「西国観音三十三所巡り」正法寺(岩間寺)西国観音十二番札所・滋賀県大津市石山内畑町にある真言宗醍醐派の寺院。本尊は千手観音、開基は加賀白山を開いた泰澄である。西国三十三所観音霊場第十二番札所の他、ぼけ封じ観音第四番札所となっている。正法寺は、十一番上醍醐の東方約4キロ、十三番石山寺の南西約4キロ、滋賀と京都との府県境の一部をなす岩間山(標高443m)上に位置する。縁起によれば、元正天皇の病気平癒祈願に功のあった泰澄が養老六年(722年)、岩間山中の桂の大樹から千手陀羅尼を感得し、その桂の木で等身の千手観音像を刻んで、元正天皇の念持仏である金銅千手観音像をその胎内に納め祀ったのが当寺の初めとされる。本堂は、天正五年(1577年)に再建されたもので、寛永年間に解体修理された。当寺には山門は現存していない。 本堂脇の不動堂は度々建て替えが行われており、現在は平成五年(1993年)のもの。 本堂前には泰澄が最初の本尊を刻んだ後の切り株から再び芽生えたと言われる桂の樹があり、霊木とされている。</font>