みなさま、

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします♪



昨年の「10大ニュース」に

加えるのを忘れていました。

(やっぱり、まだあったじゃないか!)



昨12月に、

娘が学校で書いた作文が、

学校代表になり、地区代表になり、

県のコンクールで「奨励賞」をもらいました!

最優秀とまではいかなかったものの、

やっぱり、これは我が家にとって

大きな「ニュース」でした。


秋くらいでしたか、

「お父さんのこと、書いていい?」

と聞かれたことがありました。

「いいよ♪」

と気軽にこたえたときは、

まさか、こんなことになるとは思っていませんでした。


学校へ「朝の読書」のときに

私の小説を学校へ持っていき、

読んでくれた娘が、

私の病気をとおして、どんなふうに思っていたのか…。


よければ、読んでやってください…。

以下、娘の作文です。



○●○●○●○●○●


お父さん


私は、今回、父のことを書きたいと思います。

私の父は、小学校の教師でした。

また、母も小学校の教師なので、

私が小さい時は二人とも朝早くから家を出て

帰ってくるのはいつも外が暗くなってからでした。

その時私はまだ小さかったので、

おばあちゃんの家にあずけられていましたが、

それでもやっぱりさみしくて

「早く帰ってこないかなぁ」と

ずっと窓から外をのぞいていました。


私が小学校2年生のときでした。

ある日の朝、

いつものように学校へ行こうとすると

父の姿がありませんでした。

母に

「お父さんは?」

と聞くと、

「ちょっと体調が悪いからお休みするって」

というので、私は「そっかぁ」と言いながら

そのまま学校へ行きました。

しかし、次の日もその次の日も

父は仕事を休みました。

それどころか父の顔は、

日に日に暗くなっていくような気がしました。

幼かった私は怖くなりました。


お父さんがこんなに長く休んだことなんてないのに、

なんでみんな何も言わないんだろう。

なんで私だけなにも知らないんだろう。

もしかしたらすごく重い病気なんじゃないか。


そう思うといてもたってもいられず、

私はいつものように

ソファに座っている父のひざの上にのって

おそるおそる聞きました。

「お父さんはなんの病気なの?」

すると父は少し間をおいてから

「お父さんはね、心の風邪にかかっちゃったんだよ」


小学2年の私はよく意味がわかっていませんでしたが、

「風邪」という言葉を聞いて安心していました。


それから、しばらくして、

父はまた仕事に行き始めました。

そして、何事もなかったかのように

毎日が過ぎていきました。


私が、小学4年~5年の時、

また父が休み始めました。

そして、また父の顔が暗くなりました。

私もテレビなどで得た情報や

父の部屋にある本を見て、

なんとなくわかってきていました。


父は、「うつ病」でした。


父がこの病気になったのは、

この時が3回目でした。

そして、2回目の復帰の時、

「次に再発したら辞める」と言っていたそうです。

その言葉どおり、

父は教師を辞めました。

最初は私もすごく驚いたし、ショックでした。

本当は父も母も教師であることが自慢でした。

そしてそんな父を尊敬していました。

それでも

私は退職することで

父が笑顔になるならそれでいいと思いました。


退職してから父は

「できるかぎりの事をやる」と言って

家の掃除や洗濯、

母の帰りが遅い時には、

ご飯も作ってくれるようになりました。

自ら進んで家事の手伝いをする父を

純粋にすごいと思っていました。


ある日、学校で授業参観がありました。

母は仕事で来れないので

父が見に来てくれました。

それを見た友達が私に向かって、

「あれ、お父さんなの?」

と言いました。

その言葉を聞いて私はドキッとしました。

もしかしたら、心のどこかで

父のことを恥ずかしいと思っていたのかもしれません。

でも父にはいやだとは言えない。

その前に父に学校の話をしないほうがいい。

そう、思っていました。


でも、今、私がそんなことを

全く考えなくなったのは、

きっと母や兄を見ていたからです。

帰ってきて仕事のぐちや相談をする母。

いい意味で気を遣わない兄。

二人と話している父の顔に

笑顔が戻っていくのを見て、

「考えすぎていたかな」と思いました。


それぞれの家庭によって

いろんな事情があると思います。

お父さんがいなかったり、

お母さんがいなかったり、

兄弟がいなかったり。

それがどんなに辛くても

支えてくれる人がいれば、

人はいつだって笑顔でいれると思います。


病気になってから

私は父の弱い部分を何度も見ました。

でも、

「父親は、一家の大黒柱だから

強くなくちゃいけない」なんてことは思いません。

楽しいことがあったら笑って、

辛かったら涙を流して、

ゆっくりでも

一歩ずつ前に進もうとする父を、

私は人として、

娘として尊敬しています。

それを見守る母も兄も、

みんな私にとっては大切です。


これからは、

父という一本の大黒柱ではなく、

家族という四本の柱で支え合っていきたいです。


父は、今、

家で小さな塾を開いています。

「疲れたぁ」と言う父の顔は笑顔で、

たくさんの子ども達と触れ合っていると

すごく楽しそうです。

でも、私は何より、

小さな頃

あれだけ帰りの待ち遠しかった父が、

毎朝学校に行く私を見送ってくれて、

帰ってきたら一番に、

「おかえり」

と言ってくれることが


一番 嬉しい です。




○●○●○●○●○●





初めて読んだとき、


ひとりで泣きました…。




この作文の直筆を

娘は「誕生日プレゼント」といって

私にくれました…。

何よりの「プレゼント」でした。




妻も読んで



涙ぐんでいました…。






私の大切な娘です…。
  



そして、





私の大切な家族です…。









(o^-')b






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