(2007年10月6日の記事です)


応援団 NO.6・くりあがり、くりさがり


<くりあがり、くりさがりの計算でも指を使う! >
NO.5までのお話をしたあとに、
やっと「くりあがり」「くりさがり」のある計算へと
続けることができます。
 
 「くりあがり」「くさがり」のある計算で、
もし、ここまでの数の合成や分解が十分に理解できていない場合、
具体物つまり指を使って答えをだす方法でしか、
その子は答えをだすことができません。
テストの時におはじきを使ってもよいことがないように。
 
 それなら、もう答えを覚えてしまえばよいでしょう。
そして、答えを覚えてしまうまでたどり着くのには、
まず指でやらなければ子どもは答えをだせないということです。

 がんばり塾での100題計算は、ここのところをねらっています。
つまり、「くりあがり」や「くりさがり」の計算の答えを覚えてしまうということです。
指でやってもオッケ-。
同じプリントだから、やればやるほど題数がふえるのは、
実は当たり前なんです。
でもそこを「自分の力が伸びた」と自信をもたせること、
そして「次は100題めざすぞ!」という意欲をもたせること、
この【やる気】と【意欲】を大切にして伸びていってほしいという願いからです。

 学校の先生のなかには、
「指を使わずにできることを目指しなさい。」
という方針でやってみえる方もいます。
それはそれで否定をするつもりはありません。

 ただ、「ねらい」(めざしていること)が違うのだと思います。
「今現時点での、その子の力を把握する(成績をつける)」ということと
「今はこれをくりかえしていけば、必ず100題できるようになるからやる。」
ということの違いだと思います。
ですので、誤解のないように。
担任の先生のやりかたを第一にしてください。

 ですから、私も子どもの様子から、
「あ、学校ではこうやって教えているな。」と感じたことは、
それに従うようにしていくつもりでいます。
そこがずれると、まず影響を受けるのが
子どもということになってしまうので。

 学校と家と塾とバラバラだと3通りのことを
覚えることになって子どもがたいへんですよね。
そこは、私もふくめた大人が気をつけていかなければならない点だと思っています。

 ただし、ここからが少し問題です。

 学校ではおはじきなどを使って
具体物で授業をしていくわけですが、
ひとりひとりの理解度の違いをどこまで把握できるかということについては、
正直難しい面もあると思います。
人数の多さ、それだけの児童のひとりひとりの理解度の違いに
担任ひとりではどうしてもその把握には限界があると思うのです。
(私はそうでした。そう思われない方もいるかもしれません。)

 結局、子どもは宿題を家でやるとき、
わからなくなったらおうちの人にたずね、
おはじきはないから指でやることになります。

 そして、その指のやりからもわからないときには
おうちの人に聞きます。
そうすると、その時に教えてもらったやりかたで
やることになりますよね。
ということは、児童がいればその人数分の「指のやりかた」がうまれることになります。
おわかりでしょうか?

 つまり、「指のやりかた」は、
その教えるおうちの人の数だけやりかたがあるということになるわけです。
だから、その「指でのやり方」は、
家でいっしょにやる親、または家族の人のやり方で覚えて
くりかえし練習していくことになるわけです。
なぜなら、学校では「指のやり方」を特別に教えることはしないからです。
ここが、大事なところです。

 ということは、いったん子どものなかで出来上がった「指のやり方」は、
もうその後、他のやりかたへは、
なかなか変えることが困難になるということです。
その点を気をつけて教えてあげないといけないと思います。
 
 「じゃあ、どうやって教えるのがいいか?」
ということになりますが、これだけ言っておいて無責任なようですが、
「おうちのひとのやり方でよい。」と思います。

 ある一年生の子が、そのことを私に教えてくれました。
100題のひきざんをやるとき、
「おばあちゃんに教えてもらったの」
といって、指を使ってやっていました。
私は、「早く答えをだすのには、こっちの方法のがいいのにな」と思っていました。
でもすでにその子のなかでできあがった「やり方」を
ちがう方法に変えるのは急には無理だと思いました。
ですから、そのやりかたでしばらくやっていき、
理解が進んできたら方法を教えようと思いました。

