(その2)2/10【火】川又三智彦社長の経済情報 ツカサは年金問題,特別会計,人身事... | 経済日記

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 すでに半導体分野では再編を目指す動きが表面化しており、どの程度本格的な形に発展するかは予断は許さないが、未曾有(みぞう)の不況の推移が業界再編を摸索する動きに大きな影響を与えることは間違いなさそうだ。
 (ロイター日本語ニュース、浜田健太郎;編集 田巻 一彦)


最終更新:2月9日19時6分


★★★今期赤字企業、東証1部で240社=主要企業に巨額計上相次ぐ--時事通信社集計
2月9日19時1分配信 時事通信


 東証1部上場で2009年3月期(今期)に純損益で赤字に落ち込む見通しの企業が240社に上ることが9日、時事通信社の集計で分かった。全体の3割近くが赤字となる公算だ。世界的な景気後退と円高が輸出産業を直撃しており、日本を代表する主要企業で巨額赤字の計上が相次いでいる。
 調査対象は9日までに4~12月期(第三・四半期)連結決算を開示した857社(金融を除く)で、3月期決算企業の70%強に相当。再編・合併などで前期と比較できない企業は除外した。
 1000億円以上の赤字を計上しているのは10社でこのうち電機が6社、自動車が2社と輸出企業の不振が目立つ。赤字幅が最も大きいのは日立製作所の7000億円。本業の不振のほかに、リストラ費用や半導体子会社の投資損失、株式評価損などを計上する。自動車業界では、トヨタ自動車と日産自動車がともに世界的な販売不振で生産調整などを強化、大幅赤字に落ち込む見通しだ。 

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最終更新:2月9日19時4分

★★★日本経済は過去経験ないようなスピードで悪化=日銀調統局長
2月9日18時40分配信 ロイター


 2月9日、日銀調査統計局長は、日本経済が過去経験のないようなスピードで悪化しているとの認識を示した。写真は東都内でか傘をさす男性。先月撮影(2009年 ロイター/Yuriko Nakao)

 [東京 9日 ロイター] 日本銀行の門間一夫調査統計局長は9日、日本記者クラブで講演し、日本経済について、少なくとも過去40─50年の中で経験したことがないようなスピードで悪化している、と厳しい認識を示した。
 その上で、実質GDP成長率について「10─12月期はこれまでの常識では考えられないような大幅なマイナス成長になる可能性がある。1─3月期も10─12月と同等か、場合によってはそれ以上の大幅なマイナスになる可能性を意識せざるを得なくなってきている」と、日本経済が深刻な状況にあるとの見方を繰り返した。
 門間局長は景気悪化の背景にある生産の動きについて「在庫調整が完了して、生産が回復するまでにはまだかなり時間がかかる」と指摘。「年後半にならないと生産がはっきり増加に転じていくということになかなかなりにくい」との見通しを示した。ただ「そうなるかどうかも世界経済次第という側面が強いために、不確実性が大きい状況にある」とも付け加えた。
 さらに「日本を含め各国でさまざまな対策が講じているが、トンネルの出口はまだ見えてきてはいない」とも強調。世界経済の先行きについて「2009年の後半頃には下げ止まってきて、2010年に回復するというシナリオには一定の合理性がある」としながらも、「本当にそうなるかどうか、また回復するとして、そのペースはどうかということについては、ダウンサイド、アップサイドの両面で不確実性が極めて高い」と警戒感を示した。
 (ロイターニュース 志田義寧記者)


最終更新:2月9日18時40分


★★★米金融安定化策、民間部門による不良資産買い取りも=米紙
2月9日17時58分配信 ロイター

 2月9日、ニューヨーク・タイムズ紙が政府高官の話しとして伝えたところによると、10日に発表される米金融安定化策は民間部門による一部不良資産買い取りも。写真は昨年10月、米連邦議会議事堂前で(2009年 ロイター/Kevin Lamarque)

 [9日 ロイター] オバマ米大統領が10日に発表する米金融安定化策は、ヘッジファンドやプライベート・エクイティー、保険会社などの民間部門が、ある程度の不良資産を買い取ることが盛り込まれる見通し。
 ニューヨーク・タイムズ紙が政府高官の話しとして伝えた。
 政府高官によると、民間部門の利益追求の動きが不良資産のための市場形成につながることが期待されている。また、買い取りに躊躇(ちゅうちょ)する投資家を後押しするため、政府が最低価格を保証する。
 不良資産の価格設定に民間部門が関与し、資産価値が低下し続けるというリスクをある程度取ることで、銀行システムの信頼感回復につながることを期待しているという。また、公的資金を使い、最終的な価値よりもかなり高い、もしくは低い価格で政府が直接資産を買い取るという政治的に慎重な対応が求められる方法を回避する狙いもあるという。
 政府当局者からのコメントは得られていない。


