kawanobu日記/議員特権にあぐらをかくバラマキスト民主党への糾弾と金賢姫氏来日批判への所感:「極左日和見主義」、召還主義 画像1

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 先の参院選に躍進した「みんなの党」が怒っている。当選者121人の参院議員としての7月分の歳費(月129万7000円)と文書通信交通滞在費(月100万円)がまるまる、新参院議員にも支給されるからだ。

たった6日で230万円もせしめる国会議員、反対するのはバラマキスト
 ちなみに当選者が新参院議員になるのは本日7月26日からだから、たった6日間で約230万もせしめる! こんな超絶の特権は、健全な社会では決してない。
 むろん落選し、議員身分を失う千葉景子らにも、7月分は満額支給だ。「在職日数にかかわらず」毎月、1カ月分が支給されることに法定されているからだ。なおさらに言えば、文書通信交通費100万円は全額非課税対象、つまり無税である。
 どこの世界にもあり得ないこうした特権的な待遇は、昨年の衆院でも一時問題化した。あの時はさらにひどく、当選したばかりのたった2日間だけの汚沢チルドレンにも、歳費と文書費各1月分が満額支給されたのだ。
 バラマキスト民主党の言行不一致は、いつものことなのだが、連中は参院選の詐欺フェストで、「国会議員の歳費を日割りにするとともに、国会の委員長手当などを見直すことで、国会議員の経費を2割削減する」と公約していた。しかし放置どころか、官房長官の仙谷由人は、「引き下げデモクラシーみたいなことがあれば、気をつけて議論しましょう」と言って、できれば、頬被りしたい姿勢を鮮明にする。

バラマキストのもとでは消費税10%など論外
 こういう課題こそ、みんなの党にぜひ期待したい。同党は、議員歳費日割り計算の法案を、自民党の賛成も得て臨時国会に出す予定だ。その時、あらためて強欲なバラマキスト民主党議員の二枚舌があぶり出されるだろう。
 ちなみに本会議にも1回しか出席せず、地元京都で選挙運動していた汚沢ガールズの河上満栄や小林千代美は、ボーナスまで受け取って辞めた。こんな議員特権・お手盛りオーケーの分子を党内に抱えるバラマキスト民主党の主張と行動の二重基準が、ボケ菅の消費税10%構想への怒りになったことを、まだ知らないようだ。

金賢姫氏は敵ではない
 北朝鮮の元工作員だった金賢姫氏が、23日午後、韓国に戻った。金賢姫氏を来日させたボケ菅政権と中井・拉致問題担当相らの行為に、金氏を使ったパーフォーマンスだという批判が、ネット世界で乱舞していた。
 むろん政権人気の浮揚を図るパーフォーマンスの側面はあるだろう。クロ鳩の別荘を使わせたのは、まさにそんな意図を感じさせる。ただ、金氏を殺人犯と呼んだり、ヘリコプターで東京市街を見せたことを批判したりする立場を、私はとらない。
 金氏が大韓機爆破事件の下手人であったのは確かだが、彼女は学生の頃から朝鮮労働党から工作員としてリクルートされ、スパイ、テロリストとして教育された金正日の犠牲者である。彼女が、主体的に行動できる余地はゼロだった。大学教育を受けて進んでテロリストの道を選んだアルカイダやオウムの連中とは、根本的に違う。

批判は「極左日和見主義」
 韓国に移送されてから、彼女がもたらした北の情報は重要だった。田口八重子さんが拉致され、金氏の教育係にされていたことなど、彼女の供述で初めて裏付けを得られたのだ。だからこそ全斗煥大統領の後任だった保守系の盧泰愚大統領に特赦されたのである。北朝鮮の兵士やスパイは、説得して金正日のマインドコントロールを解くべく対象だろう。
 ボケ菅政権が金氏に謝礼を払ったかどうかは知らないが(中井氏は否定)、払ったところで、北朝鮮の狙撃手が待ちかまえているかもしれないスパイ天国の日本に来てくれるのだとしたら、合理的範囲内の謝礼は当然だろう。韓国に連行されて以来、1度も外国に出たことのない金賢姫氏に、かつてスパイ教育時代に聞かされた日本像と全く違う日本の首都を上空から40分観光させてあげることくらい、危険を冒してわざわざ訪日してくれた答礼として当然である。本来なら、ゆっくりと京都や奈良、北海道を案内してあげるべき筋合いだ。
 リブパブリは、ボケ菅政権のパーフォーマンスを批判するあまり、金氏の尊厳と来日を批判する論調に接し、レーニン(写真上)の批判した「極左日和見主義」という思考態度を連想した。左翼ではないけれども、発想の根は同じである。

レーニン、ツァーリが開設したドゥーマ(国会)参加に反対した極左を批判
 ロシア十月革命の前、1905年のロシア第1革命と日露戦争敗北で、ロシアの専制的ツァーリ(皇帝)は、動揺する帝政を守るために人民に一定の譲歩をした。実権はほとんどなかったが、ともかくも民主的選挙でドゥーマ(国会)を開設し、民衆の代表を招集したのだ。
 後の共産党となるロシア社会民主労働党ボルシェヴィキ派の領袖だったレーニンは、党内の左派の激しい反対を押し切ってドゥーマに参加する途を選んだ。左派は、選挙に参加することは、暴力革命推進路線にとって有害であり、そもそもドゥーマに実権がなく、ツァーリ体制の一翼を担いかねないと、反対した。
 レーニンは、その左派を、「召還主義」、「極左日和見主義」と批判したのである。勇ましい論は唱えるけれども、大局観を見ない日和見主義というわけである。ドゥーマに我々は何も期待はしない、しかしドゥーマの場に入って演壇でツァーリの政府と堂々と討論してこそ労働者代表は帝政の腐敗とペテンを暴露できる、とレーニンは左派に説いたのだ。この時、間違いなくレーニンは党内右派を代表していた。

拉致問題を忘れぬために
 リブパブリは、レーニンが行った十月革命とその後の偏狭なボルシェヴィキ独裁が、後の独裁者スターリンを生みだし、ロシア革命の大義を裏切った元凶と批判している。だから、ロシア十月革命の独善性を批判したドイツの革命家のローザ・ルクセンブルクに深い共感を覚える。
 しかしドゥーマの選挙にボルシェヴィキ党が参加したレーニンは、歴史的に見ればこの時、正しい判断をしたと評価する。後のロシア二月革命への途を掃き清めたのだから。
 今回の金賢姫氏の訪日で、何も新しい事実は出なかった。それは、あらかじめ誰にも分かっていたことである。しかし彼女は、訪日して拉致被害者家族と交流し、同時に忘れられようとしている拉致問題を連日の報道で日本国民に思い出させた。レーニンが左派に説いたように、北朝鮮の残酷さに今再び、日本人に目を向けさせたのだ。何より拉致家族会の方々が、わずかの「希望」をかみしめて喜んでいた(写真下=金賢姫氏と話す横田さんご夫妻)。
 しかも硬直した金正日体制は、もう長くはない。
 だから、金賢姫氏訪日は正しかったと信じている。
 我々は、何が拉致問題解決を進展させ、何がご家族を喜ばせるかを第一義的に考えるべきであり、金賢姫氏に対する偏狭な「極左」日和見主義的な非難は、敵である金正日を利するだけで無益だとリブパブリは考えるものである。

昨年の今日の日記:「裏磐梯紀行③、レンゲ沼探勝路散歩で知る「自然」:エゾアジサイ、モリアオガエル」