 そしたら、その次の時間、
同じ100題をやっている様子をみていたら、
どうもこの前までとちがう指のおり方をしている。
「前とは違うやり方だね?」とたずねると、
「うん、この方が早くできるかなって自分で考えたの。」と言うではありませんか。

 驚きました!自分で考えたなんて!
 「教えてもらったやり方」と「早く答えを出す」という場面にあたり、
その子なりに考えたのでしょう。
「すごいね!そのやり方!」と私も教えてもらい、
当然題数も増え、二人で大喜びしたのでした。

 そうなんです。
 子どもは、自分なりのやり方を見つけ出していくんです。
私は子どもをみくびっていました。
そして、どんなやりかたにしても子ども自身が
自分のなかで「数の概念」なるものがつくられていくものなんだなと思いました。
そこへたどりつくまでの間は、
指を使っていろいろな方法を試してみたり、
○を数だけ書いて数えたり、・・・
その何度となく積み重ねられた練習(訓練)があってこそなんだなと教えられました。

 よく、「うちの子、まだ指を使わないとできないのよ~」という声を聞きますが、
決して卑下することはないと思います。

 子どもへの声かけは、
むしろ「指で早くたくさんできるようになったね。」
とほめる機会を待っていたいものですね。
そういう気持ちの余裕みたいなものが
おうちの人にあるかないかの問題ではないかと思います。
子どもの数だけ進む速さも方向も違いがあるように。
 
 そして、それより大事なことは、
その子なりの「指のやり方」をきちんと観察して理解してあげること
が大切だと思います。
 わからなければ聞いてみましょう。
 それによって、その子の「数」に対する考え方も理解でき、
自信もつき、次へのステップもみえてくるのではないかなと、私は思っています。


★ ずいぶんオーバーというか
押し付けがましい表現が多くてすいません。
この頃、この「応援団」を書くのが楽しくてたまらなかったのです。
目の前の子ども達を見ていて大きな発見の連続でしたから。
 
 また、学校の先生方へ
失礼な表現になってしまいはしなかったかなとちょっと心配です。

 でも、これだけは・・・!
 私は、いろんなやり方、指導法があって当たり前だと思っていますし、
どれがよくてどれが悪くて、どれが正しくてどれが間違いで、
ということはないと思うのです。
それこそ、先生の数だけ教え方、指導法があるわけですから。


 「子どもを育てたい、伸ばしたい!」
というところでは、同じ方向を向いているんだと思います。
「その子」が出会った担任の先生の方法を
少しでもフォローできたら、
お手伝いできたらというところに立って、
「がんばり塾」はやってきたつもりですし、
今後もそうありたいなと思っています。


 たくさんの先生方が、毎日、一生懸命、
教室で子ども達と格闘してみえます。
 その努力と信念と情熱に敬意を表し、
その方法を学びつつ、
子どものために力になってあげれればなと
いつも思っています。


先生方、どうぞ体にだけは気をつけて、
がんばってください!!!

私は、今、私にできることを、
これからもがんばっていきたいと思います。


応援団長より


※自分が現役のときに、自分のやり方について

 じっくり考えたことがなかったので、

 (というか、そんな暇はない・・・!)

 そんな忙しい先生たちの手助けというか

 味方になって、いっしょにやっていきたいと、

 それは、今でもそう思っています。

 子どもにとっては、

 やっぱり大事な「担任の先生」ですからね。

 そういうところへ立ちながら、

 塾ではいろんなサポートができていったらいいなと

 今でも思います。

 今の先生たちは、ホントに大変です。

 「教える」という肝心なことが、

 思うほど十分にできないほど、

 忙しそうです!

 家庭で、塾で、

 そういう先生たちを少しでも支えて

 子ども達の成長を見守っていかなければならないと、

 最近、特に思いますね。


 先生たち、がんばって!





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