最終更新:2月9日17時58分

★★★1月の倒産件数は前年比15.8%増、1月としては6年ぶりの高水準
2月9日17時13分配信 Business Media 誠



産業別の倒産件数と負債額

 東京商工リサーチが2月9日に発表した1月の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は、前年同月比15.8%増の1360件となった。これで8カ月連続で前年同月比増加となり、1月としては2003年(1444件)以来6年ぶりに1300件を上回った。「前年同月比は2カ月連続で2ケタ増となり、倒産増の傾向に歯止めがかかっていない」(東京商工リサーチ)としている。

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 負債総額は同44.3%増の8389億9100万円で、5カ月連続で前年同月を上回った。特に負債100億円以上の大型倒産が同128.5%増の16件(前年同月7件)となり、負債を押し上げた格好だ。

 倒産件数を産業別で見ると、増加率が最も高かったのは「製造業」で37.8%増(169件→233件)、次いで「不動産業」(32.0%増、50件→66件)、「金融・保険業」(18.1%増、11件→13件)、「建設業」(16.8%増、309件→361件)、「卸売業」(15.5%増、167件→193件)、「サービス業ほか」(12.3%増、219件→246件)、「小売業」(5.3%増、150件→158件)と続いた。逆に減少したのは「農・林・漁・鉱業」(40.0%減、10件→6件)、「情報通信業」(11.1%減、45件→40件)の2産業だった。

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最終更新:2月9日17時13分


★★あおみ建、継続企業の前提に「重要な疑義」
2月9日17時2分配信 ロイター


 [東京 9日 ロイター] あおみ建設<1889.T>は9日、2009年3月期第3四半期決算短信の継続企業の前提に「重要な疑義が存在する」と注記することを決議したと発表した。
 海外大型工事の請負金増額交渉の長期化により海外建設事業の採算が大幅に悪化するほか、過年度に受注した低採算工事が完成期を迎えたことで業績が悪化。こうした状況を解消するため、合理化費用等を特別損失として計上することから、2009年3月期は当期損益が赤字になるという。同社は、2011年度に当期利益6億円を計上できる収益体質を構築するため、コア事業での経営資源投入や不採算事業の整理縮小を進める方針。


最終更新:2月9日17時2分


★★★1月の倒産、6年ぶり高水準=負債総額は44.3%増--商工リサーチ
2月9日17時1分配信 時事通信


 東京商工リサーチが9日発表した1月の全国企業倒産件数(負債1000万円以上)は前年同月比15.8%増の1360件と8カ月連続で前年を上回り、1月としては6年ぶりの高水準となった。負債総額は同44.3%増の8389億9100万円。「大型倒産が増加し、負債総額を押し上げた」(商工リサーチ)という。
 建設・不動産業に加え、自動車や電機関連など製造業の倒産の増加が顕著となった。倒産企業の従業員数は約1万9400人と、2002年3月以来の高水準。上場企業では不動産投資業、クリード(東京)など4件が倒産した。また、負債が100億円を超える大型倒産は16件(前年同月7件)発生している。 

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最終更新:2月9日17時4分


★★★ 経常黒字34.3% 20年、過去最大 輸出急減 国際収支速報
2月9日16時59分配信 産経新聞


 財務省が9日発表した平成20年の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引を示す経常収支の黒字額は前年比34・3%減の16兆2803億円となり、比較可能な統計のある昭和60年以来、減少幅は過去最大となった。黒字幅の縮小は3年ぶり。

 世界的な不況で輸出が昨年秋以降に急減し、輸入を差し引いた貿易収支が減少したのが主な要因。外需に依存する日本経済への深刻な打撃が鮮明になった。

 同時に発表された昨年12月の経常黒字額は1254億円と、前年同月比92・1%の大幅減で、過去最大の落ち込みだった。

 20年の貿易黒字は前年比67・3%減の4兆338億円で、こちらも過去最大の減少額。海外投資から受け取る利子・配当などの所得収支も3・0%減の15兆8324億円だった。

 一方、20年の輸出は7年ぶりに減少し、前年比3・0%減の77兆3522億円。リーマンブラザーズの破(は)綻(たん)に伴う金融危機が拡大した10月以降に急減速した。日本の主力輸出品の半導体電子部品、自動車が落ち込んだ。輸入は原油価格の高止まりなどで6年連続で増加。8・8%増の73兆3184億円で過去最大を更新した。

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最終更新:2月9日16時59分


★★コスモスイニシア、継続企業の前提に「重要な疑義」
2月9日16時56分配信 ロイター


 [東京 9日 ロイター] コスモスイニシア<8844.Q>は9日、2009年3月期第3四半期決算短信の継続企業の前提に「重要な疑義が存在する」と注記することを決議したと発表した。
 不動産市況の急激な悪化に伴い事業計画の見直しを実施したことで、業績が悪化。複数の金融機関と締結しているコミットメントライン契約をはじめとした各シンジケートローン契約の財務制限条項に抵触する見込みとなった。同社は、業績回復を早期に実現するための経営計画を策定しており、金融機関からは、期限の利益喪失の請求は行わない、との連絡を受けているという。 


