kawanobu日記/クロ鳩、ついに4日の沖縄で虚偽と無知・無能を認める:日米安保条約、桟橋案 画像1

kawanobu日記/クロ鳩、ついに4日の沖縄で虚偽と無知・無能を認める:日米安保条約、桟橋案 画像2


 普天間基地移設問題解決のための見通しが全くないのに、「私には腹案がある」と嘘をつき続けてきたクロ鳩が、とうとう4日、初めて訪問した沖縄で「国外、最低でも県外」が虚偽だったと告白した。

「腹案」などそもそも初めからなかった
 別の策があれば、とうに表明していただろうから、そんな腹案などなかったのは明らかで、党首討論で嘘をつき、その後も沖縄県民ばかりか、国民にも嘘をつき続けてきたのは明らかだ。
 その嘘も万策尽き、県外への全面移設を断念し、一部機能を鹿児島県徳之島に移した上でキャンプ・シュワブ沖回帰を認めざるを得なかった。嘘つき男、不誠実男が、ついに兜を脱いだの図だが、その告白も遅すぎだ。日本の安保問題を弄び、日米関係を危機に陥らせ、沖縄県民を騙した罪は、万死に値する。またこの男を党首にいただいて、昨年8月の衆院選で詐欺集団・民主党に投票した方々は、志があるのならクロ鳩と民主党に責任を追及すべきだろう。

日米安保条約に「極東の安全維持」目的も明記
 それにつけても、嘘の告白の理由付けもまたお粗末極まりない。「学べば学ぶほど、アメリカ海兵隊の抑止力の意義が分かってきた」「浅はかだった」というのである
 日米安保条約第6条に基づき、日本はアメリカ軍に基地を提供する義務を負う。それは、同第5条でアメリカが日本を防衛する義務を負っているための当然の対価だ。ちなみに同条約で日本は、アメリカを防衛する義務を負わない。日本にとって極めて好都合、有利な片務条約である。この在日アメリカ軍の存在のおかげで、日本は毎年10兆円以上の国防費を節約できている。
 また同6条には基地提供の目的として、こうある。「日本の安全に寄与」は当然として、「極東における国際的平和及び安全の維持に寄与」。つまり沖縄にアメリカ軍海兵隊が存在するのは、台湾、韓国、さらにはフィリピンなど東アジアの平和維持の目的があるからで、中国や北朝鮮の侵略意図に対する抑止力のためなのだ。
 こうしたことは、多少は事情に通じた人なら、素人でも分かっていることだ。それを、政権交代を呼号した党の代表が、「知りませんでした」では通るわけはない。だから、最初から嘘をつき、沖縄県民を騙し、安保と日米関係を犠牲にしても県民の票を買おうとしたというのは、明白なのである。

嘘で「錯誤」の投票を強いられた衆院選挙は無効だ
 訪沖した4日、年初まではキャンプ・シュワブ沖を容認していた仲井間知事からは、「県外移設を」とあらためてせっつかれ、地元の稲嶺・名護市長からは「名護市に移設案が戻ることは絶対にあってはならない」と断られ、以後、会わないと扉を閉められた。また県民からは対話の場で、恥を知れという罵声が飛んだ(写真上=対話終了後にクロ鳩に詰め寄ろうとして制止される県民)。それも、もっともなのだ。クロ鳩は、自分が行けば、総理がわざわざ来たのだから問題打開の糸口がつかめるだろう、とタカをくくっていたのかもしれないが、それもまたトンチンカンで、政治センスのなさをさらけ出してしまったと言える。
 そもそも1996年の日米合意で普天間基地返還が決まり、その代替施設を名護市キャンプ・シュワブ沖に建設するという練りに練ったプランは、ともかくも沖縄県知事と名護市長も了承していたことだった。それなのに不純な動機で、無責任にも沖縄県民の期待値を高めるだけ高めて反古にしようとし、しかし代わりの策が当然に見つからないことが満天に明らかになって、ようやくに嘘を認めたのだから、昨年8月の衆院選挙は「錯誤による」ものとして、当然に無効化となる。クロ鳩の今なすべきは、八方ふさがりでどうしようもなくなった現実の責任を問うために、解散・総選挙である。

桟橋案など金食い虫の欠陥プラン
 クロ鳩の虚偽と無責任さを放任していた民主党の幹部連も同罪であるが、ともかくもクロ鳩では問題を打開できないことだけははっきりした。仮にこれでどうにもなくなってクロ鳩が政権を投げ出した場合、解散・総選挙になれば、衆院過半数を失い、野党転落は確実だから、誰かがたらい回し的に次期首相になるのだろう。その時、次期領袖もすがりつかざるを得ない策は、現在のところ、キャンプ・シュワブ沖埋め立ての現行案に代わって滑走路を乗せる巨大な桟橋の建設案しかないだろう(写真下キャンプ・シュワブ沖を視察するクロ鳩)。
 しかしこのプランも、巨大な浮体を浮かべるメガフロート案も、そもそも96年の日米合意前に検討されて「これはダメだ」と却下された欠陥プランである。第一、名護市民は絶対に納得しない。
 埋め立て案なら地元の中小建設業者もうるおうのに、桟橋案やメガフロート案では、技術力のある大手建設・造船会社しか参画できないから、地元に全くメリットはないからだ。地元が同意しない案を受け入れないとは、アメリカ側は何度も繰り返している。
 さらに金と時間がかかりすぎるし、そもそも何の意味も見出せない。資金については、埋め立て案に比べて桟橋案は1.5倍もかかる。工期も7年ほど要する。メガフロート案にいたっては費用が3倍、工期10年と論外である。

政権返上のうえ、クロ鳩ら責任者は議員辞職が筋
 だから桟橋案なのだろうが、こちらも社民党首の福島瑞穂が指摘したように(その立場は我々と全く対極にあるのだが)、「海の埋め立てが自然への冒涜なら、桟橋でも自然への冒涜」なのだ。藻場とサンゴ礁が全滅するのだから、現行の埋め立て案を上回るメリットはない。しかも桟橋下には海上から誰でも入り込める。ここにアルカイダなどのテロリストが巨大爆発物をしかければ、基地は壊滅する。脆弱な軍事施設など、敵に垂涎の標的を提供するようなものだから、アメリカ軍は絶対に受け入れるはずがない。
 つまりクロ鳩と連帯責任の時期宰相も、すべては実現不能な嘘でした、と自己批判したうえで、沖縄県にあらためて現行案で移設を受け入れてくれるように誠実に説得するしかない。そのために理解されにくくても安全保障上の重要性を地べたをはいずり回って説得し、せめてお詫び料として今まで以上の地元振興策を積み増すしかないだろう。
 その際の政権返上は、彼らがやるべき最低限の責任の取り方だし、デッドロック乗り上げの張本人となった、クロ鳩本人、防衛相の北沢、外相の岡田のトリオは、議員職をも退くべきなのもまた当然である。
 国家の最も重要な安全保障問題を政局に利用したのだから、そうでないと後世に禍根を残す。

昨年の今日の日記:「医療機関にも広がる新型インフルエンザAの風評被害と過剰反応への再批判」http://ameblo.jp/kawai-n1/entry-10255488279.html