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 1度は頓挫したかと思われた名古屋市議会解散を求める住民直接請求が一昨日、規定の署名数に達した。来年2月には、愛知県知事選、そして河村たかし市長(写真上)が辞職して再選挙に挑む市長選に併せて、市議会解散の是非を問う住民投票が実施される。

実働80日で報酬年額1833万円のベラボー
 失職の危険に怯える市議の中からは税金のムダ遣いだという非難が出ているが、ただのゴム印市議会だったくせに高額報酬を受け取っている現在の既得権が危うくなると、このように言い出す。そんな市議自体が、ムダである。
 どれくらい高いかというと、政令指定都市ではあるが、年1人1633万円である。それなのに職員や会社員と異なり、常勤ではない。年4回の通常の市議会や臨時議会などに出席するだけの実働約80日の勤務である。日当20万円という、今時、ありえないほどの高額なのだ。
 もっとも市議報酬は名古屋だけ突出しているわけではない。政令市は県と同レベルの扱いなので、全国の政令市と都道府県の議員もだいたいこの前後と考えて良い。
 さらに言えば、その上に年収3000万前後にもなる国会議員がいる(歳費+文書費+ボーナス)。
 なぜ彼らだけが浮世離れした高額報酬を貪れるかというと、お手盛りだからである。自分たちの給料を自分たちで決めるのだ(一応、自治体には報酬審議会はあるが、既得権層の追認機関である)。

年800万円の減額を恐れて5度の否決
 そんなバカなことがあるか、と怒ったのは、元民主党衆院議員で名古屋市長に転出した河村市長である。自身、市長に当選した後、市長報酬を半減させたが、河村市長は市議にも同様の「痛み」を求め、先頃の11月、市議報酬を半減(年額約816万円)させる条例の5度目の提案を議会に出し、否決されている。
 もちろん河村市長の母胎となったバラマキスト民主党議員団も反対で結束した。いわく「半分の800万円になったら、市議になる人がいなくなる」。それがいかに傲慢でペテン的かは、河村市長が率いる減税新党が来たるべき市議選に大量の立候補準備を整えていることからも明らかだ。市議のなり手はいっぱいいるのである。
 ちなみに半額になっても年収800万なら、立派な高給であろうし、バラマキスト民主党市議団の中には労組出身者もいて、そこから給料をもらっている奴もいる。自営業者や会社役員なら、さらに別の収入もある。

後出しじゃんけんアンフェアの市選管委員の構成は
 市議会に何度も否決され、その都度、出し直す河村市長の執念も見上げたものだが、不況で賃金も職も失っている市民が、この対応に怒った。他に市民税の10%の恒久減税を唱える河村市長に賛同する市民団体が8月から市議会解散のリコール署名を始め、たった1カ月間で必要数を10万人も上回る46万5000人近い署名を集めた。
 しかし既得権を脅かされる市議会は、反撃に転じた。署名を受け付けた市選管に圧力をかけ、11万人分以上の署名を無効、と判定させたのである。それでリコールを闇に葬る算段だった。
 市議会の謀略の疑いを限りなく確からしくさせるのは、20日間と定められた審査機関を後から延長し、審査厳格化したからだ。決まったルールを後で変更するというトンでもないことをやらかしたのである。ちなみに公正中立であるはずの市選管だが、委員4人のうち3人は市議OBである。現役市議からの圧力は強かったであろう。
 市選管から無効宣言が出されたは、9月30日。河村市長自身も不覚落胆した様子がテレビに映し出されたように、これで政令市のような大都市で初めての市議会解散請求は終わった、と誰もが考えた。

難癖つけた市選管の妨害を乗り越えて
 しかし住民グループは、気落ちせず、ここから巻き返しに出る。無効とされた11万人余の名簿を縦覧し、有効となる可能性の高い署名を確認したうえ、署名を有効と判定させる集団意義申したてを行った。無効された1万人以上の人が、わざわざ切手を貼って、有効と申し立てる書面を送ったのだ。
 そして各区ごとの異議申し立てで、一昨日、ついにリコール賛成の有効人数を超えた、というわけである。
 市選管の委員たちがいかにこのリコール請求を嫌っていたかは、無効とされた署名に「公団団地をUR団地と書いて無効にされた」、「番地だけ抜けていて無効にされた」、はては「押印が濃すぎて無効」だとか「署名欄内にボールペンの試し書きがあったので無効」という難癖に等しいものまであったことから明らかだろう。
 日本郵政民営化でもTPP参加でも、既得権層は「公益のため」とか「日本農業を守るため」とか、常にもっともらしい理屈を立てて無自覚な人たちを騙し、安逸な既得権を守ろうとする。

議会解散後の市議選でバラマキスト民主党は壊滅へ
 今回の名古屋市議会の解散を求める住民投票実施のリコール署名も、市議側などから「議会と市長は二元代表制だから(市長と対立して当然)」とかもっともらしい理屈をつけて異議を唱える。
 しかし、そんな屁理屈が市民の共感をよばなかったのは、1度は挫折したかと思われた中で不屈の思いで立ち直った市民側の努力から明らかだ。
 来年2月に行われる議会解散を求める住民投票では、おそらく解散賛成に圧倒的多数の票が集まるだろう。その圧力のもとで実施される新市議を決める市議選では、河村市長の立てる減税新党に無党派票を大量に奪われ、バラマキスト民主党議員は大量落選=失業するに違いない。
 報酬800万でもよかった、と悔やんでも、もう遅いのである。
 言うこととやることの常に違うバラマキスト民主党の地方議員にも、来年4月の統一地方選では鉄槌を下そう。

 写真は、中央がソウルの漢江クルーズで見た国会議事堂、が旧王宮の1つである雪の徳寿宮(画面右)と建設工事の始まったソウル市庁舎(同右下)。

昨年の今日の日記:「ベトナム、カンボジアの旅:ハノイ散歩④、ホアンキエム湖周辺の散策」