最終更新:2月9日16時56分


★★★米政府、GSE活用した新たな借り手救済策を策定=関係筋
2月9日15時54分配信 ロイター

 2月8日、関係筋によると、米政府はGSE活用した新たな借り手救済策を策定。写真は昨年9月、フレディマックで(2009年 ロイター/Jason Reed)

 [ワシントン 8日 ロイター] オバマ米政権は、現在政府の管理下にある住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を使って借り手の負担を軽減させるという住宅ローン救済策を策定している。
 これによって民間の金融機関にも同様の措置を追随させたい考え。関係筋が明らかにした。
 関係筋によると、前週末に財務省、住宅都市開発省の各当局者がファニーメイとフレディマックの監督当局と、救済対象の基準作りに取り組み、いかに他の金融機関を救済策に追随させるかについて協議。財務省が複数の案をメリットとコストの観点から検討しているという。
 ファニーメイとフレディマックはここ1年、住宅差し押さえ防止策を打ち出してきたが、救済された借り手は少数にとどまっている。
 当局は、対策の足を引っ張ってきた面倒な手続きをなくし、厳格な条件を緩和したいと考えている。
 ある業界筋は「当局者らは、コストの高い住宅ローンを一掃したいと考えている。住宅ローンの返済条件が変更されれば、今年150万人が持ち家にとどまることができると算定している。しかし、この種の対策は複雑でコスト高だ」と述べた。
 ファニーメイとフレディマックは、昨年9月に国有化されて以来、住宅保有者を支援する機関となり、デフォルト(返済不履行)した借り手が賃貸できるプログラムを作り出している。
 両公社は、一戸建て住宅ローンの約58%を保有または保証しているが、借り換え促進策の適用対象となるのはごく一部に過ぎない。40万人の借り手救済を掲げた住宅都市開発省の同様な対策も数百人しか利用できていない。


最終更新:2月9日15時54分


★★★焦点:世界的な時価会計の緩和圧力、日本に影響も
2月9日14時10分配信 ロイター



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 2月9日、時価会計ルール適用を緩和しようという動きが世界的に広がり始めている。写真は都内。昨年11月撮影(2009年 ロイター/Yuriko Nakao)

