平清盛(第三十四章)「白河院の伝言」第三十四章「 白河院の伝言 」「 やはり、流れておるのう。もののけの血が・・・。 」「 保元の年に戦が起こり・・・身内を切りました。 」「 平治の戦では、ともに武士の世を誓い合うた、源氏の棟梁を滅ぼしました・・・。」「 私を 上へ上へと駆り立てるものは、この身に流れる血ではござりませぬ・・・! 」「 この身にあびてきた血が、そうさせるのです・・・。 」病の中でさまよいながらも、母のやさしさにふれ、父の強さにふれ、清盛は、その身に流れる血に思いを寄せてゆく・・・。それは、決して「もののけの血」ではなく、これまで生きてきた中で、身をもって支えてくれたと感じ入る人々の、「大きな思いのこもった血」であることを。苦しい涙とあたたかな夢の力で 病を吹っ切り、現世に戻って改めて誓うことになる・・・。「 私は、あなたさまを 追い越してみせまする・・・! 」そこまで、白河院との関係にこだわるのは、逆に、「もののけの血」ゆえなのか、とも・・・。この間、清盛の知らないところで、ふつふつと、平家の運命を分ける「流れ」が、生まれはじめだす・・・。平家内にも・・・。源氏内にも・・・。頭をまるめた清盛は、ふるさとを福島に、そして、厳島神社の造営に取り掛かり始めるのであった・・・。(o^-')b清盛の想い・・・。筆文字 目次へ