『浪速史跡めぐり』大阪府立中之島図書館・大阪の中之島は近代建築の文化財宝庫である。代表的中央公会堂と、昭和五十四年に建て替えられた大阪市役所とも間に、大阪府立中ノ島図書館がる。ギリシャはパルテノン神殿を思わせる様式で、正面玄関の円柱と階段、銅板葺きのドーム上の屋根が重厚感を漂わせている。中之島図書館の本館は明治三七年に第十五代住友吉左衛門氏の寄付によって造られた。設計は住友家の建築技師長の野口孫市によって、外観はルネッサンス様式を、内部の様式はバロック様式基本として格調高い優れたデザインと評価され、中央ホールの天井はヨーロッパの教会風のデザインで正面のコリント円柱はギリシャ神殿を思わせる。その後、大正11年には住友家の寄付に、日高胖氏の設計による本館の両翼が拡張されほぼ現在の形になった。昭和四十九年には国の需要文化財にしてされた。