 村井 令二記者
 [東京 9日 ロイター] 金融危機の深刻化を背景に、金融機関の損失拡大につながりかねない時価会計の適用を事実上、回避する手法を模索する流れが米欧などで表面化しており、国際会計基準(IFRS)をグローバルな単一の会計基準にする動きに影響を与えつつある。
 金融庁が中心になって調整を進めている日本でも、国際会計基準を国内企業に適用する流れが固まる方向だが、今後の国際情勢次第では、日本での導入の前提条件が崩れる可能性もある。
 <導入スケジュールに神経質な日本>
 金融庁は4日、日本での国際会計基準の導入に向けて公開草案を発表した。それによると、1)2010年3月期から任意に適用、2)2012年に強制適用の是非を判断――するのが柱で、2月4日から4月6日まで一般からの意見(パブリックコメント)を募集し、今夏をめどに中間報告として決定する見通しになっている。2010年3月期からの選択適用が認められれば、国際会計基準が反映される財務諸表の第1号は、来年6月ごろ財務局に提出される見込み。 
 ただ、公開草案を詳細にみると、2010年3月期からの選択適用については「情勢を見極めた上で判断する必要がある」と表記しており、2012年の義務化の判断時期についても「1つのめどとして考えられるが、諸情勢で前後し得る」と先送りの可能性も示す。さらにパブリックコメント期間は2カ月間。通常の1カ月に比べると長く、慎重な姿勢が目立っており、金融庁は「世界情勢を見極める必要がある」として導入スケジュールには神経質だ。
 <ガバナンス不在の国際会計基準>
 金融庁が神経をとがらせているのは、国際会計基準をめぐる最近の欧米での動きに大きな変化の兆しが見える点だ。国際会計基準のルールは、民間組織の国際会計基準審議会(IASB)が決定するが、IASBの人事と予算を握る国際会計基準委員会財団(IASCF)を国際的に監視する組織(モニタリング・ボード)を設立する構想がある。この構想には、すでに日米欧の当局が合意しており、日本の金融庁長官のほか、米証券取引委員会(SEC)委員長、欧州委員会域内市場・サービス担当委員、証券監督者国際機構(IOSCO)の委員会議長がボードメンバーとして参加することになっている。
 しかし、発足に向けた最終確認作業で、欧州委員会域内市場・サービス担当のマクリービー委員の署名だけが得られていない状況で、発足時期については見通しが立たないという。日本側は欧州のあいまいな態度の真意を量りかねており「このままでは日本の意見が(国際会計基準に)どこまで反映されるか分からない」(金融庁幹部)と懸念。ガバナンスの観点から、日本として国際会計基準をすんなりと受け入れると言える状況にはないとみている。
 <欧州委員会が国際会計基準に圧力>
 国際会計基準のガバナンスが未熟なために起ったある「事件」があった。昨年10月初旬、欧州委員会は、金融危機による金融機関への決算の影響を懸念し、金融商品の保有区分の変更などを含む時価会計ルールの適用緩和をIASBに要請した。関係者によると「欧州企業に国際会計基準を採用させないことも示唆した露骨な圧力」だった。
 IASBはこの要請を「丸のみ」するかたちで10月13日に会計基準を変更。通常なら一般からの意見公募などで1カ月程度はかかる手続きを省略し、わずか数日後に基準変更したことで、世界的に広がる関係者に対し、国際会計基準のあり方を決める過程で、政治的な圧力を受けやすいとの印象を与えることになった。
 国内でも「日本の金融機関だけを不利な状況に置くわけにいかない」との意見が勢いを増し、結果として日本の企業会計基準委員会(ASBJ)も12月4日に債券の保有区分の変更の「特例措置」を決定。ASBJの会計専門家は「会計基準の変更ではなく例外措置にとどめたのは抵抗の表れだ」としているが、日本にとっては「欧州に翻弄(ほんろう)された」(金融庁)の苦い経験となった。日本の関係者の間でも「国際会計基準が特定地域の政治の意向だけを反映する存在であっていいのか」(公認会計士)との批判が広がった。
 <国際会計基準の危機対応、助言機関が議論>
 欧州委員会の圧力はこれで終わらず、昨年10月27日にもIASBに書簡を送り、時価会計緩和の追加措置を求めている。その内容は、1)公正価値(時価)適用の金融商品の変更、2)CDO(債務担保証券)の評価方法の見直し、3)金融商品の減損会計の見直し――が柱で、欧州内の金融機関の決算期に間に合うよう「08年中の措置」を要請していた。
 この追加要求に対しては、IASBは米国の財務会計基準審議会(FASB)と連携して世界の会計関係者を巻き込んで抵抗する路線に転じた。英国ロンドン(11月14日)、米国ノーウォーク(11月25日)、東京(12月3日)と08年中に3回の円卓会議を開催。トゥイーディーIASB議長は昨年11月17日にニューヨークで記者団に対し、会計の独立性を保つために米欧の審議会は協力し合って防御を強化しなければならないと語り、政治介入に強い反発を表明した。12月3日の東京の円卓会議では日本の金融庁の佐藤隆文長官も「(時価会計の緩和は)逆に作用する」とあいさつし、IASBを援護する立場をとった。
 IASBは「08年中の措置」を退けると同時に、年明けにはFASBと共同で「金融危機対応のハイレベル諮問グループ」を発足させ、各国の金融当局や中央銀行の高官・元高官18人など「権威あるメンバー」を招へいし、金融危機の中の会計基準のあり方について外部の助言を求めることにした。1月20日にロンドンで第1回会合を開き、2月13日にはニューヨークで開催する。3、4月の会合も予定しており「良識ある意見」を求めて結論を得る方向だ。
 ただ、大和総研の吉井一洋・制度調査部長は「IASBが外部の助言機関を立ち上げても、欧州委からの要望は引き続き検討している状況にある。今後、IASBから金融危機対応として出てくる案については(時価会計緩和のバイアスがかかっているかどうか)注意してみたほうがいい」とみる。日本の金融庁の幹部は「欧州の金融機関の決算は12月末で終わったが、これからもいろいろな形で圧力が出てくるだろう」と指摘している。
 <米国も時価会計緩和の発言、新SEC委員長の発言も波紋>
 時価会計ルールの適用緩和で大きくかじを切っているのは、欧州だけではない。米国は、国際会計基準を2014年以降に段階的に受け入れるかどうかを2011年に最終判断するとの「工程表(ロードマップ)案」を公表しており「受け入れに転じた」とみられていたが、風向きが大きく変わる可能性が出ている。
 2月4日にはドッド米上院銀行委員長(民主党)が、基本的な会計基準を変更することなく不良資産の評価損に直面する金融機関の時価会計規則を変更することが可能かもしれないと発言。金融機関の保有資産の時価会計適用に消極的な見解を明らかにした。
 また、オバマ新政権でSEC委員長に就任したシャピロ氏は、就任前の1月15日の公聴会で「SECから公表されたロードマップにはいくつかの懸念がある」と発言し、日本の関係者に衝撃を与えた。シャピロ氏は「国際会計基準は米国基準に比べて詳細ではない。会計の移行にかかる費用の問題もある。米国企業にこうした費用を貸すことが合理的か否かを注意深く検討することが必要だ」と指摘。「ここは大きく深呼吸をして全ての分野を注意深く検討しようと考えており、現在、公開されているロードマップには必ずしも拘束される必要はない」などとも述べていた。
 こうした米欧での大きな政策方針の変化をみて、日本国内でも様々な見方が交錯し始めた。日本の関係者の中では「オバマ政権は国際会計基準の導入に後ろ向きではないか」との声が上がり始めた。こうした見方に対しては「政権交代によって前政権の方針を再点検するのは当然で、従来方針がすぐに変わることにはつながらない」という見解も出ているが、金融庁幹部は「もし米国がロードマップを見直すこととなれば、当然、日本としても前提が変わってくる」と指摘している。
 <日本の経済界は積極路線で金融庁を突き上げ>
 国際動向を慎重に見極める立場にあった金融庁が、導入に向けた公開草案を発表した背景には、経済界からの強い要請が影響したとみられている。企業会計審議会(金融庁長官の諮問機関)の議論で、島崎憲明・住友商事<8053.T>副社長は「企業サイドとしても強制適用のタイミングと方向性がはっきりすれば準備や作業が進められるが、いつ強制適用になるのか分からないままでは具体的な作業も進まない」と主張。日本でも「ロードマップ」を早期に整えることが重要だと強調した。
 また、東京証券取引所の斉藤惇社長は、国際会計基準の導入で海外の機関投資家が日本企業を評価しやすくなる効果を主張する。ただ、斉藤社長は「国際会計基準のエキスパートは日本にいない。会計士は国際会計基準を完全に分かっているわけではないし、ルールがきっちりあるわけでもない。その中でどうするかは審議会などで詰めていくしかない」として、環境整備の遅れた日本の事情にも言及している。
 こうした情勢の下で、金融庁の公開草案は導入のタイミングが見えづらく難解な表現になったが、慶応義塾大学の池尾和人教授は「国際金融市場の先行きが不透明な以上、慎重にせざるを得ない」と指摘している。金融庁は、4月6日までのパブリックコメントにおける世論の反応を確かめながら、欧州と米国の動向にも目を配り、今後の展開を決めていく方針だ。
 (ロイター日本語ニュース 村井 令二記者;編集 田巻 一彦)


