごとに作成され,30年を経ると廃棄される規定であったが,庚午年籍は永久保存とされた。しかも,この年が『近江令』施行の年でもあったから,これにならってつくられたものと思われる。奈良,平安時代には,近江令と同様に重視され,永久保存,姓氏を正す原簿として重んじられた。日本の戸籍は大化以前からつくられてはいたが,制度化されたのは大化改新のときである。庚午年籍は,大化以後につくられた戸籍のうち,整ったものとしては最も古いものである。各階層でほぼ全国にわたって施行された。