古都ゴンダールに行く途中、停めてくれたバスから降りて、現地ガイド氏の案内で少年2人が落ち穂拾いらしい作業を見学した。
テフとソルガム、2つの穀物に恵まれたエチオピアの幸運
良く気のつくガイド氏は、その隣のまだ刈られていない畑で、ソルガムを見せてくれた(写真)。こちらの粒は大きい。乾燥に強いから、途上国でよく栽培されている。
実はソルガムも、アビシニア高原が原産地の1つ、と考えられている。ソルガムは、乾燥に強い作物である。エチオピアには、うってつけだろう。
古代エチオピアの幸運は、テフ、ソルガムという主食になる2大穀物の原産地であったことだ。そのためこの生産で、余剰穀物が蓄積され、それが階層分化を生み、やがて支配者が現れる。かくて、エチオピアでは熱帯アフリカで最古の王国が誕生した。
そのソルガムがこれか――僕は、感動してそれを見た。
ソルガム、すなわちコーリャン
またソルガムは、穀物の生産面積ではコムギ、イネ、トウモロコシ、オオムギに次いで世界第5位に入る。
ソルガムは、日本では今ではめったにお目にかかれないが(僕も初めて見た)、かつて戦後まもなくの食糧難の時にはよく食べられた。年配者には「コーリャン」という名の方が、空きっ腹の悲惨な思い出と共に著名かもしれない。和名は、モロコシ。
僕たちは、10分弱、そこにいた。遠くに、あの「神の指の岩」が見える(写真)。
いよいよゴンダールか
少年2人に手を振って別れ、僕たちのバスはまた走り出した。
走り始めて少しばかり大きな街が見えてきた。ゴンダールの郊外らしい。何しろ土地勘が全くない。しかし時間からすると、そんな感じだ。
現地時間で、3時半を過ぎた。ぼやぼやしていると、夕方になってしまう。
その懸念は、果たして的中した。
昨年の今日の日記:「香港でスターリニスト中国の策謀『偽りの普通選挙』法案、民主派議員により否決という快挙!」