最終更新:2月9日14時10分


★★★機械受注 前期比16%減、最大の下げ幅…10~12月期
2月9日13時56分配信 毎日新聞



機械受注額(船舶・電力を除く民需)の推移

 内閣府が9日公表した昨年12月の機械受注統計(季節調整値)によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」は前月比1.7%減の7416億円で、87年7月(7344億円)以来、21年5カ月ぶりの低水準となった。08年10~12月期は前期比16.7%減と過去最大の下げ幅で、昨年9月の「リーマン・ショック」以降の世界経済の失速を受け、企業が設備投資を大幅に減らしている姿が鮮明になった。

 昨年12月の内訳は、非製造業が前月比8.3%減。金融・保険業が大型コンピューターへの投資を絞ったほか、建設業からの受注の落ち込みが目立った。7.0%増だった製造業も大型受注があった鉄鋼業や石油産業の寄与が大きく、自動車や電機は依然、大幅減だった。内閣府は、機械受注の基調判断を「大幅に減少している」で据え置いた。【尾村洋介】

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東証:反落、415円安の終値8023円
東証:反落、一時8000円割れ
機械受注:過去最大16.2%減…11月
外為・株式:東証 一時8000円割れ
機械受注:16.2%減 過去最大、設備投資冷え込む----08年11月

最終更新:2月9日13時56分


★★★焦点:オバマ政権の金融安定化策、システム救済には不十分との声
2月9日13時48分配信 ロイター



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 2月6日、オバマ政権の金融安定化策が銀行システムを救済できないとの声が出ている(2009年 ロイター/Jim Young)

