15・16冊目続いて読破!
15冊目は再読です。
夏目漱石の 「吾輩は猫である」
先日の読破、伊集院 静 さんの 「ノボさん」 で正岡子規と夏目漱石のコメントが懐かしく再読です。
内容・・・・・・・
中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。
*味わい深く風刺内容を納得しながら楽しく読破です。
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16冊目は
浅田次郎さんの 「お腹召しませ」 です。
2006年の司馬遼太郎賞の受賞作品です。
内容・・・・・・・・・
お家を守るため、妻にも娘にも「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断は…。武士の本義が薄れた幕末維新期、惑いながらもおのれを貫いた男たちの物語。表題作ほか全六篇。中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞受賞。
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やたらに不器用な武士ばかりが、明治の初めの混乱の中で何とか生きていこうとするとこうなってしまう。ほんのちょっと昔のことなのに誰も考えないことをきっとこんなだったろうなうと思わせる絶妙な語り口で描いています。
作者は
・嘘と真実とが歴史小説という器の中で何ら矛盾なく調和していかなかればならぬ。
・これは奇跡である。
・随所に「嘘」を持ち込まなば多くの読者を納得させる歴史小説はまず成立不可能であろう。
文学と史学の不義の子としての歴史小説を世に問う覚悟ある小説として表現。
中々納得性ある語り口でまとめられた短編集。十分に納得でした。