 [ニューヨーク 6日 ロイター] 米オバマ政権は、10日に発表する金融安定化策が銀行システム救済につながることを期待している。しかし、専門家は議会の承認を取り付けることも実行するのも難しく、最終的に失敗に終わる可能性もあるとみている。
 ガイトナー財務長官は、不良資産の政府保証、銀行からの不良資産切り離し、住宅ローン返済条件変更支援などさまざまな措置を発表する見通し。
 アナリストのなかには、すでに失敗した取り組みの寄せ集めで、銀行システムを支援はしても修復はしないのではないかと懸念する向きもいる。
 独立系銀行コンサルタントのレイ・ソイファー氏は「基本的に景気が良くならならないと、銀行も回復しない。景気は悪化し続けており住宅価格も下落基調だ。金融安定化策は銀行にとって必要だが十分ではない」と述べている。
 銀行システムが潜在的に必要とする資本は、1兆ドルを超えると試算されている。昨年10月に成立した金融安定化法に盛り込まれた不良資産救済プログラム(TARP)と呼ばれる公的資金枠は残りが約3500億ドル。ガイトナー長官は10日に追加措置を発表すると予想されている。
 元米連邦準備理事会(FRB)議長でオバマ政権の経済再生諮問会議の議長を務めるボルカー氏は4日、上院銀行委員会の公聴会で、クレジット市場の収縮を打開するために「さらに十億ドル単位の資金」が必要になるとの見解を示した。
 しかしコストの重い銀行救済措置を議会に承認させるのは難しい。議会内は、どう銀行システムを支援するかで百家争鳴だからだ。
 この数日は、会計規則の変更が有効かどうかが議論になった。
 上院銀行委員会のドッド委員長は4日、金融機関の時価会計規則変更の検討は可能との見解を示した。ところが翌5日には財務省と米証券取引委員会(SEC)が時価会計規則変更について協議していない、との関係筋の話が伝わった。
 議会はすでに大型景気対策に懸命に取り組んでいると指摘するのは銀行業界コンサルタントのバート・エリー氏。
 調整に調整を重ね、オバマ大統領が目指す2月16日までの議会通過がみえてきたところで、「(銀行に関する)法案をただちに推し進めれば、法案作業に過度な負担がかかりかねない」という。 
 <即効性を阻む要素> 
 金融安定化策は、早期実行が難しかったり、インパクトが薄れるという弊害もはらみ状況は複雑だ。
 政府が不良資産を買い取る機関を設立するとなれば、資産の適正な価値を算定できるかが問題となる。これは、TARPの当初の構想でも問題になった。
 住宅ローンの返済条件変更は、すでに一部銀行が行っている。これで住宅危機は幾分和らいだかもしれないが、セクター回復には程遠い状況。返済条件を緩和しても、再びデフォルト(返済不履行)するローンは相当の割合を占め、借り手の問題が返済条件変更で解消しないほど深刻なことを物語っている。
 ニューヨーク大学スターン経営大学院のローレンス・J・ホワイト教授(経済学)は「これらのプログラムについて、自分はどちらかというと楽観的だってきたが、ずっと裏切られている」と述べ、金融安定化策の効果が出るには数カ月かかる可能性があるとの見方を示した。
 ( Dan Wilchins記者;翻訳 武藤邦子;編集 宮崎亜巳)


最終更新:2月9日13時48分


★★★1月の倒産件数は前年比+15%、負債総額は+44%=商工リサーチ
2月9日13時48分配信 ロイター


 [東京 9日 ロイター] 東京商工リサーチが9日発表した1月の全国企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比15%増の1360件、負債総額は同44%増の8389億9100万円だった。
 倒産件数は8カ月連続で増加し、1月としては2003年以来6年ぶりに1300件を上回った。産業別では、不動産業が1月としては16年ぶりに60件を上回った。さらに、製造業は1月としては6年ぶりに200件を超え、自動車など大手メーカーの減産が影響した倒産は12件発生した。
 負債総額は、5カ月連続で前年同月を上回った。負債総額100億円以上の大型倒産が16件となり、負債総額を押し上げた。
 上場企業の倒産は、クリードなど4件だった。商工リサーチでは「実体経済の不況感は一段と増している。年度末にかけ、建設・不動産関連、製造業の中堅クラスを主体に前年並みで推移する可能性が高い」としている。


最終更新:2月9日13時48分


★★★1月の倒産件数は前年比+15%、負債総額は+44%=商工リサーチ
2月9日13時48分配信 ロイター


 [東京 9日 ロイター] 東京商工リサーチが9日発表した1月の全国企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比15%増の1360件、負債総額は同44%増の8389億9100万円だった。
 倒産件数は8カ月連続で増加し、1月としては2003年以来6年ぶりに1300件を上回った。産業別では、不動産業が1月としては16年ぶりに60件を上回った。さらに、製造業は1月としては6年ぶりに200件を超え、自動車など大手メーカーの減産が影響した倒産は12件発生した。
 負債総額は、5カ月連続で前年同月を上回った。負債総額100億円以上の大型倒産が16件となり、負債総額を押し上げた。
 上場企業の倒産は、クリードなど4件だった。商工リサーチでは「実体経済の不況感は一段と増している。年度末にかけ、建設・不動産関連、製造業の中堅クラスを主体に前年並みで推移する可能性が高い」としている。


最終更新:2月9日13時48分


★★★円続落、一時92円台=米景気対策に期待--東京市場
2月9日13時1分配信 時事通信


 9日午前の東京外国為替市場は、米景気対策への期待感からドル買いが優勢となり、円相場は一時約1カ月ぶりの安値水準となる1ドル=92円台前半に下落した。午前11時現在は91円66~67銭と前週末比71銭の円安・ドル高。 

【関連ニュース】
・ 〔マーケット情報〕株と為替の最新市況
・ 円相場、92円06~10銭=午前9時現在
・ 円続落、90円台後半=東京市場
・ 円相場、90円95~97銭=6日午後5時現在

最終更新:2月9日13時4分

★★★日本航空インターの格付け見通し、ポジティブからネガティブに変更=ムーディーズ
2月9日12時54分配信 ロイター


 [東京 9日 ロイター] ムーディーズ・インベスターズ・サービスは9日、日本航空インターナショナル(JALI)の長期債務格付け・発行体格付けBa3の見通しをポジティブからネガティブに変更した。
 ムーディーズによると、今回の見通しの変更は、最近の急激な航空旅客需要の減少が、JALIの収益性を圧迫し続ける可能性があるとの見方を反映した。日本航空(JAL)<9205.T>はJALIの持株会社。


最終更新:2月9日12時54分


★★★1月中国輸出は大幅減し、銀行貸し出しは急増の見通し
2月9日12時4分配信 ロイター


 [北京 6日 ロイター] ロイター調査によると、世界的な景気低迷を受け中国の輸出が1月も大幅に減少したとみられる一方、政府の呼び掛けに応え多くの銀行が融資を拡大させたため、同月の銀行貸し出しは急増したもよう。
 エコノミスト18人の1月の輸出の対前年同月下落率の予測中央値は10.8%。1999年1月以来最大の下落率となる。昨年12月の下落率は同2.8%だった。
 輸出の急速な減少により、1月の貿易黒字は287億ドルと、昨年12月の360億ドルから減少したと予測された。
 ゴールドマン・サックスはリサーチノートで「成長率低下の緩和を示す兆しは最近出始めたものの、政府の景気刺激策の効果が表れはじめ、外部環境が回復するまで中国の成長力は低迷を続けるとみている」との見方を示した。
 一方、1月のマネーサプライM2伸び率は前年同月比18%、人民元建て新規融資伸び率は同19.5%と予測された。
 また、1月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比マイナス2.6%と、前月のマイナス1.1%からデフレが加速したもよう。同月の消費者物価指数(CPI)伸び率は前年同月比0.9%と、前月の1.2%から減速したと予測された。
 1月の中国の1連の経済統計は、春節(旧正月)の休日による影響を平均化するため、投資や小売に関する統計など、2月分と合計して公表されるものもある。


最終更新:2月9日12時4分


★★★賛否両論侃々諤々「財政出動」景気回復に有効か
2月9日11時55分配信 J-CASTニュース


 経済評論家やエコノミストのあいだで、「財政出動」をめぐる議論が活発になってきた。企業の生産調整や雇用削減の動きが激しさを増し、デフレスパイラルもささやかれる中で、麻生太郎首相はダボス会議で「事業規模で約75兆円の景気対策を決断した」と各国首脳を前に胸を張った。しかし、それだけ大規模な「財政出動」を実施して、果たしてどれだけの効果があるのか、疑問視する声も出ている。

■景気回復へ争点は「財政出動」

 総務省によると、2008年12月の完全失業率は4.4%と、前月に比べて0.5ポイント悪化した。非正規社員を中心とした人員削減が、正社員にも及んできたためだ。

 また、経済産業省の08年12月の鉱工業生産動向(速報値、2005年=100)によると、生産動向指数は前月比9.6%低下して84.6。3か月連続の低下となったばかりか、下げ幅は統計上で比較可能な1953年2月以降で最大で、同省は「生産動向は急速に低下している」としている。

 国際通貨基金(IMF)が発表した最新の経済見通しによると、2009年の日本の実質成長率はマイナス2.6%。ただ、日を追うごとに景気は悪化傾向を強めている。自動車や電機メーカー、金融機関などの08年4‐12月期の業績発表をみても、「赤字決算」のオンパレード。未曾有の深刻さだ。

 景気回復のための経済政策として、政府から聞こえてきたのが総額75兆円という経済対策。こうした中で、経済評論家やエコノミストらが「財政出動」の効果について声をあげ始めた。

 上武大学大学院教授で経済学者の池田信夫氏は2月2日付の自らのブログで、米ウォールストリートジャーナル(WSJ)に掲載された「ニューディール政策が景気後退を長期化した」とのCole-Ohanianらの研究を取り上げた。

 それによると、米国が1930年末に大恐慌から回復した原因は1938年にニューディール政策をやめたためで、実証研究では1930年代の需要刺激策に効果がなかったことを示しているという。そのうえで「1990年代以降の日本のバラマキ政策の経験でも明らかだろう」と、財政刺激の効果を疑問視している。

 早稲田大学大学院の野口悠紀雄教授もダイヤモンドオンラインの「未曾有の経済危機を読む」で、「変動相場制の下で財政支出を拡大しても、円高になって貿易黒字が減少するから、経済拡張はないことがわかる」と指摘する。

 「仮に10兆円規模の経済対策を考えようが、効果は期待できない。ましてや、2兆円の定額給付金など、何の効果もないことがわかる」とバッサリ斬った。

■「とにかく公共事業を増やして」という声も

 もちろん、「財政出動」肯定派もいる。「財政出動すべき」と言い切るのは、「恐慌前夜」(祥伝社刊)の著者で常葉学園大学の副島隆彦教授。「小泉路線の改革派との対立もあって、2兆円(定額給付金)を通すにも四苦八苦しているが、とにかく公共事業を増やして、若い人に職を与えていくことが必要だ」と説く。

 しかし、問題はいまの経済情勢を政治家がきちんと見極めていないことにある。国際金融エコノミストの枝川二郎氏は、「定額給付金の問題にしても、給付金をどのように配るのか、国民全員にきちんと行き渡るのかといった、議論の本質ではないところで盛り上がっている。一方、米国ではオバマ大統領が打ち出した公共事業を積極化する、財政出動への賛否について論争が続いている。WSJのような否定的な意見にも耳を傾けようという姿勢が、日本の政治家にはみられない」と指摘する。


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最終更新:2月9日11時55分


★★★GDPも注視し、総合的な対応を考える=官房長官
2月9日11時52分配信 ロイター


 [東京 9日 ロイター] 河村建夫官房長官は9日午前の会見で、朝方発表された機械受注に加えて、経常収支も悪化を示す結果となったことについて「急激な経済の落ち込みによってこれまでの黒字幅が非常に落ち込んだ。これをもってすぐ次なる対策をどうするという時点ではないと思うが、いろいろな市場や統計がそういうものを示している」と景気の悪化に懸念を示した。
 その上で、「近々、年間のGDPが発表されるので、そういうものを注視しながら総合的に対応を考えねばならないと思う」と述べた。
 特に日本の成長率が注目されており、どの程度の落ち込みですむかというか注視しなければならないとし、「こうした厳しい状況下にあるので、何はさておいて第一次、第二次補正、09年度本予算の3段ロケット景気対策が急がれるところだ」と述べた。 


最終更新:2月9日11時52分


★★★情報BOX:米金融安定化に向けたオバマ政権の構想
2月9日11時49分配信 ロイター



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 2月8日、ガイトナー米財務長官は10日、オバマ政権による金融安定化策と不良資産救済プログラムで用意された7000億ドルの残りの使途の大枠を明らかにする。4日撮影(2009年 ロイター/Larry Downing)

 [8日 ロイター] ガイトナー米財務長官は10日、オバマ政権による金融安定化策と不良資産救済プログラム(TARP)で用意された7000億ドルの残りの使途の大枠を明らかにする。
 以下は検討されている構想の一部。
 <資産保証>
 政府は銀行に対し、帳簿に残る不良資産から発生する損失を保証することで、ある種の保険を供与する可能性が高い。
 この計画の下、銀行のバランスシート上で資産は他のローンから「隔離」される見通し。結果として、投資家信頼感が強まり、銀行は民間の資本調達が容易になるとみられる。
 また、政府は連邦準備理事会(FRB)、もしくは連邦預金保険公社(FDIC)に対し、財務省が単独で購入可能な規模を上回る資産を保証させることで、納税者の資金にレバレッジをかけることが可能だ。
 金融機関の不良資産を買い取る政府運営の「バッドバンク」は設立に費用がかかるため、資産保証の方が選択肢としてより好ましいと捉えられている。
 財務省とFRB、FDICはこの手法でシティグループとバンク・オブ・アメリカを対象に2件の大型保証計画を作成した。
 <FRBプログラムの資金調達>
 消費者や小規模事業への融資の支援を目的に設立されたFRBプログラムを拡大するため、財務省はTARP資金の残りの一部を使用する見通し。
 FRBは現在、ターム物資産担保証券貸出制度(TALF)の下、自動車ローン、学生ローン、クレジットカード・ローン、中小企業向けローンに裏打ちされた最上級格の資産担保証券の保有者に対し、最大で2000億ドルの融資が可能。財務省は、FRBが被る可能性がある損失に対して200億ドルを充てるとしている。
 財務省とFRBは、同制度を拡大し、住宅ローン担保証券やその他の資産も対象に含める可能性がある、としている。拡大後の制度は「バッドバンク」と同様の役割を果たす公算が大きい。
 <住宅差し押さえの救済>
 政府は1月、TARP資金の残りのうち500億─1000億ドルを住宅の差し押さえの防止に活用すると約束した。
 業界関係者らによると、政府管理下にある住宅金融機関の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ) と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に不良住宅ローンの引き受けを担わせることを当局者らは検討している。
 さらに政府は、他の住宅ローン会社に対し、これら2社に続くよう補助金を支払う可能性があるという。
 <資本注入>
 銀行の不良資産の処理にいかなるアプローチを採用しようとも、財務省は救済基金の活用を継続する見通し。
 銀行規制当局者らは、TARP資金の当初の半分を用いて設立されたプログラムの下、公的資金を求める多数の申請の選別に追われている。金融機関に加え、ノンバンクやその他の企業も政府資金を求める行列に加わろうとしている。
 投資プログラムはこれまで、優先株やワラントの大幅なディカウントでの取得に限られてきたが、政府は一定期間の経過後に普通株に転換できる優先株を要求し始める可能性があるという。
 この期間は7年とみられ、既存株主は即時の希薄化を免れるが、一部の銀行については業績が回復しない場合、政府が最終的に大株主、あるいは過半数株主になる可能性がある。
 <時価会計>
 政府が計画に時価会計ルールの停止、もしくは改定を盛り込む可能性があるとのうわさを受け、銀行株は5日に上昇した。


(続く...)